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【リスクが急速に表面化】電通の広告不正からみる現代のネット広告の課題点

更新日:2016.09.26

【リスクが急速に表面化】電通の広告不正からみる現代のネット広告の課題点

更新日:2016.09.26

ネット広告不正に衝撃を受けるイメージ

 

電通の広告不正にみるネット広告の宿命的課題

 

9月23日、インターネット広告業界に激震が走りました。
日本を代表する広告代理店である電通が、ネット広告の掲載に対して不正行為があったと発表したのです。

日本国内のデジタル広告サービスにおける不適切業務の発生について

対象となったのは111社で、その中にはトヨタ自動車など大手企業も含まれ、総額は2億3000万円に達すると見られます。
しかしこれは氷山の一角に過ぎないと見られています。
今回は業界に横行している不透明な取引と、ネット広告の課題について考えてみたいと思います。

 

電通のネット広告不正の経緯

ことの発端は7月でした。
広告主から「掲出されているはずの期間なのに、掲出されていないのではないか」という指摘があったのだと言います。
広告が掲載されているはずなのに、思うような効果が上がっておらず、疑念を抱いたようです。
日本の広告業界では、広告を掲載するネットメディアが直接企業とやり取りをすることはあまりありません。
多くは電通などの広告代理店が間に入って取引をします。

その際の取引の流れは以下の通りです。

 

(1)広告代理店が広告主から予算と目的をヒアリング

(2)予算、目的に合わせてネットメディアから広告枠を購入

(3)ネットメディアが広告代理店に広告の成果(広告の表示回数やクリックされた回数)を報告

(4)広告代理店が運用レポートを広告主に提出

 

このようなフローのため、今回のように広告主の指摘が直接広告代理店に向かうのです。
電通は、成果が上がらなかった場合はレポートを改ざんし、広告主に送っていたことを認めました。
電通が記者会見において発表した不正取引の内容は以下の通りです。

 

●広告掲載期間のズレ
●広告の未掲出
●運用レポートの虚偽報告
●運用実態とは異なる過剰請求

 

電通は以下のような釈明をしています。

「最初から悪意が認められたものはない。
力量や時間の余裕が足りていないことを原因とした単純なミスから始まって、
後からそのミスに気づいて、それに対して、故意にレポートを改ざんしていく、
という悪意は認められている」(山本敏博常務)

 

同時期にFacebookでも動画広告の再生時間を過大に測定していたことが発覚

電通のネット広告不正と同日、米フェイスブックが同社サイトの動画広告の平均視聴時間を

過大に測定していたことが発覚しました。
「3秒以上の視聴」しか測定基準にしていなかったため、

動画の平均視聴時間を多く見積もりすぎていたのだと言います。
これにより平均視聴時間を60%~80%多く見積もっていた可能性が高いそうです。
メデイア企業やネットを使ってコンテンツを発信している人たちは

Facebookの動画コンテンツの視聴時間を参考に、コンテンツの掲載を判断しているため、

影響が大変大きいと言えます。

 

背景にネット広告の仕組みがある

インターネット広告はテレビや新聞とは異なる広告枠購入の仕組みがあります。
運用型広告と言われるもので、枠ごとにオークションをして、
より高く入札した人がその枠を買うことが出来ます。
金額が決まっているわけではなく、価格は常に変動します。
当然競争相手よりも高く入札しなければならないため、
予算枠の中で確実に希望した広告枠が買える保証はありません。
一方で性別、年齢、時間帯、言語など詳細なターゲット設定ができるため、
よりニーズの高いユーザーに広告を表示できる強みがあります。
ネットメディアは、実際に広告がどれだけ表示されたのか、どれだけクリックされたかなど、
目に見える情報を持っています。
広告主はこれを知ることでさらに効率的に広告を流すことが出来るのです。

しかしネットメディアと直接取り引きがないと情報にアクセスできません。
管理画面の権限やアカウント情報を持っていない広告主は、
基本的に代理店からのレポートを信じるしかないわけです。
そのため、情報を改竄使用すればいくらでも出来てしまうのです。
代理店が運用するシステムでは、本当にネット広告が運用されているのか検証するのが難しいと言えます。

 

人為的な不正・ミス以外にも課題があるネット広告

人為的なミスや不正以外に、「ボット問題」があります。
ボットは、インターネット上で自動的に情報を収集したり、指定のタスクを実行したりするアプリケーションソフトです。
ボットは「クローラー」とも呼ばれ、ウェブページ上の情報を集め、それを分類するためにも使用されます。
米国広告主協会の発表によると、ネット広告費の25%~50%がボットに費やされていると言われています。
Googleは広告の不正対策サービスを提供しているSpider.io社を買収するなど、
ボット対策の強化を行っています。

 

ネット広告に広がる不信感

このような流れから事業者やユーザーがネット広告に対して不信感を抱きつつあります。
ネット広告をブロックしたブラウザ「opera」が登場したのが好例です。

 

「opera」とは?

opera

http://www.opera.com/ja
ノルウェー生まれの高速ブラウザ。
最大の特徴はネット広告をブロックしている点にあります。
これにより読み込み時間が最大90%速くなると言います。
ネット広告への不信感やストレスを背景に、着実にシェアを伸ばしています。

 

これからの時代はますますネット上の広告が排除されていくことが予想されます。

 

これからの時代はネット広告に頼らない「コンテンツマーケティング」が重要

ここまで見てきたように、ネット広告にはいくつかの課題があります。

 

●運用型広告ゆえ価格が変動しやすく、正確な予算が立てづらい
●第三者に運用を任せている状況では不正、人為的ミスのリスクがある
●ボットに広告費をかける可能性がある

 

ネット広告より自社の情報や有益な情報を発信していくコンテンツマーケティングが重要になってきます。
コンテンツを自分自身で発信する分にはコストがかからず、予算を立てやすいと言えます。
またGoogleの基本方針と一致しているため、長期的な視野でSEO対策が出来ます。

 

ネット広告に限界を感じている方は一度導入を検討されてみてはいかがでしょうか?