不動産売買営業はなぜきつい?その理由【ノルマや残業など経験者が解説】

営業職の中でも、不動産営業はよりきついというイメージの方は少なくないでしょう。

厚生労働省の「令和3年上半期雇用動向調査結果の概要」によれば、不動産業および物品賃貸業の離職率は7.4%です。年間で考えると約15%程度の数値になります。

入職者76.6万人に対して離職者62.7万人というデータが上半期で出ています。

不動産業、物品賃貸業の中には、不動産取引業や不動産賃貸業、管理業、貸家業、駐車場業、物品賃貸業も含まれるため、不動産の営業に限れば離職率の数値はもっと高くなることが予想されます。

 

“令和3年上半期雇用動向調査結果の概況  厚生労働省参照”

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/22-1/dl/gaikyou.pdf

 

不動産の営業と言っても、住宅営業や賃貸営業、投資用不動産営業、土地の仕入れ販売営業など種類が沢山あります。

この記事では、不動産の営業の中でも売買営業についてなぜきついのか、その理由と気を付けるべき点についてまとめています。

 

飛び込みやテレアポによる新規営業がきつい

年々宅地建物取引業者が増えていく中、売買を行う業者にとっては仕入れ物件が命とも言えるでしょう。

売却物件の情報は、支店を持つ大手の仲介業者や地元に密着した地場の仲介業者が抱えている事がほとんどです。

インバウンドで売却相談が来る会社であれば情報は集まりやすいですが、営業が自ら物件情報を探す形態をとっている場合はきついと言えるでしょう。

自社で買取り再販をする業者は、まず自社の販売物件を作る為に仕入れられる物件を見つけなくてはなりません。

もちろん、会社の利益を考えると安く仕入れて高く売却するのが一番ですが、仕入価格、売却価格、その他にも仲介手数料がかかってきます。

また、空室物件の場合には内装費用、登記費用諸々の費用がかかってくるため売却価格が高騰し、大手のポータルサイトで掲載されている物件情報だけでは査定金額が見合わないことが多く、テレアポと飛び込みで非公開物件、安い物件を見つけに行く事が求められるのです。

会社によっては飛び込みのノルマが決まっていたり、テレアポも1日数百件をこなすようなハードワークを強いられるなど、毎日成約のために動き続けなくてはなりません。

飛び込みでの成果が出せない場合、会社からのプレッシャーにメンタルが疲弊し、面目が立たないため会社に戻りづらいなどの状況に陥ることもあります。

対エンドユーザーにせよ、対業者にせよ、断られ続けることできついと感じてしまうことが多いでしょう。

 

思うような研修が受けられなくてきつい

会社によって違いますが、身に付けなくてはならない知識やスキルが多いにもかかわらず、新入社員や他業界からの転職者に対する研修制度が整っていないところも多いです。

先輩社員の営業を見て盗めという方針や、手探りでも「とにかくまずはやってみろ!」というある種根性論的な方針をとっている会社が多いのが現状です。

こういった部分からもブラックというイメージがついてしまっているのではないでしょうか。

研修制度が整っていないベンチャー企業を選ぶ際は、こういった部分も事前に把握しておくことがポイントの一つです。

残業が多くてきつい

不動産営業といえば残業が多そうというイメージがあるのではないでしょうか。

売主、買主共にお客様との時間設定が大事になる不動産営業では、どうしても長時間労働になってしまうこともあるでしょう。

営業時間内にテレアポや飛び込み営業、お客様のご案内、ご契約手続き、ご決済の手続きを行っていく必要があるため、どうしても時間外労働に契約決済書類の準備や管理作業等の事務処理が必要になるケースがあり、時間配分が難しくなります。

場合によっては、お客様とのお約束が休日になることもある為、休日出勤が当たり前という会社も多く存在します。

そういった会社に身を置く場合、プライベート優先ではなくお客様優先の考え方が重要になります。

上場企業や上場を視野に入れている企業の中には、定時きっかりにパソコンの電源を落とすなど残業をしない働き方を推奨している会社も多々ありますので、事前にチェックしておくと良いでしょう。

きついノルマ

どの営業会社にも言えることですが、どうしても数字の世界であり、過重ノルマが課せられている会社も少なくはありません。

不動産売買においては、買取再販業者のような自からが売主になる業者の場合、自社で仕入れた物件に利益を乗せて再販をするため、相場よりも高く販売をせざるを得ないケースは多々あります。

その為、買い手が付きにくく見込んでいた利益幅での売却が難しいなどの問題も多々起こります。

しかし物件が売れていかなければ、もちろん個人の営業数字にはならない為、ノルマという壁と戦いながらコンスタントに利益を生んでいける者が不動産業界で求められる人材と言えるでしょう。

ノルマが達成できずに数字が落ち込むと、上司からの圧力や今では少なくなってきたかもしれませんがパワーハラスメントが日常的に行われている会社もあります。

会社にいるのが辛いといった強いストレスを感じ、きついなと思うでしょう。
ストレスを抱えた状態のまま仕事をしていると、更に成果が出にくく悪循環を生む可能性は大きいです。

 

それでも不動産売買営業に就職・転職するなら

1.社内の人間関係や風通しの良さは、入社を決める前にチェックしておきましょう。

2.研修制度が整った会社を選びましょう。

3.適切な時間配分で効率よく仕事をこなしましょう。

4.嫌々にならず、未来のビジョンに向かって頑張れる意識作りをしましょう。

5.不動産を自ら好きになり、物件に対しての興味関心を持ちましょう。

6.クロージング力を強化しましょう。

 

筆者が不動産売買営業で実際に3年半働いてみて、本記事で解説したような状況でも前向きに仕事に取り組めた理由がこの6点となります。

 

どのような業界業種においても、結果が出せなければきついと感じることがあります。

コロナ禍が続く現代、不動産営業も対面営業からオンライン営業にシフトしていく会社もあります。

今後の不動産の営業スタイルにも変化が起きていくのかもしれません。

それが更なる効率アップや満足度アップに繋がっていくことでしょう。

何より、きついと言われる業界だからこそ、不動産売買営業で得られる提案力やメンタルの強さは、どの業界でも活かされる能力になるでしょう。

 

目先の目標から1つずつクリアしていくことを心掛けましょう。

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