LPO(ランディングページ最適化 / Landing Page Optimization)とは?
LPO(ランディングページ最適化 / Landing Page Optimization)とは?
この記事を読むための時間:5分
ランディングページの離脱率は、70~90%にものぼると言われているのをご存知でしょうか?
LPO(ランディングページ最適化)とは、ランディングページを最適化しコンバージョン率をあげるマーケティング手法のこと。広告からランディングページに誘導できてもランディングページ自体が適切でないとコンバージョンに繋がりません。ランディングページは売上向上において重要なパーツなのです。
この記事では、LPO(ランディングページ最適化 / Landing Page Optimization)について紹介します。LPOでおさえたいポイントや成功事例も紹介するので、初心者の方もぜひ参考にしてくださいね。
目次
LP(ランディングページ)とは
ランディングページの「Landing」とは、日本語で「着陸」という意味の言葉です。
ランディングページには広義と狭義の意味があり、広義のランディングページはユーザーが最初にアクセスして表示されるページを指します。バナー広告や検索結果などのさまざまな流入経路が考えられ、Webサイトのあらゆるページがランディングページになりえます。
一方、狭義のランディングページは、インターネット広告などに結びつけて企業が公式サイトとは別に用意した1ページ完結型のサイトのことです。Webマーケティングの世界では、LPといえば基本的に狭義のものを指します。
今回は狭義の意味でのLPO(ランディングページ最適化)を紹介していきます。
LPOとEFOの違い
よくLPOとともに使われる言葉が「EFO」です。ローマ字3文字で紛らわしいので違いが理解できない方も多いのではないでしょうか?
EFOとは「Entry Form Optimization」の略で、日本語では「入力フォーム最適化」と訳されます。
申し込みフォームや問い合わせフォームなどに到達しても、コンバージョン達成前に離脱してしまうユーザーは少なくありません。その理由の多くが「入力項目の無駄が多い」「入力が面倒」などの入力フォームの問題です。そこで、入力フォームを最適化することで離脱を減らし、コンバージョン率をあげるEFOは、LPOと同じく売上向上に有用な手法です。
LPOはランディングページ、EFOは入力フォームの最適化を目指すという点で明確に違いがあります。
LPOとSEOの違い
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳します。オーガニックな検索結果で自社サイトが上位に表示されるための手法です。
検索エンジンの検索結果ページにおいて上位に表示されるページの方がクリック率が高くなるため、SEOによってアクセス数の上昇を目指せます。
LPOとSEOは全くの別物なのです。
LPO(ランディングページ最適化 / Landing Page Optimization)の歴史
LPOは1996年に誕生し、2000年前後には海外で多くのLPOベンダーが設立されました。2005年にはアイオイクスが日本国内初のLPOツール「スプリットランナー」がリリース。これを皮切りに、国内で多くのLPOツールが誕生します。
2006年にはGoogleがLPOツール「Website Optimizer」の提供をスタートさせ、世界的認知度が高まる一因となりました。同時にテクノロジーの発展によって効果測定が可能になったことで、ひとつの指数であるLPOも認知度を高めていったのです。
また、同じ頃から広告の費用が上昇し、企業はクリック率の上昇だけでなくコンバージョン率の上昇にも力を入れて費用対効果を高めようとし始めました。そうしてLPOに注目が集まり、現在も国内外で重要な手法として導入されています。
LPO(ランディングページ最適化)の手順
LPOはどのように進めていけば良いのかイメージできない方も多いのではないでしょうか?ここではLPOの基本的な手順をご紹介します。
【1】改善点を特定し、仮説を立てる
はじめに、アクセス解析ツールなどを使用してWebサイトの問題点を特定しましょう。コンバージョン率、PV数、直帰率、平均滞在時間などを元になぜユーザーがコンバージョンに至っていないのか仮説を立てます。
例えば、コンバージョン率が低いのであれば「情報不足」「わかりにくい」「デザインが魅力的でない」などの仮説が立てられるでしょう。さらに、向上したい指数を設定してどのように変更すれば達成できるか改善案を検討します。
【2】A/Bテスト・ユーザビリティーテストを実施
続いて、テストによる検証を行います。
【1】で特定した問題点を元に、その点を変更した改善案を数パターン用意して結果を比較するテストを「A/Bテスト」と言います。最も効果的な改善案を見極めるのに有効です。
一方「ユーザビリティーテスト」は、改善したページへユーザーに実際に操作してもらい、使用した感想や操作の様子を観察するものです。想定外のユーザーの行動や、客観的意見を把握するのに役立ちます。
【3】テスト結果を元に改善する
一定数ユーザーが流入したところでA/Bテストの効果測定をし、ユーザビリティーテストで判明した改善点も取り入れて改善したものを新たなランディングページとして運用します。
LPOで最も重要なのは「効果測定」です。改善後も効果測定は続き、さらに最適化するためにフローは【1】へ戻ります。
LPO(ランディングページ最適化)でおさえたいポイント
LPOを進める上でチェックしたいポイントは以下の4点です。
- ファーストビューを魅力的にする
- CTAを適切な場所に設置する
- ページの読み込み速度を上げる
- マルチデバイス対応にする
ファーストビューを魅力的にする
ランディングページにアクセスしたユーザーは、ファーストビューで求めている情報があるか判断してそのページを離れるか留まるか決めると言われています。
どれだけ魅力的で興味を引くファーストビューにできるかが、直帰率改善およびコンバージョン率をあげるポイントだと言えるでしょう。
また、クリックしたバナー広告と表示されたランディングページに大きなギャップがあると、期待した情報はないと思われて離脱されてしまいます。ユーザーの流入元となった広告との親和性も重要です。
CTAを適切な場所に設置する
CTAとは「Call To Action」の略で、日本語では「行動喚起」と訳されます。ユーザーに商品購入などの行動喚起をするバナーやボタン、またはその施策のことを指す言葉です。
「いますぐ資料請求する」「申し込みはこちら」などと書かれたボタンや、「クーポンはこちら」などのポップアップバナーなどがCTAに当てはまります。
CTAはWebページのヘッダー・フッター、サイドバー、コンテンツ(記事)の途中や直後などに設置されますが、サイトごとにユーザーがクリックしたいと思う場所に設置する必要があります。
ページの読み込み速度を上げる
ランディングページの読み込み速度もコンバージョン率に大きな影響を与えると言われています。クリックしてから表示されるまでの速度が長いと、その分ユーザーが離脱してしまう可能性が上がるのです。Webサイトにおいて、ユーザの約50%が2秒以内のページ表示を期待しており、3秒以上かかると40%のユーザが離脱するというデータもあります。
表示速度をチェック容量が大きい画像やその他ファイルを軽量化し、HTTPリクエストの回数を減らすなどの対策をしましょう。
マルチデバイス対応にする
スマートフォンやタブレットの普及に伴い、ランディングページもマルチデバイスに対応する必要性が高まっています。スマートフォンからアクセスしてPC用サイトだった場合、見にくさや操作のしにくさなどによってユーザーにストレスを与えてしまうため、離脱率が上昇するのです。
アクセス解析をしてスマートフォンのユーザーが多い場合や、スマートフォンユーザーのコンバージョン率をあげたい場合は速やかにスマホ対応形式に改善しましょう。
LPO(ランディングページ最適化)におすすめのツール3選
LPOツールは検証や効果測定、手順の繰り返しに有用です。ここでは、以下のLPOツールをご紹介します。
- DLPO / DLPO株式会社
- Gyro-n LPO(ジャイロン LPO) / 株式会社ユニヴァ・ジャイロン
- Optimizely(オプティマイズリー) / Optimizely
「DLPO」 / DLPO株式会社
ABテスト、多変量テスト、パーソナライズなどを用いてコンバージョン改善へ導くLPOツールです。2011~2014年でLPOツール売上4年連続1位と、国内で大きな実績があります。
公式サイト:https://dlpo.jp/product/
「Gyro-n LPO(ジャイロン LPO)」 / 株式会社ユニヴァ・ジャイロン
10年の実績を持つLPOツールです。訪問者の興味・関心・行動に合わせたコンテンツを自動で表示し、ユーザーの興味を高めコンバージョンしやすくなるランディングページへ導いてくれます。
公式サイト:https://www.gyro-n.com/lpo/
「Optimizely(オプティマイズリー)」 / Optimizely
導入社数9,000社の実績を持つ、世界No.1シェアを誇るA/Bテストツールです。デバイス、チャネル、テストの内容を選ばずあらゆるA/Bテストを実施できます。2012年アメリカ大統領選でオバマ陣営のWebサイトのABテストツールとしてOptimizelyが採用されたことでも有名です。
公式サイト:https://www.optimizely.com/
LPO(ランディングページ最適化)の成功事例を紹介
最後に、LPO(ランディングページ最適化)で成果を達成した成功事例を紹介します。
TSUTAYA – 960通りのテストを行い、CVRを約20%アップ
ツタヤでは、ランディングページのA/Bテストを行ったのち、新ランディングページをさらに5セクションに分けセクション毎に数通りのクリエイティブを作り、合計960通りのパターンをテストしました。最終的に完成した新LPは、CVRを約20%アップすることに成功しています。
出典:https://dlpo.jp/casestudy/tsutaya.php
神戸神奈川アイクリニック – ユーザビリティテストを元に改善しCVR76%アップ
神戸神奈川アイクリニックでは、既存ランディングページの課題を見つけるためにユーザビリティテストを実施しました。
そこで得た「施術の流れが分からない」という意見を元に、手術の流れをより分かりやすくより細かく説明したパターンを作成し、A/Bテストを実施し改善案に変更。その結果、CVR76%アップという大きな成果を実現しました。
出典:https://dlpo.jp/casestudy/kkec.php
まとめ
WebマーケティングやWeb制作に携わる人なら一度は耳にしたことがある、「LPO(ランディングページ最適化 / Landing Page Optimization)」について紹介しました。LPOで最も重要なのは「効果測定」です。常に最適なランディングページを目指して、テスト・改善を繰り返してコンバージョン率アップを目指しましょう!
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