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AI面接とは?導入で変わる採用DXの仕組み

#AI活用#DX推進#業務効率化

AI面接とは?導入で変わる採用DXの仕組みのアイキャッチ

現代の採用活動は、少子高齢化や採用競争の激化といった課題に直面しています。これらの課題を解決する採用プロセスの効率化ツールとして「AI面接」が注目されています。

本記事では、AI面接の仕組みや導入によるメリット・デメリット、企業の導入事例などを通じ、採用のDX化を推進するAI面接を解説します。

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AI面接とは

AI面接とは、AIが面接官の役割を担い、求職者の面接および評価を行う採用システムのことです。

AIが求職者の回答内容はもちろん、声のトーンや表情、話し方、身振り手振りといった非言語情報も多角的に分析して評価を行います。AIによる評価はあらかじめ設定されたアルゴリズムに基づいて行われるため、面接官の主観で評価が異なる心配がなくなります。

また、AI面接は24時間365日いつでも実施できるうえ、場所も問いません。採用活動の効率が大幅に向上し、人件費などのコスト削減にもつながります

対話型AI面接と録画型AI面接の違い

AI面接は大きく分けて「対話型AI面接」と「録画型AI面接」の2種類があります。

対話型AI面接はAIがリアルタイムで求職者と対話するのに対し、録画型AI面接は求職者が提出した面接動画をAIが評価します。

対話型AI面接とは

対話型AI面接は、AIが求職者とリアルタイムで会話をしながら面接を進めます。チャットボットやアバターを介し、実際の人間との面接に近い形で質問と回答のやり取りを行います。

対話型AI面接の特徴は、AIが求職者の回答に応じて柔軟に質問を深掘りできる点です。たとえば特定の経験について話した際に、AIがその内容に基づいた追加の質問を行い、より詳細な情報や思考プロセスを引き出します。

録画型AI面接とは

録画型AI面接は、あらかじめ設定した質問に対し、求職者が自分の回答している様子を撮影して提出する面接形式です。求職者は期間内の都合の良い時間と場所で撮影を行い、動画をシステムにアップロードします。

録画型AI面接の1番の特徴は、撮り直しができる点です。多くの録画型AI面接サービスでは、納得がいくまで撮影を行い、最も良いと思ったものの提出が可能です。

一方で録画型AI面接は求職者の突発的な質問への対応力や、プレッシャーの中での思考力を判断しにくいデメリットがあります。ですが、一部の録画型AI面接サービスには、撮影した動画すべてを確認できる機能を実装しているものもあります。

従来のWeb面接(オンライン面接)との違い

Web面接とAI面接はともにオンライン上で行われる面接を指しますが、その決定的な違いは面接官が人間かAIかという点です。

Web面接はZoomやGoogle Meetなどを使い、人間の面接官と求職者がオンラインで対話する面接形式です。対面面接のオンライン版であり、リアルタイムでのコミュニケーションを行えます。会社の雰囲気が求職者に伝わりやすく、やり取りを通じて求職者の雰囲気や人間性も評価できます。

AI面接はAIが面接官を務め、求職者の回答内容や表情、声のトーンなどを分析・評価する面接形式です。面接官の主観がない客観的な評価を行えるほか、24時間365日対応で大量の応募者を効率的に面接でき、採用担当者の業務負担を減らせます。

AI面接の仕組み

AI面接は、採用活動の効率化と客観的な評価を実現するためのシステム化された一連の仕組みです。以下の流れで求職者の面接評価を行い、採用担当者にAIレポートとして提出します。

  1. 求職者の面接動画をインプット
  2. 動画から表情・声・ことばを数値化
  3. 評価項目と照合してマッチ度を算出
  4. 採用担当者向けのAIレポートの自動生成

求職者の面接動画をインプット

AI面接は、求職者の面接動画をAIがインプットすることから始まります。求職者は対話型もしくは録画型の面接を行い、動画データを提出します。

AIは提出された動画から「映像」と「音声」を抽出。映像からは表情や視線、ジェスチャーといった視覚的な情報を、音声からは発言内容のテキストデータや、声のトーン、話すスピードといった聴覚的な情報を分析します。

動画から表情・声・ことばを数値化

インプットした動画を「表情」「声」「ことば」の要素に分解し、客観的な数値へと変換します。定量的なデータへの変換により、人間の主観を除いた客観的で公平な評価を実現できます。

技術 できること
表情認識技術 目の開き方や口角の動きを捉える
音声分析技術 声の大きさやトーンを捉える
自然言語処理技術 発言内容をテキスト化し、単語や論理を分析する

評価項目と照合してマッチ度を算出

次に数値化したデータを、企業が事前に設定した評価項目と照らし合わせます。「主体性」や「協調性」などといった評価項目に対して、どのデータが関連するかを学習モデルに基づいて判断します。

自社独自の評価基準を設けると、求職者が企業や職務に対してどれだけ適した人材なのかを表すマッチ度を総合的に算出可能です。

採用担当者向けのAIレポートの自動生成

最終的にAIの分析結果は、採用担当者向けの「AIレポート」として生成されます。AIレポートには総合的なマッチ度に加えて、「コミュニケーション能力」や「論理的思考力」などの項目別評価が示される場合が多いです。また、評価の根拠となった具体的なデータも記載されることが多く、求職者の客観的な判断が可能です。

AIレポートは選考の効率化に役立つだけでなく、二次面接以降の対人面接で深掘りすべき質問の参考資料としても活用できます。

AI面接のメリット

AI面接の導入は、企業の採用活動において多くのメリットがあります。従来の対人面接での採用プロセスにおける課題を解決し、効率的かつ効果的な人材獲得を可能にします。主なAI面接の導入メリットは以下のとおりです。

  • 24時間365日いつでも面接を実施
  • 人材採用にかかるコストを大幅に削減
  • 応募者全員に対しての面接を実施可能

24時間365日いつでも面接を実施

AI面接の導入により、企業の採用担当者は面接の日程調整の労力がなくなります。これまで採用担当者は、応募者とのスケジュールを合わせて面接の日時を決める必要があり、多くの応募がある場合は大きな負担になっていました。

ですが、AI面接であれば、求職者は都合の良い時間に好きな場所から面接を受けられます。とくに学業や仕事との両立を図りながら就職活動を進める求職者にとっては非常に大きなメリットです。企業側も、求職者の応募から面接までの時間を大幅に短縮できるため、優秀な人材を囲い込みやすくなります。

人材採用にかかるコストを大幅に削減

AI面接は人材採用にかかる時間的コストと金銭的コストの両方を大幅に削減します。

従来、多くの工数を必要としていた書類選考や日程調整、面接をAIが行うため、担当者が採用に費やしていた時間の大部分を削減可能です。また、求職者が会社を訪れる必要がなくなり、遠方からの求職者に支払っていた交通費や、面接場所の確保などの費用を削減できます。

応募者全員に対しての面接を実施可能

人間とは違い、AIは24時間365日、応募人数に左右されずに稼働できるため、これまで応募者が多い場合に必須とされてきた書類選考を行う必要がありません。すべての求職者と面接の機会を設けられることから、履歴書や職務経歴書だけでは測れない求職者の熱意や人柄、潜在的な可能性で評価できるようになります。

学歴や経歴に依らない公平な選考は多様な人材を獲得できるだけでなく、企業のイメージ向上にもつながるでしょう。

AI面接のデメリット

AI面接は採用活動に多くのメリットをもたらす一方で、いくつかのデメリットも存在します。AI面接の持つ課題の理解は、効果的な運用を行ううえで不可欠です。3つの主なデメリットは以下のとおりです。

  • 候補者に心理的負担が発生する可能性
  • 個性や潜在能力を見抜くのが困難
  • 企業の魅力づけ機会の損失

候補者に心理的負担が発生する可能性

AI面接は効率的な採用システムである反面、AI相手に話す体験は求職者に心理的な負担を与えるおそれがあります。AIが普及してきたとはいえ、いまだ多くの求職者にとってAI相手の会話は慣れない状況であり、話しにくさや不自然さを覚えるかもしれません。とくに自分の個性や熱意、人間性を伝えたいと考える求職者にとって、AI相手の面接はコミュニケーションの壁を感じるでしょう。

個性や潜在能力を見抜くのが困難

AIは事前に設定されたアルゴリズムや評価項目に基づいて、求職者の評価を行います。そのため、定量的な評価を行いにくい人柄や発想、人間性などの正確な読み取りを苦手としています。

いわゆるテンプレート通りの完璧な回答はAIに高く評価されるかもしれませんが、その中から個性や潜在的な才能を見出すのは困難です。人間が行う面接であれば、会話の流れから求職者の魅力を引き出したり、直感的に面白い人材だと感じたりします。ですが、AIはそのような評価に限界があるため、対人面接で評価されていた人材を見落としてしまうおそれがあります。

企業の魅力づけ機会の損失

対人面接では、面接官が会社に対する質問に答えたり、会社の雰囲気や文化を説明したりでき、会社の魅力を求職者に直接伝えられます。ですが、AI面接では基本的にシステムとのやり取りとなるため、求職者の疑問の解決や面接官の熱意を感じる場を失い、機械的な面接体験になりがちです。求職者が会社に対して魅力を感じづらく、優秀な人材が他社に流れてしまうリスクがあります。

採用には会社側と求職者側の双方が納得する必要があるため、会社に対する魅力づけの機会損失は看過できない課題の1つです。

AI面接の活用事例

AI面接は、多様な採用場面で活用され始めています。ここでは、新卒採用やアルバイト採用といった採用区分ごとの活用事例と、実際にAI面接を活用している企業の導入事例を通じて、AI面接の効果を探っていきます。

採用区分別の活用事例

AI面接は、採用活動の効率化と質の向上を両立できるため、さまざまな採用区分で活躍します。新卒採用、中途採用、アルバイト採用といった採用区分ごとに、AI面接がどのように活躍するのか、具体的な活用事例を見ていきましょう。

新卒採用では応募者全員の面接を実現

大量の応募がある新卒採用では、AI面接の導入により応募者全員との面接が可能になります。

従来の採用活動では、膨大な応募書類の確認、面接日程の調整、そして実際の面接に多くの時間と労力をかける必要がありました。そのため、多くの求職者を書類選考でやむなく不採用とするほかありませんでした

ですが、AIが面接官を務めることで24時間365日の面接が可能となり、採用活動の効率化と採用担当者の負担軽減を実現します。また、これまで書類選考で面接を見送っていた層から、優秀な人材の発掘ができる可能性もあるでしょう。

中途採用では客観評価で採用の質を向上

中途採用において、AI面接は客観的な評価を可能とし、採用の質を大きく向上させます。

人間が行う場合、経験豊富な面接官でも主観や個人的な相性が評価に影響を与えてしまうおそれがあります。しかし、AI面接はあらかじめ設定された評価項目に基づいた一貫した基準での評価が可能です。企業が求めるスキルや人間性を評価項目に落とし込めば、自社に最適な人材を正確に見極められます。採用後のミスマッチを減らし、企業の生産性向上にも貢献するでしょう。

アルバイト採用では選考スピードの迅速化

アルバイト・パートの採用では、AI面接が採用までのスピードを劇的に向上させます。

アルバイトの採用時は、急な欠員補充や繁忙期対応など、迅速な人員確保が求められるシーンが多くあります。従来の採用プロセスでは、アルバイトの募集から書類選考、面接、合否の連絡に時間を必要とし、人材をすぐに確保できないのが課題でした。

ですが、AI面接を導入すれば、応募者は24時間いつでも面接を受けられ、企業側もすぐに結果を確認できます。応募から採用までの時間を大幅に短縮し、人手不足の解消に貢献するでしょう。

企業のAI面接導入事例

AI面接は理論上のメリットだけでなく、実際に多くの企業で使われ、成果を上げている事例があります。企業がAI面接をどのように活用し、採用課題を解決しているのか、実際の導入事例を通じて見ていきましょう。

キリンホールディングスのAI面接導入事例

キリンホールディングス株式会社では新卒採用にAI面接を導入しています。AI面接により、企業が掲げる「熱意・誠意・多様性」を体現する人材を発掘し、最適なポジションとのマッチングを目指しています。AI面接のトライアル導入で、AIによる評価と人事による合否判断に強い相関関係が確認され、導入に至りました。AI面接の導入により創出された人的リソースを最終面接や育成に充て、採用の質向上につなげています。

参考:キリンホールディングス、AI面接官を本格導入決定

リリカラのAI面接導入事例

リリカラ株式会社は、従来の面接における時間制約、日程調整の負担、主観的な評価といった課題解消のため、AI面接ツールを導入しました。動画とテキストで求職者の回答を多角的に確認できる点をとくに評価しており、AIの面接評価レポートの資料としての活用が導入の決め手となったとしています。これらのメリットにより、求職者と企業のよりよいマッチングが実現し、志望度の高い人材の獲得に貢献しています。

参考:インテリア業界老舗のリリカラ、対話型AI面接の活用事例を初公開

アキタフーズのAI面接導入事例

株式会社アキタフーズは、2019年の新卒採用よりAI面接による一次選考を開始しました。売り手市場における採用難を背景に、AI面接の場所と時間を選ばない特性に着目し、マッチングの拡大を図りました。人事担当者は公平な評価基準と交通費の負担がないことや、時間や場所の制約がないことをメリットとして挙げています。最終選考は役員が担当し、社風や文化に合っているかを面接しているようです。

参考:日本初!全応募者に対して AI 面接を実施 ~2019年卒新卒採用の一次選考試験にて導入~

AI面接ツールの比較と選び方

自社の採用戦略や解決したい課題、予算などによって最適なAI面接ツールは異なります。ここでは代表的なAI面接ツールを紹介したうえで、どのようなポイントを意識して選べば良いか解説します。

主要なAI面接ツール3選

現在、数多くのAI面接ツールがリリースされていますが、それぞれのツールごとに評価の仕組みや得意な領域が異なります

ここでは多岐にわたるツールの中から、注目されている以下の3つのAI面接ツールを厳選してご紹介します。

  • Our AI面接
  • AI面接官
  • カンリーAI面接

それぞれのツールが持つ強みや特徴の理解を理解して、自社の採用課題に最適なツールを見つけましょう。

Our AI面接

Our AI面接のホームページ

出典:Our AI面接|日本初のアバター型AI面接ツール – 自動でWeb面接するAI

「Our AI面接」は、JetB株式会社が提供するAI面接ツールです。日本初のアバター型AI面接ツールであり、求職者はアバターと対話形式で面接を行います。スマホやパソコンから24時間365日いつでも面接を受けられる手軽さから、従来の面接と比較して約3倍の受験率を実現しました。

また、企業は質問を登録するだけで簡単にAI面接官を作成でき、作成したAIは会話の流れに応じて質問の順番を最適化します。ほかにも、追加費用なくAIが面接の評価と企業のマッチ度をまとめたAIレポートを自動生成するため、客観的な評価が可能です。自社に合わせた評価項目へのカスタマイズもでき、効率的かつ高品質な採用活動を支援します。

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AI面接官

AI面接官のホームページ

出典:AI面接官 | 候補者と採用担当者のポテンシャルを引きだす

「AI面接官」は株式会社VARIETASが運営する、生成AIを活用したAI面接ツールです。求職者の回答に応じて質問が展開されるため、上場企業の一次面接レベルの面接を再現できます。社会人基礎力や志望動機などの約16項目を多角的に分析し、評価レポートを15分前後で自動生成できるのが特徴です。

また、企業の欲する人材要件に合わせて評価の重みづけができ、AIが自社に合う求職者を推薦します。ほかにも、面接を受けた求職者へのフィードバックレポート機能や、志望動機を分析して二次面接に活かせる機能なども備わっています。

カンリーAI面接

カンリーAI面接のホームページ

出典:カンリー AI面接

株式会社カンリーが提供する「カンリーAI面接」は、店舗のアルバイト採用に特化したAI面接ツールです。アルバイトの応募に対して、24時間365日AIがすぐに面接対応を行います。日程調整にかかる手間やコストがなくなり、応募者の離脱を防ぐ効果があります。

また、料金形態は面接を実施した分だけ費用が発生する従量課金制を採用しており、無駄なコストをかけることなく、店舗の採用業務を効率化できます。

AI面接ツールの選び方

AI面接ツールを選ぶ際、機能や価格に目がいきがちですが、それだけで判断するのは危険です。自社に最適なツールを選択するには機能や価格に加えて、「評価の精度とカスタマイズ性」「安心できるセキュリティ管理」「操作性とサポート体制」が重要になります。

評価の精度とカスタマイズ性

AI面接の導入は、単なる工数削減だけを目的とせず、自社が求める人材を確実に採用できるかが重要です。

そのためには、自社の採用戦略に合わせて質問や評価項目を設計できるカスタマイズ機能が必要です。カスタマイズ機能があれば、一般的なスキルに加えて特定の職種に必要なスキルを持っているか、企業文化に適しているかを見極められます。

さらに重要なのが、AIが設定した評価項目をどれだけ高い精度で測定できるかです。AIがどれだけ信頼性の高い評価を行えるかが、採用の質を大きく左右します。

安心できるセキュリティ管理

AI面接では、求職者の個人情報や面接の動画といった、機密性の高いデータを扱います。万が一の情報漏洩は、企業の信頼を揺るがす重大な問題につながります。そのため、ツール提供元のセキュリティ体制は最も厳しくチェックするべき項目です。データの暗号化やデータ保存期間なども併せて確認しておく必要があります。

操作性とサポート体制

たとえ高機能なツールだとしても、管理画面の操作が複雑では業務の効率を上げられません。採用担当者にとってツールが直感的で使いやすいか、求職者にとってストレスにならないシンプルな操作感であるかどうかは、選ぶ際の重要なポイントです。無料トライアルなどを活用して、実際の使用感を導入前に確かめておきましょう。

また、導入時から運用開始後まで、充実したサポートを受けられるかの確認も必要です。AI面接はこれまでの業務フローを大きく変えるツールであるため、手厚いサポート体制が安定した運用を行ううえで欠かせません。

AI面接の導入費用と料金形態

AI面接にかかる費用は、導入の際に最も気になる点の1つでしょう。主にかかる費用は、システム設定のための初期費用と、継続的に発生する月額(年額)費用があります。料金形態は提供会社によって異なり、面接を行う人数に応じて費用が変わる「従量課金制」や、一定の費用で使い放題の「定額制」といった選択肢があります。

導入前に、自社の採用計画と照らし合わせ、機能とともにどの料金形態が最適かの見極めが重要です。

導入にかかる費用

AI面接を導入する際にかかる費用は、おもに「初期費用」と月々発生する「ランニングコスト」です。

初期費用はアカウント発行や導入の支援にかかる費用で、無料のサービスから数万円〜数10万円かかるサービスまでさまざまです。ランニングコストは月額数万円〜数10万円が相場ですが、利用するサービスの機能や応募者の人数によって大きく変動します。

導入費用の総額は、企業の採用規模やサービスに求める要件によって大きく異なるため、複数のサービスの料金を比較して、自社の予算と課題に合うものを選ぶのが重要です。

料金形態の種類

AI面接の料金形態は、主に「従量課金制」と「定額制」の2つに分けられます。どちらの料金形態を選ぶかによって、コストのかかり方が大きく変わるため、自社の採用スタイルに合わせた選択が重要です。

料金形態 特徴
従量課金制 1回ごとに利用料が発生少人数採用・不定期採用企業におすすめ
定額制 固定料金で使い放題大人数採用・大規模採用企業におすすめ

「従量課金制」は、応募者1名あたりもしくは面接1件ごとに料金が発生する仕組みです。利用した分だけの料金を支払うため、採用人数が少ない、あるいは不定期に採用活動を行う企業にとってはコストを抑えやすいメリットがあります。

一方「定額制」は、月額もしくは年額で決められた料金を支払うことで使い放題になるプランです。年間を通じて大規模な採用を行う企業にとっては、1人あたりのコストを抑えられ、予算管理を行いやすいメリットがあります。

自社の採用計画や人数の変動を考慮して、予算管理を行いましょう。

AI面接の質問内容

AIの分析能力を活かすためには、求職者の素質を的確に見極めるための質問設計が重要です。多くの企業で使われている「よくある質問」に加え、自社の求める人材像に合わせて「カスタマイズした質問」を組み合わせると、採用の精度を高められます。

質問はカスタマイズできる

多くのAI面接サービスは、企業が質問内容を自由にカスタマイズできます。採用担当者は自社の求める人材像や職種に合わせて、質問の内容を柔軟に設定可能です。

たとえば、営業職であればコミュニケーション能力や提案力を問う質問を、開発職であれば論理的思考力や問題解決能力を問う質問を重点的に組み込めます。また、企業の雰囲気や文化へのフィットを重視するなら、価値観や行動規範についての質問の追加もおすすめです。

独自にカスタマイズした質問を追加すると、自社に適した求職者を見つけやすく、採用後のミスマッチを防ぐ効果が期待できます

よくある質問例

AI面接では、求職者の経歴だけでは見えない潜在的な能力や自社に馴染めるかを見極めるため、戦略的な質問設計が重要です。それぞれの質問で「なにを評価したいのか」を明確にしておくと、AIの分析精度を高め、データに基づいた採用判断を行いやすくなります。

基本質問・志望動機の確認

基本的なコミュニケーション能力に加え、自社の理解度や入社意欲の度合いを測ります。

【質問例】

  • 「入社後にどのような貢献ができると考えますか?」
  • 「これまでのご経験を、弊社でどのように活かせると思いますか?」

論理的思考力・問題解決能力を測る

課題の発見から解決策の立案までの思考プロセスを評価します。未知の課題に対するアプローチ方法や、物事を構造的に考える力の測定が目的です。

【質問例】

  • 「当社の主力商品Aの売上を、1年で20%向上させるための施策を提案してください」
  • 「プロジェクトリーダーとして、限られた予算と時間の中で成果を最大化するためにどうしますか?」

ストレス耐性・柔軟性を測る

予期せぬトラブルやプレッシャーがかかる状況下での対応力を測ります。意見の対立や失敗経験に対する向き合い方から、適応力や成長意欲を見極めます。

【質問例】

  • 「あなたの提案が、上司や顧客に否定された場合、次の一手をどう打ちますか?」
  • 「チームの進捗が大幅に遅れています。どのように状況を立て直しますか?」

価値観・カルチャーフィットを測る

求職者の価値観や仕事への姿勢が、自社の文化や行動指針とマッチしているかを見極めます。採用後のミスマッチを防ぎ、企業への定着と長期的な活躍ができるかを判断します。

【質問例】

  • 「チームで成果を出すために、最も重要だと思うことは何ですか?」
  • 「どのような組織や環境で、ご自身の能力が最も発揮されると思いますか?」

AI面接がもたらす採用のDX化

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AI面接は、採用活動のDX化(デジタルトランスフォーメーション化)を推し進めるツールとして重要性が高まっています。従来の採用プロセスが抱えていた「面接官による主観的な評価」や「時間・場所の制約」といった課題を解決できる点で注目されています。

たとえば、新卒採用では膨大な応募者全員を面接でき、これまで書類選考で落としていた潜在的に優秀な人材の発掘が可能です。中途採用では、AIによる客観的な評価が面接官に左右されない質の高い採用を実現し、入社後のミスマッチのリスクを減らします。

もちろんAI面接には「候補者の心理的負担」や「企業の魅力づけ機会の損失」といったデメリットも存在します。ですが、これらのデメリットは効率的なAI面接と、求職者の人間性を測る対人面接の組み合わせで解決可能です。

AI面接は単なる採用活動の効率化ツールにとどまらず、「より多くの求職者に機会を提供し、公平な評価で自社に最適な人材を獲得する」という新しい採用のあり方を実現します。評価の精度やカスタマイズ性、各ツールの機能や導入費用などを多角的に判断し、自社に最適なAI面接ツールを導入すれば、強力な採用プロセスを構築できるでしょう。


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