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Webマーケティングとは?簡単にわかりやすく手法や事例を紹介

Webマーケティング

Webマーケティングとは

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Webマーケティングとは、Webサイトを利用したマーケティング手法のことです。インターネットが人々の生活に浸透し「娯楽」や「情報源」などとしての地位を固めた昨今、Webマーケティングの重要性は非常に高まっています。

しかし「Webマーケティング」をいう言葉を聞いて、その意味や具体的な施策を説明できる方は少ないでしょう。今回は、Webマーケティングの意味から目的別の手法、企業の成功事例までを簡単にわかりやすく紹介していきます。

目次

そもそもWebマーケティングってなに?

Webマーケティングとは、WebサイトやWebサービスを利用して行われる、インターネットを利用したマーケティング手法を指す言葉です。

マーケティングとは「サービスや製品、商品を売り込む活動、及び売れる仕組み作り」のことで、市場や顧客を分析して効率良く売ることを考えて実行されます。そこにWebを利用するのがWebマーケティングであり、簡単に言うと「Webを利用して商品を売り込む活動や、商品が売れる仕組みを作る」ということです

インターネットが生活に浸透した現代、世界中の企業が取り組んでいるマーケティングです。

Webマーケティングとデジタルマーケティングの違い

Webマーケティングと似た言葉に「デジタルマーケティング」があり、混同している人も多いのではないでしょうか。

デジタルマーケティングはデジタルを利用したマーケティングのことで、Webマーケティングもデジタルマーケティングに含まれています。

Webマーケティングは、Webサイトを軸にWebサイトへの流入を促す仕組みなどを考えるマーケティングです。一方、デジタルマーケティングはあらゆるデジタル技術を利用したマーケティングを指し、WebサイトだけでなくEメールやスマートフォンアプリ、IoTなども活用します。

Webマーケティングの特性

Webマーケティング

Webマーケティングをより深く理解するため、Webマーケティングの特徴を整理しましょう。Webマーケティングには以下の4つの特徴があります。

  1. ハイスピード
  2. パーソナライゼーション / セグメンテーション
  3. 効果測定性
  4. ローコスト

順番に解説していきます。

1.ハイスピード

Webマーケティングは従来のマス広告を利用するマーケティングに比べて、施策の決定から実行までにかかるスピードが圧倒的に短いと言う特性があります。

例えば、CMをTV放送すると決まればプランニングやキャスティング、演出、撮影、編集、さらにテレビ局との契約など多くの過程が必要であるため、放送するまでに時間がかかります。ところが、Webサイトであれば一瞬で文章や写真を掲載することができるのです。

2.パーソナライゼーション / セグメンテーション

Webマーケティングは、ユーザーの閲覧履歴やページ遷移から分析した属性(パーソナルデータ/ セグメント)に合わせた広告表示ができるという特徴があります。そのため、ターゲットを細かく指定し、属性ごとに内容やデザインを変えてのアプローチが可能です。

例えば、雑誌広告は「20代女性向けファッション雑誌の読者」という属性までしかセグメンテーションできません。一方Webサイトは「年齢、性別、興味、エリア」などをセグメンテーションし、一人ひとりを対象とした施策を打つことができるのです。

3.効果測定性

Webマーケティングの施策は数値での効果測定が可能であるというのも特徴です。Webサイトのアクセス数、広告の表示回数やクリック回数、Webサイト経由での売上高など、施策による効果を細かく測定して検証することができます。

4.ローコスト

Webマーケティングは小規模でローコストな施策・運用が可能です。予算のない企業でも取り組むことができます。費用対効果を意識しながら、スモールスタートを切りたい中小企業が取り入れやすいマーケティングのひとつでしょう。

Webマーケティングの歴史

インターネットの普及と共に発展してきたWebマーケティング。その始まりは、インターネットが普及し始めてすぐの普及し始めたばかりの1994年に誕生した「バナー広告」でした。

翌年1995年には検索エンジンが発明され、その3年後には先進的なロボット型検索エンジンのGoogleが誕生します。それに伴って、SEOやリスティング広告などの検索エンジンマーケティングが始まりました。

2003年にWordPressが登場し、この頃から誰でも簡単にサイトを作ったりブログを発信したりできるようになります。2007年には、Yahoo! JAPANが行動ターゲティングのネットワーク配信サービスを開始。顧客の行動をもとに興味関心を推測し、ターゲットを絞った広告を配信できるようになります。

2008年にはFacebookとTwitterが日本でサービスを開始。国内のSNSではmixiやGREEが主流でしたが、SNSマーケティングが誕生します。2015年以降は、コンテンツマーケティングやマーケティングオートメーションが流行し、2017年頃からはAI(人工知能)を搭載したWebマーケティングツールが誕生し始めています。

Webマーケティングは、テクノロジーの進化とユーザーの行動に合わせて誕生し、流行も変化し続けていることがわかります。時代にあったWebマーケティングを取り入れ続けていく必要があるでしょう。

目的別Webマーケティングの基本的手法

Webマーケティング

Webマーケティングは、通常のマーケティングと同様に売り上げを向上させることが最終目標です。そのためには、以下の4つの目的別施策を効果的に打つことが重要です。

  • 集客施策…Webサイトにユーザーを集めるための施策
  • 再訪問施策…リピーター獲得のための施策
  • 接客施策(回遊施策)…Webサイト上でユーザーにアクションを起こしてもらう、または滞在時間を伸ばすための施策
  • 効果測定…施策による効果を測定して把握する

ここからは、それぞれの基本的な手法を解説します。

集客施策

検索エンジンや広告からアクセスを増加させるための施策です。自社のサービスや商品を広く浸透させるために効果的です。集客施策として行われる基本的な手法をご紹介します。

集客施策① SEO

SEO(Search Engine Optimization)は、日本語では「検索エンジン最適化」と呼ばれる施策です。GoogleやYahoo!で検索した時にページを上位に表示されるよう、ページを最適化します。上位表示されれば、クリックされる確率は格段に上がります。

検索エンジンからの新規アクセスの増加が増えるとともに認知度も上がります。SEOには狙ったキーワードで上位表示させるノウハウが必要で、即効性は低いと言われていますが、長期的にユーザーの流入が増える費用対効果の高い施策です。

集客施策② リスティング広告

GoogleやYahoo!で検索した時、検索結果一覧の上部・下部に表示される広告を指します。

「検索連動型広告」とも呼ばれ、SEOと違って料金を支払えばすぐに上位に表示することができるため即効性が高い施策です。キーワード単位でオークションが行われ、掲載順位が決定します。

集客施策③ アフィリエイト広告

「成果報酬型広告」のことです。Webサイトやブログにリンクを掲載してもらい、成果条件が達成されると広告掲載側に手数料が支払われる仕組みになっています。

広告主側がムダな費用を払う必要がなく、またSEO対策などの集客施策を広告掲載側が行ってくれるため、人気の高い手法です。しかし、ブランドイメージを気にして避ける企業も多いです。

集客施策④ アドネットワーク広告

複数のWebサイトの広告枠を持つ「広告配信ネットワーク」を活用する広告手法です。Web上の様々なページにバナーやテキストの広告を出せるため、幅広いユーザーにリーチできます。

掲載先を細かく指定できないため無駄打ちの可能性があるというデメリットはあるものの、思わぬ顧客の獲得に繋がることもあります。

集客施策⑤ SNS広告

TwitterやFacebookなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に掲載する広告です。リスティング広告と同様に、料金を支払えばすぐに掲載できます。

SNSに登録されたユーザー情報やアクティビティによって分析される興味関心などをもとに、精度の高いターゲティングが可能であるのが特徴です。

集客施策⑥ ソーシャルメディア対策(SMM)

ソーシャルメディア対策、SMM(ソーシャルメディアマーケティング)などと呼ばれる手法です。

ソーシャルメディアの公式アカウントを作成して自社運用してユーザーにアピールし、Webサイトへの流入を促します。

再訪問施策

Webサイトに一度訪れた人に再度来てもらうための施策です。一度訪れたユーザーは、過去に製品に興味を持ってくれた、もしくは製品を理解してくれているため、購入行動を促しやすいと言えます。

また、関係性を築くことでリピーターやファンを獲得できます。再訪問施策として行われる基本的な手法をご紹介します。

再訪問施策① リターゲティング広告

Webサイトへの訪問履歴があるユーザーに表示する広告です。一度調べた商品の広告が表示されるようになった経験のある方も多いでしょう。それが「リターゲティング広告」です。

Webサイトにアクセスしたユーザーに「Cookie」という情報が付与され、広告主はそれを元に追跡し広告を表示することができます。

コスト効率が良い一方、同じユーザーを追いかけすぎると逆効果になることも。また、アクセス数の少ないサイトでは効果を発揮できないため、集客施策を同時に行う必要があるでしょう。

再訪問施策② メールマーケティング

メールを活用したマーケティングが「メールマーケティング」。知名度の高い「メルマガ」もメールマーケティングに含まれます。

一度Webサイトに訪れ登録をしたユーザーにメールを送り、コミュニケーションを図ります。この際、ユーザーの属性に合わせて内容を変えたり、見込みの高いユーザーのみにメールを送ったりと、効果的なメールの送り方が可能です。

見込み客に購買行動を促す仕掛けを発するだけでなく、好感を与えて自社や自社製品のファンになってもらうという使い方もできます。

接客施策(回遊施策)

Webサイト上でユーザーにアクションを起こしてもらうまたは滞在時間を伸ばすための施策を接客・回遊施策と言います。

せっかくWebサイトへ誘導しても、企業や製品、サービスに興味を持ってもらえないとユーザーは離れてしまいます。Webサイトをユーザーにとって心地よい環境に整え、興味関心を高め飽きさせないことで、CV(コンバージョン)獲得に繋がるのです。

接客施策(回遊施策)の基本的な手法を紹介します。

接客施策(回遊施策)① LPO(Landing Page Optimization:ランディングページ最適化)

検索結果やリスティング広告などからユーザーがWebサイトにアクセスした際に、最初に表示されるページをランディングページと言います。

ランディングページだけを閲覧してページを離脱してしまう(直帰)ユーザーは非常に多く、その割合は50%以上にのぼります。これはランディングページで得られる情報や印象のみで判断されてしまうということです。

そこで、ランディングページをユーザーのニーズに合うよう最適化し、途中離脱を防いでCVへ導くLPOを取り入れる企業が増加しています。

接客施策(回遊施策)② EFO(Entry Form Optimization:入力フォーム最適化)

サイトを訪れ申込みフォームまで到達したユーザーの約80%が、申込み完了前に離脱していると言われています。その主な理由が、入力フォームが長い・わかりづらい・リセットされてしまうなどといった、入力フォームの問題です。

最終段階での機会損失は非常に勿体無いと感じるはずです。入力フォーム最適化することで申込みを完了してもらうことを目指します。CVR(成果達成率)を少しでもあげるためにぜひ取り入れたい手法です。

接客施策(回遊施策)③ Web接客

Webサイトを訪れているユーザーに対して、実店舗での接客のようにWeb上で接客をする手法です。リアルタイムでチャットをしたり、ユーザーの行動に応じたポップアップを表示したりできる「Web接客ツール」を使用します。

まだ導入しているWebサイトは少ないですが、近年急速に注目が集まっています。ユーザー一人ひとりが抱える不安や疑問文を解消し、最適な情報を提供することができるため、直帰率/離脱率が高いWebサイトにおすすめの手法です。

効果測定

Webマーケティングの「効果測定性」を利用し、施策による効果を測定して把握することも重要です。

ただ効果のありそうな施策を打つだけでなく、より成果につながる施策へと改善していくことで売り上げ向上を目指せます。効果測定の基本的な手法を紹介します。

効果測定① アクセス解析

アクセス解析ツールを利用して、Webサイトへのアクセス状況を解析します。アクセス者の性別、年齢、興味関心、地域などの基本情報から、どの広告やコンテンツからサイトへアクセスしているか、どこで離脱しているかなどまでがわかります。

アクセス解析によってアクセス者の特性や行動を把握し、効果的な施策とそうでない施策を測定したりWebサイトの課題を見つけたりすることができます。アクセス解析ツールは多数存在していますが、「Google アナリティクス」がもっとも有名です。

効果測定②ヒートマップ

アクセス解析の一種で、Webサイトを訪問したユーザーの行動をサーモグラフィ状に表示してくれるツールです。

よく見られているページやクリック数の多い場所、離脱した場所などが色の濃淡で可視化されます。ユーザーの行動が直感的に分かるので、アクセス解析に慣れていない初心者でも改善のヒントを得やすいのが特徴です。

効果測定③ ユーザーテスト(ユーザビリティテスト)

第三者や一般のユーザーにWebサイトを操作してもらい、訪問中のユーザー心理とWebサイトの課題を発見するテストです。操作画面や操作する様子を録画したり、感想や行動の理由を口に出してもらったりします。ユーザーの視線を追える「アイトラッキング」などの装置を使うテストもあります。

Webサイトが使いやすいかどうか、選ばれるかどうかなど、開発者目線では気付きにくい部分を明らかにできます。

効果測定④ A/Bテスト

変更を加えたテストページを複数用意し、どのパターンがより高いCVRを得られるのかを統計学で検証するテストです。

変更によるリスクを回避しながら、より効果的なWebサイトへ効率良く変更していくことができます。

Webマーケティング施策の導入事例・成功事例

Webマーケティング施策の事例をいくつかご紹介します。

導入事例・成功事例① 無印良品の「ブランドコミュニケーション」

無印良品は、一方的な情報発信ではなく、対話によってユーザーと1対1の関係性を構築する「ブランドコミュニケーション」の理念を導入しました。

アプリやSNSでのコミュニケーションや自社メディアでのコラム配信で、「小さな共感」を生むことによってファンを獲得することに力を注いでいます。Instagramでの動画コンテンツは人気を呼び、日本の企業アカウントでは10位のフォロワー数を誇っています。

導入事例・成功事例② Dropboxの「憎めないリタゲメール」

アメリカのDropbox, Inc.が提供しているオンラインストレージサービスDropboxは、柔らかなカラーを使ったリターゲティングのメールを送りました。

しばらくアクセスがないユーザーに「Recently your Dropbox has been feeling kind of lonely:-((最近あなたのDropboxは寂しいです)」というユーモアのある憎めないメッセージで自社の存在を思い出してもらいます。Dropboxは、自社サイトでビジネス系のブログや記事コンテンツを配信している点でも注目されています。

導入事例・成功事例③ American Expressの「あえてPRしないコンテンツ」

アメリカのクレジットカード会社「American Express」は、WebサイトとSNSを活用したコンテンツ発信で見込み客を増やすことに成功しています。

コンテンツに自社製品のPRはあえて書かず、ターゲットである質の高いビジネスマン・ビジネスウーマンが本当に求めるビジネスの最先端の情報を純粋に発信。直接「売り」に結びつく効果を求めないことで、徐々にターゲット層の信頼を勝ち取りました。

まとめ

Webマーケティングについてご紹介しました。Webマーケティングには様々な手法があるため、効果測定と改善をしながらより効果的な方法を探し続ける必要があるでしょう。

また、テクノロジーの進化やユーザーの行動に合わせ、Webマーケティングの流行も変化し続けます。日々アンテナを張りながらマーケティングの勉強を進めていきましょう。