ホームページリース商法の落とし穴!知らないと危険な実態とは?
ホームページリース商法って知ってますか!?
個人店がホームページを制作しようと思った時、ネックになるのが制作費用ですよね。何十万という金額を一括で支払うのは難しいという方も少なくないと思います。そこにつけ入るのがホームページリース商法の業者です。業者は「初期費用0円で毎月3万円のお支払でOKです」などと甘い言葉を投げかけて営業してきます。
初期費用の手頃さから飛びつきたくなる気持ちも分かりますが、はっきり言います、
初期費用0円は、結果最も高くつきます。
ホームページは本来リース契約できません。
法律的にもかなりグレーです。
しかし、業者は法律の網をかいくぐって販売するため、被害が後をたちません。
>>経済産業省・中小企業庁:ホームページのリース契約に関する注意喚起
なぜホームページのリース契約は危険なのか。
ホームページリース商法のからくりを解き明かします。
ホームページリース商法のトラブル例
まずは、最もよくあるトラブル例の典型的パターンを多少誇張しながら
僕が体を張って演じます。※フィクションです。
ある日、僕(相馬)のところに業者から提案がきたとします。
業者「HPを作って集客をしませんか?うちは初期費用がなんと0円です。
かかる費用は月に3万円だけで、運用のサポートまですべてやりますよ」
相馬「初期費用無料か、月に3万円だったらなんとかなりそうかな~」
業者「うちの良いところは、HPを作った後のサポートです。最低でも5年間はうちでしっかりサポートしますよ!」
相馬「5年間もサポートしてくれるのか、じゃあ月に3万円で5年間はいつでもやめられるんですか?」
業者「いえいえ、5年間はしっかりサポートしますので・・・」
相馬「5年契約ってことですか?ってことはトータルで180万!?」
業者「トータルですとそのぐらいの金額になります。しかし、うちは運用のサポートも行っておりますので、毎月御用聞きのお電話を差し上げます。
それに、弊社独自の管理ソフト(CD-ROM)も差し上げますので、更新も簡単です。がっちり5年間一緒にやりませんか?」
相馬「それじゃ、お願いしようかな」
契約して間もなく、信販会社から確認の電話がかかってきます。
信販会社「管理ソフト(CD-ROM)はもう届いてますでしょうか?」
相馬「はい、届きました」
信販会社「ありがとうございます、以上で5年間のリース手続きが完了になります!」
そして数ヶ月が経過・・・
出来上がってきたホームページはなんと・・
格安制作会社顔負けのテンプレートサイト!?
相馬「これなんですか!? こんなテンプレのHPだったら、自分でも作れる気がするんですけど・・・」
業者「管理ソフトでご自身で編集も行えますので、お気に召さないのであればご自身で修正してください」
相馬「ええ!? 5年間はサポートしてくれるって言ったじゃん!」
業者「サポートは『毎月1度お電話を差し上げる』という内容になりますので、作り直しのご要望は対象外になります。」
相馬「たしかに月1回電話するって言ってたけど、こんな事もやってくれないの!? だったら解約したいな」
業者「解約はできません、CD-ROMを納品させて頂いておりますので」
相馬「ああ、最初に送られてきたこのCD? これいったい何なの?」
業者「契約上はこのCD-ROMにリースを組んでいますので、CD-ROMが納品された時点で、5年間のリースは弊社ではなく、信販会社とお客様の間で成立しております。」
相馬「うわ・・・完全にやられた」
上記の会話はリース契約の一般的なトラブル例を会話形式でデフォルメしたものです。
リース商法の会社でも、ちゃんとクオリティーが高いサイトを作る会社はありますし、ちゃんと5年間サポートするいい会社もあります。
しかし、リース契約は《契約体系そのもの》が後々トラブルになる可能性を秘めているのです。
一つ一つ説明していきましょう。
ホームページリース商法のからくり
そもそもホームページは無形なのでリース契約できない
リースとはある企業から賃借する契約を意味します。車、コピー機、機械など有形物の賃借に使われるもので、ホームページのような無形物には適用されません。
そのため、ホームページリース商法の業者は管理ソフト(CD-ROM)や管理用タブレットといった形のあるものと抱き合わせで契約させようとします。法の網をかいくぐるための措置で、管理ソフト(CD-ROM)や管理用タブレットはホームページ制作・管理に全く必要がない場合がほとんどです。
しかし、法律上は管理ソフトがメインのリース契約であり、HP制作はおまけという扱いになります。
リース確定と同時に業者に5年分の費用が一括入金される
リース契約では業者が指定した信販会社と契約を交わします。総額180万円、5年払いでホームページ制作の契約をした場合、月3万円を信販会社に支払うことになります。
信販会社からの確認電話が入った瞬間にリース契約が成立するため、ホームページ制作業者には5年分の制作費用が一括で入金されます。
リースが確定してから制作開始するので、手抜きはあたりまえ!?
ホームページ制作はリース契約が確定してから開始されます。既に費用が回収できているため、業者としてはクオリティーを高める必要がないのかも知れません。上記の会話でも触れられていますが「CD-ROMが納品された時点でこっちのもん、その後どんだけクレームになっても知ったこっちゃない!」というスタンスの会社が多いのです。
そのため、テンプレレベルの手抜きサイトが納品されたり、サイトの更新を依頼すると居留守を使ったりするケースが目立ちます。
最初に営業に来た担当者が、なぜか転勤になる!というのもリース商法業者に多いパターンです。
サイトの所有権がない
5年の契約が終了すると、契約を更新するか更新しないかを選ぶことになります。あくまでリース契約ですので、更新しなければホームページは閉鎖されてしまいます。閉鎖されてしまえば5年間やってきたあらゆる集客対策や、更新の労力も水の泡になります。泣く泣く更新する人も多いと聞きます。
リース契約の場合、何回更新したとしても、ホームページの所有権はありません。永遠に自社の資産にならないため、運用のモチベーションも下がってしまいます。
そして最近増えているのが、ビジネスクレジット契約です。
これもリース商法とほぼかわりありません。
ビジネスクレジットの場合はサイトの所有権はオーナーに5年後譲渡されますので、再リースはありません。
しかし、再リースの代わりに、高額なサーバーなどの保守料がかかるという事です。
ホームページのリース契約が問題になっているので、最近は「うちはリースではありません、ビジネスクレジットです!」という会社が多くなってきていますが、結論ほぼ同じ商法だと思って間違いありません。
5年後、再リースしたら10年で360万円!
5年の契約期間が終了した後に、ホームページを残すためには再リースを組まなければなりません。
10年・15年持っていたら・・恐ろしい金額になりますね。
業者が倒産するリスク
契約期間が長期にわたるため、倒産のリスクは避けられません。倒産したらサポートを受けられないだけでなく、ホームページ自体が消失する可能性もあります。
まとめ
今回はホームページリース商法の実態を紹介しました。
ホームページリースのメリットとして月々の支払いが少ないことが挙げられますが、月額3万円でも10年後には360万円です。長い目でみればはるかに割高となります。
ホームページの制作を依頼する際に、契約上注意が必要なのは以下のポイントになります。
・所有権がどちらに帰属するのか。
・サーバー・ドメインに縛りがあるか(自分名義のサーバー上に構築できるか)
・支払い方法は、リースやビジネスクレジットではないか。
・制作着手金と納品時残金などの柔軟な支払い方法に対応してくれるか。
また、悪質なホームページ制作会社に引っ駆らないようにするためには、ホームページ制作の費用相場を正しく理解しておくことも重要です。
リース契約でサイト制作を検討している方がいらっしゃれば、ぜひ一度ご相談下さい。
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