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メルカリshopsとは?出店方法からBASE・ STORESとの違いまで徹底解説!

メルカリは新しいサービスとしてECショップをメルカリ内で展開できる「メルカリShops」を発表・サービスを開始しました。

しかし、メルカリShopsと聞いてもイマイチピンと来ない方も多いのではないでしょうか?

「メルカリと何が違うの?」
「ECサイトとして使えるの?」

といった疑問をもたれる方もいるでしょう。

そこで、本記事では、以下の項目について解説。

  • メルカリShopsの概要や出店・審査方法
  • メルカリとメルカリShopsの違い
  • 他のECサイトとの違い

メルカリShopsを検討するユーザーの不安を解消していきます。
出店を考えている方は参考にしてみてください。

メルカリShopsとは

メルカリShopsは2021年7月28日にスタートしたフリマアプリであるメルカリのECショップサービスです。

メルカリと同様にスマホ1つで出店から販売までできるため、手軽に商品を販売したい方や直接販売を行いたい方に向いているサービスだといえるでしょう。

ここでは、メルカリShopsの特徴について詳しくみていきます。

2021年9月リリース

メルカリShopsは、2021年8月までをプレオープン期間とし、2021年9月から本格始動。

「かんたんで、売れる」をコンセプトにしたプラットフォームで、日本の小規模事業者のEC化を促進していく狙いがあります。

ECサイト市場は年々拡大を続け、2019年の段階では、日本だけでもBtoCは19兆、BtoBは352兆ほどの市場規模がある反面、現在でも多くの中小・零細企業がEC化できておらず、ネットショップをまともに運営できているのは、ごく一部の企業のみといわれています。

そこで、メルカリではネットショプを手軽に運用できるように、メルカリユーザーを対象に、メリカリShopsをリリースしたという背景があるようです。

個人ではなく小規模事業者が対象

メルカリShopsは、小規模事業者を対象としたサービスです。

すでに触れたように中小・零細企業はこれまでインターネットを活用しようとしても難しい状況が続いていました。

実際、ECサイト市場の売上は伸びているのに、小規模事業者まで行き渡らないといったケースが散見されています。人手が足りないからこそ、ECサイトを構築しても運営を行うノウハウが蓄積できず、結果として売れないといった悪循環になることも少なくありません。

しかし、メルカリShopsでは、メルカリのユーザー数や集客力を活用できるため、自社でサイト構築から運用を行うよりも集客コストと手間を省くことが可能です。

スマホが必要

メルカリShopsは利用する場合、スマートフォンの利用が必須となります。

在庫管理や商品が登録などの操作もスマホのみで対応しているため、PCでは利用ません。PCでの利用を前提としている方は注意してください。

スマホから利用する手順を把握しておきましょう。

  1. メルカリに登録しておく
  2. メルカリで氏名及び生年月日を登録する(場合によっては本人確認書類提出)
  3. メルカリShopsの利用を申請する

新規会員登録時には、氏名と生年月日をメルカリで登録する必要があります。
※仮に間違っていた場合には本人確認書類を提出する必要があるので、正しい情報を入力してください。

出金や振込を行う際にも登録名と振込口座名が一致しない場合、処理ができない点にも注意が必要です。

また、メルカリでは複数アカウントの所有を規約で禁止しており、メルカリShopsも同様で、アカウントを新しく作った場合は以下の禁止行為の区分に該当します。

  • 複数アカウントの所有
  • なりすまし
  • 他人のアカウント利用
  • アカウント譲渡、売買
  • 事務局が不適切としたもの

禁止項目は、詐欺やマネーロンダリング防止を行う目的として定められています。正しく理解して、「意図ぜず禁止行為に抵触してしまい出店できなくなってしまう」ような事態を避けてください。※メルカリに限らず、この手の媒体は意図せず禁止行為を行ってしまったことにより強制退店になるケースも珍しくありません。

メルカリShopsの出店・審査方法

出店申請そのものは、難しい手順ではありません。

アプリ版のメルカリからショップ開設を選択し、以下のような項目を埋めるだけです。

  • 商品のジャンル
  • 他ネットショップでの販売額
  • 事業形態

※紐づけたいメルカリの招待コードか必要となる点に注意しましょう。
※開設だけならPCからでも応募は可能です。

このような手順でショップ開設が簡単にできます。出店するだけならコストが発生しない点も魅力の1つだといえます。

そして、以下のような順番で出店手続きを行います。

  1. ショップ情報と運営者情報の入力を行う(運営者情報は開示される)
  2. 例文が入っているショップ詳細情報を書き換える
  3. 振込先口座の入力

審査に関しては通過基準は決まっていないものの、審査に通らない理由は書類の不備や販売を行いたい商品の許認可を取れていない点などが挙げられます。

個人・個人事業主・法人で審査に必要な書類が異なる

個人に必要な書類は許認可証のみです。必要な情報の代表的なものは以下になります。個人に関しては、開業届は不要となっています。

  1. 本人確認情報(氏名、住所、メールアドレスなど)
  2. 運営者情報(代表者氏名、住所)
  3. 振込口座情報(金融機関コード、口座番号など)

個人事業主に必要な書類は、許認可証・本人確認書類です。必要な情報は個人と大きく変わりません。本人確認書類は、免許証や保険証は問題ありませんが、パスポートはできない点に注意が必要です。
※ちなみに、個人・個人事業主両方に言えますが、20歳以下の方は利用できません。

法人に必要な書類も、許認可証のみです。しかし、事業者情報として、登記簿に記載された内容を入力する必要があるため、場合によっては登記簿を取得しなければなりません。

事業者情報は法人番号や設立年月日、資本金などの詳細な情報が必要な点を把握しておきましょう。

許認可が必要な商品は以下になります。

代表的なものを紹介していますが、以下の商品以外でもメルカリshopsで許認可が必要となるものもあるため、よく確認してください。

  • 自家製のお菓子(加工食品)
  • 生鮮食品全て(販売実績も必要であるため、個人では不可能)
  • 中古品(古物商)
  • 化粧品(化粧品製造販売業許可・化粧品製造業許可)
  • 医薬部外品(医薬部外品製造販売業許可・医薬部外品製造業許可)
    ※全て自家製、自社商品の取り扱いを想定

出品が禁止となっている商品として、酒類や医薬品、金券などが該当するため、事前に確認しておくことで審査落ちを防ぎましょう。

出店が断られる理由

メルカリShopsは、開業届を出していない個人も出店可能なことから審査の基準はさほど厳しくないでしょう。

しかし、既にどういったものが審査を通らないのかといった基準がある程度明確化されています。例えば、以下のような項目です。

  • 許認可証が有効かどうか
  • 申込情報と内容が一致しているか
  • 本人確認書類が鮮明かどうか
  • 振込先情報が一致しているか
  • 禁止された惣菜を販売しようとしていないか

とくに申し込み内容と書類の内容が一致していない場合に、出店が断られる可能性が高いといえるでしょう。

メルカリとメルカリShopsとの違い

メルカリからShop化をすることで大きな差別化が図られました。
ここからは、メルカリとメルカリShopsの違いについてみていきましょう。

例えば、メルカリShopsは、ショップタグでのみ表示される点や匿名配送がない点などの違いがあります。

値下げ交渉がない

販売者にとってネックとなりえる値下げ交渉がありません。そのため、対応する時間的コストや手間が発生しない点はメリットといえます。

また、取り扱う商品の値段は出品者が自由に決めることが可能で、他の大手ECサイトと同様の使い方ができます。

アカウントの切り替えがある

メルカリShopsのアカウントを開設した場合でも、個人アカウントとの切り替えが可能です。そのため、商品の購買を行う場合は個人、店舗のアカウントでは商品の販売を行うなどの使い分けができます。

ちなみに、個人では匿名配送なども選択可能であるものの、メルカリshopsでは不可能である点には注意してください。

クーポン配布などの販促活動ができる

メルカリShopsでは、個人アカウントではできなかったクーポン配布などの販促活動が可能に。

ショップ独自の販促活動として、割引キャンペーンの実施やメッセージを送付できる点などマーケティング施策による集客もできるようになりました。

メルカリShopsのメリットとは

メルカリShopsに出店するとどのようなことができるのでしょうか。値下げ交渉がない点や在庫の管理がしやすい点など、機能面でも様々なメリットが挙げられます。ここからは、メルカリShopsのメリットについてみていきましょう。

簡潔なWebページを持てる

メルカリShopsに登録することで第一印象から大きな変化があります。ECサイトを活用できていない小規模事業者であっても気軽にWebページを作成することができるため、より集客や商品の魅力を伝えることが可能になります。

1900万人のユーザーにアピールできる

メルカリShopsに登録した場合、ネットショップとしてメルカリのユーザーにアピールすることが可能に。メルカリは国内のあらゆるフリマアプリの中でも最もユーザー数が多く、今もなお新規の顧客を獲得し続けています。

ユーザー数が多いため当然ですが、ネットショップを開設することで事業者としての評価を高めつつ、新たな売り上げの確保が可能になるでしょう。

特に今まで販売経路が決まっていた生鮮食品の販売者なども新たな販売経路の1つふやすことにつながります。

自分の決めた値段で販売できる

メルカリでは、販売者の意図しない値段で商品を販売してしまうケースも少なくありませんでした。

例えば、業者としてオリジナル製品を販売していても値下げ交渉などは手間になるだけでなく、販売者の利益も少なくなってしまいます。

しかし、メルカリShopsでは設定した値段以下で販売されることはありません。

自社商品の価値を担保しつつ、ユーザーに適切な値段で商品を行き渡らせることが可能です。

メルカリShopsのデメリットとは

メリットとは反対にできないことはどのようなことなのか。ここでは、メルカリShopsのデメリットについてみていきます。ECサイトと同様の扱いとなるため、メルカリとの違いに注意しましょう。

匿名不可

メルカリShopsで商品を販売した場合、匿名では配送できません。必ず氏名や住所が表示され、運営者情報もユーザーからの請求によって開示する必要があります。

確かにデメリットではありますが、口コミと合わせて小規模事業者として信頼性を高めることが可能です。

また、特定商取引法が適用される点も把握しておきましょう。

デザインのカスタマイズができない

メルカリShopsでは、ショップのデザインを変更することができません。そのため、他の業者と同様のデザインを使用することになります。しかし、文章による差別化が可能な点と今後改善していく可能性が高い点には期待可能です。

ちなみに、ページの追加はできないため、決められたテンプレートの中で何を伝えるのかは事前に決めておくことが大切です。

許認可が必要

メルカリでは気軽に中古品を売却できましたが、メルカリShopsでは中古品の販売には古物商許可証が必要です。他にも許認可が必要な商品が数多くあるため、出品の際にはよくチェックしなければなりません。

審査の段階でもチェックされるものの、チケットや医薬品など販売禁止商品は事前に把握しておきましょう。

メルカリShopsとBASE・STORESとの違い

メルカリShopsとすでにECサイトとしての地位を確立している代表的なECシステムとの違いを比較してみましょう。

費用

  手数料 初期費用
メルカリShops 10% 無料
BASE 6.6%(3.6%+3%)+40円 無料
STORES フリープラン:5%
スタンダード:3.6%、2,178円
無料

 

決済方法

メルカリShops

・メルカリポイント
・メルペイ残高利用
・クレジットカード(一括)
・チャージ
・メルペイスマート

BASE

・クレジットカード
・コンビニ
・銀行
・キャリア
・PayPal
・後払い

STORES

・クレジットカード
・翌月後払い
・コンビニ
・銀行
・PayPal
・AmazonPay(スタンダードプラン)
・キャリア
・楽天ペイ
・代引き(スタンダードプラン)

 

手数料のみを比較してみると、メルカリShopsは高額といえます。しかし、集客力の高さやユーザー数の多さとしては突出している点はメリットす。ちなみに、BASEとSTORESは集客などに関しても自分で行うしかありません。

ネットショップを初めて運用し、集客難易度は高いとしてもデザインなども含めて工夫したい場合はBASE・STORES、デザインはこだわらずに集客力を信頼したいならメルカリShopsといえるでしょう。

決済方法に関してはそれぞれのサービスで、大きく異なります。

例えば、クレジットカード決済は全てのサービスで行えるものの、メルペイ残高はメルカリShops、楽天ペイとAmazonPay、代引きはSTORESでしか行えません。

それぞれが展開・提携しているサービスによって、ポイントなどの使い勝手が異なるケースもあるため、自社の運営方針に合わせた決済方法を使用できるサービスを選定する意識が大切です。

まとめ

メルカリShopsは2021年7月にプレオープンしました。多くのメルカリユーザーに対して、独自性の高い商品をアピールすることで小規模事業者は新しい販路の1つとすることもできるでしょう。

集客に関してもメルカリに任せることができるなどのメリットを享受できるものの、匿名配送ができない点や好きなデザインの変更ができない点などのデメリットもある点に注意してください。また、審査が必要であることからだれでも利用できるとは限りません。

しかし、EC市場が拡大し続けていくなかで、メルカリがEC市場に参入したことから新規ユーザーの参入障壁は低くなりました。

メルカリShopsは、今後も多くのユーザーを抱えるECサイトの1つとして発展していく可能性を秘めたサービスだといえるでしょう。


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