SEOからSXOの時代へ―検索の歴史から見るSXOへ至る変遷
人工知能の進化がSEOをSXOに変える
1992年に日本で最初のホームページが設置されて以来、いままで語り尽くされてきたSEO対策。
SEO業者によるブラックハットSEO・スパムワードの盛り込み、ワードサラダ等を使った、スパムコンテンツからの被リンクといった不正行為に対して、Googleはパンダアップデート、ペンギンアップデート、ハミングアップデートなど様々なアップデートで対策を講じてきました。
まさにSEO業者とGoogleの戦いの歴史だったと言えます。
しかし、今、戦いの歴史に終止符が打たれようとしています。
今後のSEO対策は【SXO】に変わると言われています。
いかに検索者が求めるコンテンツを優先的に提供するかという発想(=SEO)から、検索者にコンテンツを通じていかに有意義な体験をしてもらうかという次元(SXO)に進化しつつあります。
今回は検索の歴史を振り返りながら、Googleが目指す未来の形「SXO」について紹介したいと思います。
Googleが目指す”SXO”とは
SXOとは「Search Experience Optimization(検索体験の最適化)」の略です。
一言で言えば、本当にユーザーエクスペリエンスを追求したコンテンツが上がるということです。
これまでのSEOは内部対策(内部ソースの最適化)と外部対策(被リンク)が中心に行われていました。これらの目的は言うまでもなく上位表示です。極端なことを言えば、上位表示さえされれば、アクセスしたユーザーがコンテンツを満足しなくても構わなかったと言えます。
読みやすさを犠牲にしてまでSEOキーワードを増やしたり、画像はSEO効果が見込めないからと画像を使ったほうが見やすい事柄もあえてテキストで説明したりしていました。
一方、SXOではユーザーが訪れたサイトの中身まで人工知能が判断し、よりユーザー満足度が高く、有益なコンテンツや利便性の高いサイトを上位表示します。
ユーザーがなぜサイトを訪れたか分析し、目的を果たすために適した内容であるか、導線であるかもSXOの評価の対象になります。
今後のSXOにおいては、コンテンツのデザインや見栄えの部分も上位表示の判断材料になってくるでしょう。
なぜ今、SXOが必要とされているのでしょうか?
それを知るためにはSXOに至る経緯を振り返ってみる必要があります。
これまでSEO対策で行われてきたこと
検索エンジンの穴が多かった検索エンジン黎明期
検索エンジンが登場したのは1990年半ばと言われています。まだ検索エンジンの評価基準が定まっておらず、穴が多かったと言われています。Googleの検索エンジンはサイトの良し悪しを判断できず、言葉を選ばずに言えば簡単にだますことが出来ました。
例えば背景色と同じ色でコンテンツ内にSEO対策キーワードを無数に散りばめるような小手先の対策でも、簡単に効果をあげることができました。
2000年代にGoogleが登場しましたが、まだ検索エンジンを欺くことは容易でした。検索エンジンの穴を突くSEO対策をやっている業者には、ユーザーに有益なコンテンツを届けるとか、見やすいコンテンツにするといった発想は皆無でした。
特に効果が高かったのは外部リンク
SEO対策の中でも効果が高いと言われていたのは外部リンク。自分で作成したWebサイトやブログからリンクを貼ったり、SEO業者からリンクを購入したりする対策は大変な人気でした。現在では自作自演の被リンク効果がないどころか、ペナルティの危険性の方が高いと言われていますが、それでも外部リンクを売っている業者が無くならないのは、「オイシイ時代」を知っているからに他なりません。
SEO業者に騙され続ける検索エンジンは価値がない
検索エンジンがSEO業者に騙され続けたらどうなるでしょう。ユーザーは求める検索結果が得られず、やがて検索エンジンを使わなくなってしまうと思います。
そこで、Googleをはじめとした検索エンジンは、自身の存在価値をかけて悪質なSEO対策と向き合うことになりました。
SEO対策業者の排除と、ユーザーの求める正しい検索結果を表示するために、本腰を入れて技術開発を行いました。
検索エンジンが急速に進化した2000年代後半
検索エンジンの精度が飛躍的に高まったのは2000年代後半だと言われています。
検索エンジンのクローラーが進化し、検索エンジン黎明期に横行していた小手先のSEO対策はすぐに見つかり、ペナルティを受けるようになりました。一時期SEO対策の中心だった外部リンクも年々効果が低下しています。
現在ではクローラーが人工知能化し、コンテンツの文脈まで理解できるようになりました。キーワードも関連ワードを含めた評価が可能となり、複雑かつ正確な評価が実現しつつあります。
SEOが新たなステージ「SXO」へ
検索エンジンの進化は目覚ましいものがあります。そして、今後も技術の進歩はとどまることがないでしょう。
検索エンジンの欠点やアルゴリズムの変動を逆手に取ったSEO対策はどんどん淘汰され、Googleが目指す「ユーザーにとって本当に有益なコンテンツを提供する」目的にかなったコンテンツが上位表示される時代になると思います。
ユーザーの「求めるもの」と検索エンジンの「評価するもの」の溝はほぼ無くなったと言えます。
SXOではシンプルにユーザーの希望を叶えるコンテンツを作ることが検索エンジンに評価に繋がるのです。
SXOを実現する「ランクブレイン」とは
SXOを語る上で欠かせないのがランクブレインの存在です。
ランクブレインは、機械学習を用いた人工知能を持ったアルゴリズムの一部です。現在Googleの1日の検索結果の15%を処理していると言われています。
検索者が何を探しているかを解釈し、様々な要素をもとに最適な答えを導きだします。
これまでの検索エンジンでは検索キーワードに完全に一致したり、多用したりしているコンテンツを高く評価していましたが、ランクブレインはそれだけで判断しません。言葉と言葉の関連を理解し、文脈にあった検索結果を表示します。
SXOが目指す、ユーザー本位の判断をしてくれるのです。
SXOで重要になるポイントとは
SXOというと難しく聞こえるかもしれません。
簡単に言うと、検索エンジンに向けた対策ではなく、ユーザーに向けた対策にシフトするものです。
SXOで大切なのはコンテンツです。ユーザーのニーズに応えるコンテンツを作ることが第一です。
いくらコンテンツ内にSEO対策キーワードを多用したとしても、充実した内容がない限りSXOでは評価されないでしょう。
ユーザーニーズを満たすオリジナリティーにあふれたコンテンツが高く評価されることになります。
またSXOでは利便性も重要なファクターになります。いくら内容が充実していても、ページが重くてなかなか表示されなかったり、どこに何が書いてあるのか分からないと意味がありません。
SXOではレイアウトも評価の対象になりますから、デザイン面や導線にも気を配ることが必要です。
SXOでは思いやりをもったコンテンツが評価される
SXOは難しくなく、むしろ考え方がよりシンプルになったと言えるでしょう。
SEOでは専門家がアルゴリズムとにらみ合い、隙を突くような小手先の対策が中心でした。
アルゴリズムが変わるとまた順位が下がってしまい、いたちごっとだったと言えます。
そのような以前までの状況では、高度に専門的な知識が必要であり、そこにSEO業者の存在意義があったと思います。
しかしSXOは違います。
SXOでは人に対する思いやりをもったコンテンツ(人が知りたい情報がある・見やすい導線設計がされている)が重要になるのです。専門的な知識が無い方でも、適切な設計のWEBサイトさえあれば、効果的なSXOが行えます。
SXOはコンテンツへの愛と情熱、そしてユーザーへの思いやりをもった人に適していると言えると思います。
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