【コラム】 踏み外すと怖いオンラインストアの集客対策!
集客対策は運営しているオンラインストアの取り扱い商品や、目指しているゴールによって取るべきスタンスが違ってきます。
当たり前ですが、実はそこを踏み外してしまうとオンラインストアの運営そのものが失敗に終わってしまうこともあります。
特にオリジナル商品やサービスの場合は、本来マッチしてない集客対策をとってしまった為に、失敗してしまうケースも多々あります。
集客対策や広告などは、自社の商品の特性を考慮に入れた上で、商品にマッチするもの・自社の予算の身の丈にあったものを選定する事が重要です。
そこで今回はオンラインストアの集客対策を3つの類型に分けて
それぞれどのような集客対策が最適かを改めて考えていきたいと思います。
●WEB集客で最もありがちな失敗パターン
まず最初にオンラインストアで集客をしていこうとした際に、最も陥りがちな失敗パターンと思考回路を見ていきましょう。
最もよくあるのは、オンラインストアの開店ツールを使って、自分でテンプレートなどに商品をあてはめて、オンラインストアを開店したものの、アクセスが無いケースです。
開店すれば少しは売れると思っていたのに、全く反応が無いという話をよく聞きます。
「とにかく広告を打てば売れるのではないか」と考え、サイトの中身を整える前に、適当な広告やSEO対策に多額のコストをかけてしまうという事です。
ブラックハットSEO業者や広告代理店などは心の隙を巧みに突いてくる
開店した後、少し様子をみてみようと見守っているうちに「そもそもネットって売れないのではないか」という思考に陥り、悩んでいる時期に、
広告・SEO業者などから「もっとアクセスを集めれば売れますよ」などと言われ、
●●キーワード上位表示対策で数十万〜百数十万といったものを契約をしてしまいます。
アクセス=売り上げではない
このような、表面上の集客対策だけ行って、自社商品の特性などを考慮せずに、業者任せのSEO対策や広告を打っただけでは、
広告費を回収できるほど売れることはまずありません。
広告業者やSEO業者は「この商品をどう売っていくか」ではなく、あくまでも「ここに表示すればアクセスが上がります」という論理だからです。
アクセスがどれだけ集まっても、売上げにつながらないと意味がありません。
特にSEO業者の場合は上位表示・アクセスすら保証がないことがほとんどです。
その手の話で、お金をドブに捨てた人がどれだけいるかわかりません。
そのような状態にならない為にも、オンラインストアの集客対策のなかで、どういった対策が自分に合っているのかをしっかりと見極める眼を持ちたいところです。
3つの類型から選択する自社に最適なオンライン集客対策とは
大前提として、自社のオンラインストアがどのような業態なのか、それに合わせてどのような戦略が必要なのかを考える事が重要です。
そこで、オンラインストアでの業態と集客対策を大まかに3つの類型にまとめ、それぞれを考えていきたいと思います。
■オンラインストア集客の3つの類型
・広告費投入型
・価格競争型
・ブランディング型
1、広告費投入型
一般的には大手企業が行っているケースが多いですが、一言で言うと「広告費合戦で一番になる」ということです。
検索結果におけるリスティング広告や、 楽天内の広告に代表されるように、費用をかけたところほど目立つという構造になります。
そのため、中途半端に費用をかけてもほとんど意味が無い場合が多く、一番目立つ位置に表示してはじめて大量のアクセスと売上げを立てることができます。
しかし、この手法は広告予算が潤沢にある大手が圧倒的に有利なので、小規模事業者にはおすすめ出来ません。
オンラインショップを始めたばかりの方の中には、個人事業主の方でも、果敢に広告費合戦に挑戦して事業資金をあっという間に使い尽くしてしまうというケースもあります。
特にリスティング広告の場合はこの罠に陥りがちです。
リスティングはクリック課金がオークション制で、自分で入札価格の設定ができる反面、安価な広告費設定ではなかなか反響が取りにくいです。
徐々にマヒして広告費設定をつり上げていき、気がついたら大手と同じ土俵で広告費合戦を繰り広げていたということはよくあります。
自社の商品やサービスが、広告費投下型のマーケティングで費用対効果が見込めるかどうか、以下のチェックポイントを参考にしてください。
●「リスティングなどのキーワード広告」で売れる商品なのか。
現代人は広告アレルギーになっている側面があります、365日あらゆる広告に触れているなかで、広告そのものが興味を惹き付けにくくなっています。
広告をかけて売れやすい商品は一般的に「量産品の特価セール」や「緊急性のある商品(水漏れグッズなど)」や
ブランディングが必要のない商材などが、費用対効果を取りやすいと考えられます。
●広告費を投下して、しっかりと費用対効果取っていく為の、サイトの中身が整備されているか。
どれだけアクセスを集めても、それは自社のサイトを見てもらうための宣伝です。
肝心の自社サイトで商品の魅力を伝えて行く事が出来ていなければ、広告費の垂れ流し状態になりかねません。
その為にしっかりと商品の魅力付けから購入に誘導できるようなLPの作成などを、広告をかける前に制作する事が重要です。
その際も自社の商品の特性を他社と差別化を図り、選ばれる要素をしっかり打ち出していく必要があります。
WEB集客の場合はサイト制作費よりも、広告費の方が費用が何倍もかかってしまうというケースがあります。
WEB広告の場合、広告をクリックした先の自社サイトの善し悪しで費用対効果に雲泥の差が出て参ります。
●商品単価に対しての、広告費相場が適切なレベルの商材か。
リスティング広告の場合、単価が1万円の商品を1つ売る為に、結果的に1万円以上の広告費がかかってしまったという事が
よくあります。
例えば「イラストハンコ」というキーワードでリスティング広告を打とうとすると、現在1クリックあたり102円かかります。
※平成27年10月19日現在 Googleアドワーズ推奨入札単価
WEBからのコンバージョン率が平均1%あるかないかと言われているなかで、1クリックあたりの広告費×100=1商品購入という
図式が一般的です。
イラストハンコの場合は1個の商品が売れるまでに10,200円の広告費が必要という計算になります。
リスティング広告は、このように広告の入札単価に対してコンバージョン率をかけて算出して、費用対効果がとれそうなキーワードを選定し、
効果のないキーワードをけずっていく事で、はじめて費用対効果を出せる可能性が出てきます。
広告費の相場がそもそも高い業種では費用対効果を出す事がさらに難しくなります。
2、 価格競争型
これは説明するまでも無く「ネット上でどこよりも安い価格設定をする」という事です。これは薄利多売のモデルではありますが
ポイントは大量のニーズがある 量産品で競合で同じ商品を扱っているオンラインストアが多数あるような商品でないと成り立たないという点です。同じ商品を売っているオンラインストアが、 たくさんあるのであれば最も安いところで買いたいと思うのが当たり前の消費者心理です。そのような商品は広告等を打たずとも、価格ドットコムなどの最安値 検索サイトやアマゾンなどに商品掲載して、一番安くするか
もしくは配送などの付随サービスで差別化を図れば売れます。
しかし、この点もポイントを見誤ったオンラインストアをよく見かけます。
もっとも典型的な例はハンドメイド商品やオリジナル商品です。
オリジナル商品の場合は他にはない、唯一の物なので、価格競争に巻き込まれないという点がメリットであるにもかかわらず、安くしないと売れないのではないかと、過剰に格安で販売してしまうのです。
オリジナル商品には相場がないので、自分で価格設定をする事になりますが、過小評価してしまいがちです。
薄利多売が通用するのは、仕入れて売るという「横流しビジネス」だけであり、商品を自分で制作しなければならないようなハンドメイド商品で過剰に価格を下げるのは自分の首をしめるような行為です。
◆ブランディング型
これはオリジナル商品や、コンセプトを持ったセレクトショップを他社と差別化した「ブランディングを確立してファンをつけていく」やり方です。
オリジナル商品やハンドメイド商品、独自サービスやオンライン上での実店舗集客でも、個性で勝負するやり方です。
ブランディングサイトを制作して、そこにファンを増やす仕組みを作っていくという事になります。
WEB上で、量産品を扱うのか、オリジナル商品を扱うのかで販売戦略は根本的に違ってきます。
一般的にオリジナル商品は、大手には無い独自のサービス、温かさを持つお店を求めて来る方がターゲットになります。
しかし、文章でそのような温かみや、個性、魅力を使える事は簡単な事ではありません。
イメージを含めてしっかり訴求していく事が大事になります。
例えば、生産農家がWEB上で生産者の顔写真などを載せる事で購入率が上がるという事も、様々なところで実証されています。
また、現在ホームページやオンラインストアで最もよくある、テンプレートで作られたサイトではどれも似たような構成・デザインになってしまうため、
他と差別化を図ってオリジナリティを出すのは至難の技です。
まずはしっかりと自社の魅力をWEB上で表現するようなブランディングサイトを制作する。
その際にどのような切り口で自社商品やサービスをアピールするか等をしっかり考えて、オリジナルデザインでしっかりと訴求していく事で、
自社製品の魅力を存分に伝えていかなければなりません。
対面ではないオンライン販売でも、サイト内でかわりに接客するような観点がポイントとなります。
オリジナル商品を扱う事業者の中でも、特に広告費用に限りがある中小企業や個人事業主ではこのようなやり方が最も合理的です。
さらに集客。アクセスアップに関しても、コストをかけずに行っていくといった方法もあります。
急速に注目されつつあるコンテンツマーケティング
現在はCMSやソーシャルメディアを活用して情報を発信していく、コンテンツでファンをつけていくというコンテンツマーケティングが急速な勢いで伸びてきております。
SEO対策に関しても、CMSを使って地道にコンテンツ発信をしていく事でコストをかけずに行っていく事が可能です。
これはインターネットの特性を考えてみれば、非常に明快で、ユーザーの求める情報・コンテンツを提供していく事で、自然とアクセスがあつまりファンがついてくるという単純な原理です。
オリジナル商品の場合は、まず「どのような商品なのか」「どういう人が作っているのか」など、単純に価格やスペック以外のところで選んでもらえる付加価値をつけていく事が重要になります。
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