カクテルパーティー効果とは?概要や活用方法をご紹介!
この記事を読むための時間:5分
カクテルパーティー効果というワードを知っていますか?
日本ではカクテルパーティーはあまりメジャーなものではありませんが、前菜などの軽食とカクテルを主にした立食形式のパーティーのことを指しています。
こういったカクテルパーティーには多くの人が集まるため騒がしいですが、その中でも自分に関連する話題は自然と耳に入るという現象がカクテルパーティー効果です。この効果はWEBサイトの運営やコピーライティングにも運用することができます。
この記事で詳しく説明していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
カクテルパーティー効果とは
音声による情報を、無意識に選択して聞き取ることです。
この効果は1953年にイギリスの認知心理学者であるコリン·チェリーによって提唱されました。音声の選択的聴取、選択的注意とも呼ばれています。
例えば、カクテルパーティーのように、たくさんの人が集まってそれぞれ雑談している中でも、自分が興味のある話題や自分に関連したキーワードが発せられたり、自分の名前を呼ばれたりした時などは、雑音の中でも自然に聞き取ることができます。
このように、自分にとって重要な情報を優先的に聞き取る脳の働きをカクテルパーティー効果といいます。
メカニズム
どうして自分に関係する情報だけ、無意識で選択できるのでしょうか?
実は脳というものは、与えられた情報をすべて取り込んで同時に理解しようとしても処理が追いつきません。脳が受け取る情報は音声だけでなく、目から入る情報や、何かが触れたときの触覚など、膨大な量の情報になります。
そのため、得た情報を無意識で取捨選択して他の情報をシャットアウトすることで正常に脳の処理を進める必要があるのです。
カクテルパーティー効果の影響
提唱された効果は音声による情報の選択だけに限ったものですが、それ以外にも視覚から得る情報や、「自分に向けられているメッセージだ」と感じる情報も、人は無意識下で選択しています。
視覚的な影響
ある大学で、複数の顔写真を提示して、その中に指定の顔写真があるかどうかを判別させる実験を行いました。その際、指定された顔が他人だったときよりも、自分の顔だったときの方が素早く判別できたというデータがあります。
他にも、例えば引っ越しを検討し出した途端、マンションの広告がやたらと目に入るようになったりすることもあります。これも、引っ越しを意識したことで、脳が無意識に引っ越しに関する情報を選択していると考えられています。
なお、このように視覚による情報の選択は「カラーバス効果」とも呼ばれています。
心理的な影響
自分に直接向けたれた会話でなくても、他人の話し声がやたらと耳についてしまうという経験があるかもしれません。
この作用も、他人の話が自分に関係のある話だと感じ、脳が無意識に情報を選択していることが原因だと考えられています。
カクテルパーティー効果の活用法
この効果は、コピーライティングやWEBサイトを運営する上でも活用することができます。
以下で解説していきますので参考にしてみてください。
コピーライティング(広告文章)
まずは、どんな情報を得るか取捨選択する脳の機能を、コピーライティングに応用してみましょう。
広告文章では、顧客の興味を引いて商品を買ってもらうため、カクテルパーティー効果で注意を引くことができます。
自分に関係ないと脳に判断された文章は顧客の目に入りにくいですが、反対に「自分に関係がある」「自分のための商品かもしれない」と思わせることができたら顧客に注目してもらえる可能性が高くなります。
以下では、実際にカクテルパーティー効果を活用したコピーの例を見ていきましょう。
地理的属性を使う
顧客の住所·周辺環境·勤務地といったジオグラフィックに訴求したコピー例です。
- 渋谷区にお住いのあなたへ
- 丸の内まで通勤しているあなたへ
- 通勤時間が長いと感じているあなたへ
人口統計的属性を使う
顧客の年齢·性別·学歴·家族構成といったデモグラフィックに訴求したコピー例です。
- 30代になってお肌の衰えを感じてきたあなたへ
- 一人暮らしのOLにぴったりなインテリア
- 入社3年以内で転職を検討しているあなたへ
心理的属性を使う
顧客の目標·現状·悩みといったサイコグラフィックに訴求したコピー例です。
- ムダ毛にお悩みのあなたへ
- 会社を辞めてフリーランスになりたいあなたへ
- 年齢を感じさせない若々しい人はすでに試しています
このように、「これって自分のことかな?」と思わせられるような具体的なコピーには、脳はカクテルパーティー効果で無意識に注意を引きつけられます。
そして購入を迷っている潜在顧客の背中を押したり、新しい顧客を引き入れたり、注意や関心を持続して強めるといった効果が期待できます。
WEBサイトの運営
インターネット上にはたくさんの文字や画像の情報が散在しています。その大量の情報の中から、自分のサイトを見つけてもらうためにも、カクテルパーティー効果は有効です。
ターゲットに向けたキーワードを考える
例として、若い女性が興味を持ちそうなキーワードを考えてみましょう。
- ダイエット
- メイク
- ファッション
- キラキラ
この中で、特に「ダイエット」にキーワードを絞る場合、さらに以下のようなキーワードの利用を検討してみましょう。
- 簡単に痩せる
- ◯日でマイナス5キロ
- ながら運動で簡単にシェイプアップ
このようにターゲットに訴求できるキーワードを絞ることで、このキーワードを利用したWEBコンテンツもターゲットとなる人の目に止まりやすくなります。
しかし、キーワードにもトレンドがあります。流行から外れたキーワードだと注目を集めるのが難しくなるため注意しましょう。
文字の見た目にも注意を払う
WEBサイトのコンテンツに注目してもらうためには、一字一句に注意を払いましょう。
同じく女性がターゲットだとすると、以下の点を確認する必要があります。
漢字·平仮名·片仮名のバランス
女性の場合は、あまりにも漢字ばかりの硬い文章は敬遠される恐れがあります。
そのため、例えば「可愛い」を「カワイイ」と表記して印象を柔らかくするといった工夫が必要です。そうすると、ターゲットも自分に向けられた情報だと認識しやすくなる可能性があります。
フォント
明朝体のような硬いフォントよりも、「丸ゴシック体」や「手書き風」といった丸みのある柔らかいフォントのほうが女性に受け入れられやすいというデータもあります。
フォントひとつで脳に選択されるかどうかが変わるため、フォントを意識したWEBサイト作りを心掛けましょう。
五感を意識したキーワードを使う
聴覚、視覚、味覚、触覚、嗅覚といった五感に関するキーワードを使うことは、ターゲットに共感してもらうための近道になります。
五感を刺激するキーワードは、以下のようなものです。
- ふわふわ
- あったかい
- キラキラ
このキーワードがあるのとないのとでは、文章から受けるイメージは大きく違います。
さらに、関連する画像なども利用することで、視覚的にもターゲットに対して訴求することが可能です。
まとめ
自分に関連した情報を無意識に脳が選択する機能であるカクテルパーティー効果ですが、日常生活だけでなく、コピーライティングやWEBサイトの運営などのマーケティングにも利用することができます。
そのためには、情報を伝えたいターゲットに「自分に向けられた情報だ」と認識してもらうことが重要です。ぜひ上手に活用してみてください。
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