Perplexityがエージェント検索ブラウザ「comet」を発表、検索体験はどうなるのか
Perplexity(パープレキシティ)は2025年2月25日の午前1:53(日本時間)エージェント検索ブラウザ「comet」を発表しウェイトリスト登録が開始されました。
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Cometは、Perplexityチームが開発した エージェント検索 向けの新しいブラウザです。現在、ベータユーザー向けに毎週順次アクセスを開放しています。
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エージェント検索とは
エージェント検索とは、従来の検索エンジンと異なり、AIエージェントがユーザーの意図を解析し複数の情報源からリアルタイムで検索や分析を同時に行い、要約した答えをユーザーに提供する検索方法です。
要するに代わりに色々検索してもらって答えだけもらうという感じです。
こちらがエージェント検索とGoogleの比較です。
項目 | エージェント検索 | 従来の検索エンジン(Google) |
検索方法 | AIエージェントがユーザーの意図を解析し、複数の情報源を横断的に検索 | 検索キーワードの意図汲み取り関連性の強いページをリストアップ |
情報の処理 | AIがリアルタイムで情報を要約・整理し、最適な回答を提示 | ユーザーが自分でページを選択し、開いて情報を探す必要がある |
インターフェース | チャット型や対話型で、自然なやりとりが可能 | リスト形式で検索結果が表示され、AIOverviewなどのAIが生成した回答の表示も導入され始めている |
検索結果の精度 | ユーザーの過去の検索履歴や文脈を考慮し、より精度の高い答えを提供 | EEAT(専門性・権威性・信頼性)やYMYL(人生や健康に影響を与える情報)などを代表する複雑なアルゴリズムによって信頼性の高い情報を検索結果に表示する |
応用範囲 | 文章の要約、比較分析、データ抽出、タスク実行など多機能 | 地図や動画、画像、ショッピングなど多様な検索が可能 |
リアルタイム対応 | 最新の情報を即座に反映し、迅速なアップデートが可能 | QDF(Query Deserves Freshness)により、時事性の高いニュースやトレンドは鮮度の高い情報が上位表示されやすい |
カスタマイズ性 | ユーザーの検索傾向を学習し、個別最適化が可能 | ユーザーの位置情報や検索履歴などを用いて個別最適化するキーワードもある |
表示速度 | AIエージェントが情報を処理・要約するため、表示に時間がかかる | 即時表示 |
解決速度 | 回答までAIエージェントが導いたうえで表示するため解決速度が安定する | 自分で情報を精査して回答を導く必要があるため、検索する人間の能力に依存し、解決速度は個人差がある |
従来の検索(Google)は情報の表示速度が速く、長年のアルゴリズム進化により信頼性の高い情報を提供できるものの、情報の獲得に個人差があります。
一方、エージェント検索は、AIが情報を整理・要約してくれるため、検索リテラシーが低いユーザーでも的確な答えにたどり着きやすいのが特徴です。ただし、現時点では処理に時間がかかる傾向があり、即時性が求められるシーンでは従来の検索のほうが優れている場合もあるでしょう。
大まかに言えば目的が明確なキーワードはGoogleの方が早く、比較や分析をしたい場合はエージェント検索の方が向いています。
そして、目的に到達するための適切なキーワードがわからない場合もエージェント検索の方が良いでしょう。
例
「Galaxy s25ultra iphone16promax 比較」
ここまで明確ならGoogleで検索した方が情報に到達する速度自体は早いです。
また、別のモデルの比較をしている記事などに誤って誘導される可能性は極めて低いです。
実際のGoogle検索結果
「GalaxyとiPhoneの最新機種を比較して。発売中のスペック高いモデルで」
この程度の理解度であればエージェント検索を活用したほうが早く回答を得られるでしょう。
ただし、上記の指示でPerplexityのエージェント検索を利用しても、発売していないモデルと比較するなど、情報の正確性にはまだまだ課題があります。
Perplexityの結果 正
Perplexityの結果 誤
※実際には発売されていないApple iPhone 15 Ultraと比較している。
より正確な情報を得たい場合は、最も時間はかかるものの、信頼性が高い情報を得やすい「ディープリサーチ」を活用する のも良いでしょう。
Gensparkのディープリサーチ結果
cometの性能は
Perplexityの「comet」は現在、一切の機能が公開されておらず、どのような体験が得られるか未知数の段階ですが、アラビンド・スリニバス(PerplexityCEO)はXにてこの様に述べています。
GitHub Copilot が、AI に煩わされることなく必要なときにだけ助けてくれる、真に支援的なコーディング エクスペリエンスであったのと同じように、私たちは Comet を同じように役立つものにしたいと考えています。インターネットを再び偉大なものにしましょう!
Just like how GitHub Copilot was a truly assistive coding experience without AI bothering you but just helping you when you needed, we aspire to make Comet helpful in the same way! Make Internet Great Again! https://t.co/5wbbtgNGSW
— Aravind Srinivas (@AravSrinivas) February 24, 2025
「AI に煩わされることなく必要なときにだけ助けてくれる」
これは重要なヒントになるのではないでしょうか。
エージェント検索しかできないブラウザであれば非常に不便でしょう。
逆に、通常のブラウジングから必要な時即座にエージェント検索に以降することができるのであれば期待が高まりますね。
文末の「Make Internet Great Again!」はアメリカ大統領ドナルド・トランプが繰り返し唱えている「Make America Great Again」になぞらえた発言で、インターネットの復権にエージェント検索や専用ブラウザであるcometが重要な役割を担う、その価値をもたらす自負がある事が伺えます。
「comet」はまだ詳細な機能が発表されていないものの、CEOの発言やPerplexityのこれまでの技術開発を考慮すると、以下のような特長を持つ可能性があるのではないでしょうか。
ブラウザとしての特性を利用した機能の予測
エージェント検索ブラウザとしての優位性は果たして何になるのでしょうか。
従来通りのエージェント検索ができるだけということであれば各AIのサイトにログインして利用すれば良いだけです。
ブラウザとしての特性と、エージェント検索の利便性を組み合わせたとき、期待したい機能はこのようなものがあります。
これらはあくまでもPerplexityの発表には全く含まれない個人的な予測や希望なのでご注意ください。
実際にはcookie規制などの制約により実現が困難な技術も含まれます。
ブラウジングとエージェント検索を連続的に利用
閲覧しているページの情報をもとに、更に深堀りしたエージェント検索を即座に実行できるとしたら、便利だと思いませんか?
あくまでもブラウザということであれば、今まで通り最初はGoogleで検索したいユーザーも多いと思います。
問題は欲している情報が必ずしも最初にクリックしたサイトには載っていない事が多い、それがこのような流れで解決するのであれば価値があると思います。
従来の検索エンジンであればより欲している情報が表示されるであろうキーワードを考えたうえで再検索し、載っているであろうサイトを選択し、記事の中から情報を探すというプロセスを繰り返し踏む必要があります。
それが記事内のテキスト選択、右クリック(スマホであればタップから長押し)、深堀りの方向性を入力、エージェント検索という流れができるのであれば、私はChromeやBraveからcometに乗り換えるかもしれません。
エージェント検索した際の引用元が別タブで展開
エージェント検索を活用する際、より詳細を確認するために引用元(ソース)のサイトを閲覧する場合があると思います。
現状のPerplexityでもクリックすれば閲覧できますが、目的別に画面内に引用元(ソース)のサイトが展開してグループ化され、簡単な操作でタブやウィンドウで一括展開するような挙動が体験できれば、今までにない情報収集方法が体験できるブラウザとなると思います。
サジェストやLSIキーワードの進化系
Googleも検索窓の候補キーワードである「サジェスト」や、検索結果下に表示されている「LSIキーワード(他の人はこちらも検索)」によって、連続的な情報提供の利便性を高めてきました。
対話型のエージェント検索により、よりユーザーが求めている情報の傾向が分析しやすくなるとすれば、前述の深堀りそのものを自分の発想ではなく、comet側から提案されるようになるかもしれません。
サイトを閲覧していたら、よりユーザーの求める情報が存在する他のサイトを閲覧するように誘導される時代が来るかもしれませんね。
より高度なレコメンドによる広告
ユーザーの興味関心をより具体的にcometが収集できることが予測されます。
これはつまり、最適なサービスや商品を提案する仕組みを構築することが容易であることを意味しており、それらを広告として売り出せば今まででは考えられないようなCVR(成約率)を実現する可能性を秘めています。
エージェント検索が発展することで、広告のパーソナライズもこれまで以上に高度化する可能性がある一方、過度なパーソナライズが進む事によるプライバシーの懸念も同時に生じるため、cometがどのようなデータ管理の方針を採るかが重要なポイントになるでしょう。
Google Chromeの司法問題について
2024年11月20日米司法省はGoogleに対し、同社の提供する世界シェアNO1であるWEBブラウザ「Chrome」事業の売却を求めています。
裁判所に提出された是正案には「今後10年間検索履歴や広告データなどを他社に無償で提供すること」も含まれており、Googleは政府の過剰な介入であるとコメントしています。
利便性が究極的に高まることで検索やブラウザのゲームチェンジが起こるのであれば、「comet」の性能次第ではPerplexityが覇権を握る可能性もあります。
その先にはGoogleの様にパワーバランスの適正化を狙った政府介入も考えられます。
現段階でここまで予測する必要はないと思いますが、アラビンド・スリニバス(PerplexityCEO)の「Great Again」がドナルド・トランプに対する擦り寄りであるとしたら、面白いですね。
競合の追随と将来性
OpenAI社は同社のエージェント検索機能である「deep research」をChatGPT Pro(月額約3.5万円)ユーザー向けにリリースし、2025年2月25日にはChatGPT Plus(月額約3,500円)ユーザーでも月10回の利用が可能となりました。
そしてGensparkは、AIリサーチの新アプローチ「Deep Research V2」を同日2025年2月25日にリリース。
目まぐるしく進化するAIリサーチ界隈ですが、ブラウザそのものにアプローチをかけている今回のPerplexityの動きを受けて、OpenAIとGensparkの今後の動向にも注目したいところです。
また、既にブラウザ世界シェアNo.1のChromeを保持しているGoogleが、今後どのようにGeminiと統合するのか。
2025年は検索のあり方そのものが変わる重要な年となるでしょう。
Google、Perplexity、OpenAI、Gensparkなど、各社が繰り広げる「検索×AI」の競争が、ユーザー体験をどのように変革していくのか注目したいですね。
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