JetB株式会社

【提携カメラマンインタビュー】杉山正直さん

更新日:2016.09.10

【提携カメラマンインタビュー】杉山正直さん

更新日:2016.09.10

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カメラマンになったきっかけは何ですか―

 
 きっかけというような直接的なエピソードは無いですが、一言でいうと、それしか考えてなかった
という事になると思います。
大学時代に就職活動をしてる中で、他にやりたいこともないし特に就職したい企業もない。
カメラはもともと好きで写真部だったという事もあって、迷わず飛び込みました。
  

 

それで写真をやろうとしてすぐに篠山紀信事務所に入ったのですか―

 というわけではなくて、最初は写真スタジオに入り3年間修業していました。というのも写真を学びたかったですが、お金もなかったし時間もない。
学校などに通ってお金を払って勉強するよりも、飛び込んで実際の現場の中でお金をもらって勉強するほうがためになると思ったのです。
理不尽でもなんでもぶつけられながら、体を張ってしか体得できない事があると思ったのです。
 

学校などではなく実践の場の方が修業になると考えたわけですね―

そうですね、それこそザッツ修業という感じでした。寝れないし、休まらない(笑)当時入ったスタジオは全寮制という聞こえのいい体制だったのですが、蓋を開けてみたらオフィスにパテーションで区切られただけの寝床があって、プライベートもくそもない。
ほとんど休まないで働くような仕組みでした。
でも、自分で望んでそういう環境に飛び込んでいったので特に文句もなかったです。
逆にカメラマンにとっての基本を現場で叩き込まれたので、今振り返ってみてもいい経験だったと思います。
 

結局そのスタジオで3年間働いて、その後篠山紀信さんに師事されたわけですか―

そうですね、その時ちょうど知り合いのカメラマンさんのほうからいいタイミングで引き合わせてくれて篠山紀信事務所に入ることになったのです。
篠山事務所にはその後2年間いました、その間に愛知万博に同行したり、常に一緒に行動していました。
師匠は直接的に何かを教えてくれるという事はあまりないのですが、仕事ぶりなどを一番近くで目で盗むというのでしょうか、本当に昔の職人の師弟関係みたいな感じでした。
 

杉山さんにとって、篠山紀信さんはどのような人でしたか―

本当の意味で「写真」を教えてくれた人だと思います。

スタジオで修業していた時はどちらかというと「仕事」を教えられたという感じでしたが師匠には「写真」ってどういうものかを深いレベルで教わったと思います。
 

具体的にはどういう事ですか―

篠山さんについて、身近にいて一番感じたことは、朝起きてから寝るまで本当に写真のことしか考えていないという事です。そうした思考の積み重ねが、現場で不思議なオーラみたいな形で表れていて、オーラなんて言うとありきたりな言葉は使いたくないですが、まさにオーラが出ている感じでした。そのオーラは突き詰めれば、被写体と向き合う姿勢から醸し出されているものだと思います。
 

なるほど、多くの事を身近で肌で感じて吸収した2年間だったということですね。

教わったことの中で、一番大事なことはなんですか―

それは「被写体に敬意を持つ」という事でしょうか。その被写体に対してどのような感情で向き合うかによって、驚くほど写真は変わるのです。なのでどのような被写体であれ、被写体の良さを最大限に引き出すことが最も重要だと気付かされました。

 

篠山事務所を辞めてから、CANONの写真新世紀賞を受賞するまでの経緯を教えてください―

最初の写真スタジオに入ってから、篠山事務所を辞めるまで足かけ5年間ほとんど休まず働いてきましたので、少しゆっくりしたいという気持ちで、兼ねてから行きたかった海外のバックパック旅行に行きました。
そしたら旅にハマってしまって、東南アジアやインドを旅しているうちに、単純な旅行を楽しむだけでは物足りなくなって、何か一貫したテーマで撮ってみたくなったのです。
 

それが受賞作であるオレハオララを撮り始めるきっかけとなったのですね―

そうです、ちょうど時期としては2008年1月21日から9月18日まで8カ月間です。

ブラジル、アルゼンチン、ボリビア、ぺルーなどを12カ国回りました。
リオのカーニバルから入って、あとの予定は一切決めずに、流れるままに任せようと思っていましたが、結局8か月も旅行を続けることになったのです。
最初から作品に自分を写そうと思っていたわけではなく、ただ単純に風景の中に自分を一緒に写したかっただけなのですが、人に頼むとなんというか、下手にとられても困るので、自分で取ってしまおうかと。
そして、いろいろなやり方を試すうちに「こうだ」と思ったのが、ポートフォリオの最初にある写真です。でも、自分が正面を向くと、自分の後ろに壁ができる気がしたんです。写真を見る人が、写っている僕の表情を気にし過ぎてしまいますしね。
 

受賞後はフリーランスのカメラマンとして様々なものを撮っているわけですね―

そうですね、とにかく写真一本で食っていくという事は、最初からぶれていないので仕事を選ばずにやっています。

フリーで食べていくというのはなかなか厳しいと言われている業界ですが、おかげさまで若い時から一度もアルバイトはせずに写真一本で食べています。その中で、いろいろなものを撮ってきましたので、守備範囲は広いと思います(笑)
最近だとCANONやSONYのカメラのパンフレット写真や表紙の撮影から、木材の会社の企業パンフレットから、アパレルブランドのカタログ、イビョンホンなどのライブまで幅広く撮っています(笑)
 

最後に写真を撮るときに心がけていることを教えてください―

写真は一言でいうと「瞬間をキャッチ」するという事になるので、常に新しい気持ちで被写体に向き合うという事を意識しています。それこそ「被写体に敬意を持て」じゃないですが、やはり商品写真撮影などはルーティーンになりがちですよね、でも被写体が何であれ写真の本質は「瞬間をキャッチ」するという事なの で。ルーティーンには絶対にならないように心掛けています。