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ブレストをグンと深める10の質問

ブレスト質問のイメージ

ブレストと言っているのに沈黙が続く・・・
そんな経験はありませんか?

ある1つのテーマに対して参加者が自由に意見を出すブレインストーミング(通称ブレスト)。
どんなささいなことでも構わないと言っても、なかなか意見が出ないこともありますよね。
参加者の立場からすれば、何でもいいと言われるとかえって何を話したらいいのか分からなくなってしまいがちです。
そんな時は質問を具体的にすることが有効と言われています。
今回は『買わせる発想』(講談社)で紹介されている「エピソードを引きだすための10の質問」を紹介し、ブレストを深めるコツについて考えてみたいと思います。

ブレスト質問のイメージ

【エピソードを引きだす10の質問】
①普段、どんな時に、○○を使いますか?
②どんな人と一緒に、○○を使いますか?
③どんな所で、○○を使いますか?
④実は、、こんな瞬間にも○○を使っている、という時とは?
⑤○○を使ってうれしかったのはどんな時ですか?
⑥逆に、○○を使うと恥ずかしいのはどんな時ですか?
⑦意外な人が○○を使っていて、びっくりした体験とは?
⑧○○を使って、イラッとした体験とは?
⑨他人には理解されないかもしれない、こだわりの○○の楽しみ方とは?
⑩○○と言われて思い出す、幸せな思い出とは?

これらの質問がブレストにどのように役立つかについて考えてみたいと思います。
具体例があったほうが考えやすいと思いますので、ここではテーマを「焼き芋の上手い売り込み方」とします。

ブレストに使える質問【ウォーミングアップ】

①普段、どんな時に、焼き芋を食べますか?
②どんな人と一緒に、焼き芋を食べますか?
③どんな所で、焼き芋を食べますか?

上記の3つの質問はいわばウォーミングアップです。
考え込まずにすぐ応えられる質問で始めることがブレストをスムーズに進めるコツです。
この時点では斬新なアイデアやユニークな発想が出ることはあまりありませんが、「寒い日の帰り道に友達と公園で食べた」「家の庭で落ち葉を集めて焼き芋をした」など活発に意見が出るはずです。
誰もが納得できる「常識」を共有しておくことで、議論の下地が出来ます。また、複数の人間が「そうそう!」と思うことは普遍性のあるエピソードですので、本質的なアイデアに発展する可能性があります。
参加者が気持ちよく話し合いが出来る、意見を出すのが心地よい雰囲気が作れたら次の質問に移ります。

ブレストに使える質問【応用編】

④実は、、こんな瞬間にも焼き芋を食べている、という時とは?
⑤焼き芋を食べてうれしかったのはどんな時ですか?
⑥逆に、焼き芋を食べると恥ずかしいのはどんな時ですか?
⑦意外な人が焼き芋を食べていて、びっくりした体験とは?
⑧焼き芋を食べていて、イラッとした体験とは?
⑨他人には理解されないかもしれない、こだわりの焼き芋の楽しみ方とは?
⑩焼き芋と言われて思い出す、幸せな思い出とは?

先ほどの3つの質問が基本だとすれば、これら7個の質問は応用です。
順番や全部答えることは重要ではなく、答えやすそうな問いだけで十分です。
例えば⑥の質問であれば、「デートで食べるのは抵抗がある」とか「オフィスには持ち込みづらい」という意見が予想されます。焼き芋を食べる時は人目を気にしたり、避けたりする傾向が浮かび上がります。
すると「人目を気にせず焼き芋を食べるにはどうしたら良いのか?」という新しい問いが生まれます。見た目、湯気、皮の後始末の煩雑さなど様々な意見が出てくるなかで、スティック式に加工した焼き芋という商品が思い浮かびます。
恥ずかしいことについて会議で話すことはあまりないと思います。しかし、私たちは日常生活で「これは恥ずかしいからやめよう」という選択を無意識のうちにしているのではないでしょうか。そう考えると、「恥ずかしい」というのは顧客ニーズを考える上で重要な質問だと言えます。

苛立ちは新しいモノを生みだす原動力になる

ブレストをしていると理想論とか正論ばかりが出て、停滞してしまうことがあると思います。
そんな時は⑧の質問が有効です。ネガティブな要素を語るのはためらわれるかもしれませんが、本音を出すために役立ちます。
例えば「焼き芋の真ん中だけ食べて、端っこを捨ててしまう人にイラッとする」という意見が出た場合、「端っこまで食べてもらうにはどうしたらよいか」という具体的な議論が出来ますし、「この商品はこれまで焼き芋の端っこを残していた人をターゲットにする」というユニークな視点も生まれるかもしれません。

具体的な質問がブレストの質を高める

ブレスト質問のイメージ

今回はブレストをする上で有効な質問について紹介しました。
本音で語りやすいように食事をしながらブレストをする会社もあると聞きます。それも全く意味がないとは言いませんが、環境を変えたからといって自然と議論が深まることはありません。
重要なのは抽象性を排除し、具体的に考えやすい質問を投げかけることです。
社内のブレストや自分自身のアイデア出しの際に参考にしていただけますと幸いです。


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