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採用DXとは?採用のDX化のメリット・デメリットを解説

#AI活用#DX推進#業務効率化

採用DXとはなにかを解説しています。採用活動をDX化するメリットやデメリット、実際の導入手順や成功企業を紹介。新卒採用や中途採用、アルバイト採用に役立つ採用DXツールも紹介していますので、参考にしてください。

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採用DXとは?

採用DXとは

採用DXとは、AIやデータ分析といったデジタル技術を採用活動に導入し、採用プロセス全体を根本から見直す取り組みのことを指します。採用DXは、単に紙の履歴書を電子化するような「採用のデジタル化」とは一線を画しています。

採用DXが目指すのは、データを活用した採用計画の立案や、AIによる候補者の能力分析など、より高度で戦略的な人材獲得です。採用活動そのものが企業価値を高め、持続的な成長へとつながる状態を理想としています。

そもそもDXとは?

DX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉は、総務省によって以下のように定義されています。

企業が外部エコシステム(顧客、市場)の劇的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること

引用:総務省|令和3年版 情報通信白書|デジタル・トランスフォーメーションの定義

つまり「デジタル技術でビジネスのあり方そのものを変え、競争力を高めること」を意味します。この考え方を採用活動の領域に応用したものが、採用DXです。

採用のDX化が進む背景

採用DXが進む背景

なぜ今、多くの企業で採用DX化が進んでいるのでしょうか。その背景には、企業を取り巻く環境の大きな変化が挙げられます。これら3つの要因について、一つずつ詳しく見ていきましょう。

採用DX化が進む理由

  • 採用競争の激化
  • 在宅ワークの普及
  • 国によるDX推進

採用競争の激化

少子高齢化が進む日本では、生産年齢人口が年々減少しています。そのため、採用市場は「企業が求職者を選ぶ時代」から「求職者が企業を選ぶ」時代へと大きく変化しました。

このような売り手市場においては、従来の採用手法だけでは自社が求める人材に出会うこと自体が難しくなっています。面接官個人の経験や勘に頼った属人的な選考は、評価基準のばらつきを生み、入社後のミスマッチや早期離職の一因になりかねません。

企業にとって厳しい採用状況を打開し、競争力を高めるためにも、客観的なデータに基づいた採用DXが不可欠となっています。

在宅ワークの普及

コロナ禍は、採用活動を見直す大きな転機となりました。対面での面接や説明会が困難になり、オンラインでの採用活動への移行が急速に進んだのです。多くの企業はデジタルツールを導入する中で、業務効率化のメリットを実感したことでしょう。

コロナ禍が収束に向かった現在も、オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッドな採用活動は、新しいスタンダードとして定着しつつあります。この一連の流れが、採用DXの必要性を企業に広く認識させるきっかけとなりました。

国によるDX推進

日本政府が社会全体のDXを強力に推進していることも、採用DX化を後押しする大きな要因です。経済産業省は「デジタルガバナンス・コード(※)」を策定し、企業がDXに取り組む上での指針を示しています。

このような社会全体の流れの中で、企業は単なる業務効率化にとどまらず、デジタル技術を活用して、より高度で戦略的な採用活動を設計する必要に迫られています。

(※)出典:デジタルガバナンス・コード (METI/経済産業省)

採用DXを導入するメリット

採用DXの導入メリット

採用DXの導入は、企業に多くのメリットをもたらします。主なメリットとしては、以下の5点が挙げられます。

採用DXの導入メリット

  • 業務を効率化できる
  • 採用コストを削減できる
  • 採用ミスマッチを減らせる
  • 採用活動のデータを蓄積できる
  • 候補者体験の向上につながる

業務を効率化できる

採用DXを導入すれば、これまで手作業で行なっていた応募者管理や書類選考、面接の日程調整といった定型業務の多くを自動化・効率化できます。採用担当者は煩雑な作業を行う必要がなくなり、求職者とのコミュニケーションや内定者のフォローといった、人でなければ難しい本質的な業務に集中できます。

採用業務のDX化により、採用業務全体の生産性の向上に貢献するでしょう。

採用コストを削減できる

採用DXは、採用活動にかかるコストの削減にも有効です。具体的にどのようなコストを削減できるのか、以下の表にまとめました。採用管理システムなどで費用対効果を可視化することで、無駄な支出を抑え、採用コスト全体の最適化が期待できます

削減できる費用 具体例
人件費 面接官の工数、日程調整などの工数
広告費 費用対効果の低い求人媒体の費用
その他の費用 交通費、会場費、書類の印刷・郵送費など

採用ミスマッチを減らせる

採用DXは、入社後のミスマッチを防ぎ、従業員の定着率を高めるうえでも効果的です。AIを活用した適性検査や面接ツールは、候補者の性格や潜在能力、価値観などを客観的に可視化します。

これまで、面接官の主観に偏りがちだった評価に、客観的なデータという新たな判断軸が加わり、より確度の高い採用活動が行えます。また、自社で活躍している社員のデータを分析し、共通する特性を把握することも可能です。

採用活動のデータを蓄積できる

採用DXツールを導入すると、応募者情報や選考プロセス、面接の評価といったデータが自然と蓄積されていきます。これらのデータの分析により、自社に最適な人材の特徴や効果的な採用チャネルなど、採用活動を改善するためのヒントが得られます。

採用DXにより、感覚や経験則に頼るのではなく、データに基づいた客観的な意思決定が可能になるのです。また、蓄積されたデータは入社後の人材育成や適切な人員配置にも活用でき、組織全体のパフォーマンス向上に貢献します。

求職者の体験向上につながる

採用DXは、求職者側にもメリットがあり、求職者の採用体験の向上に貢献します。たとえば、AI面接は場所や時間に縛られず、求職者の都合に合わせて選考に参加できる機会を提供します。

また、AIチャットボットによる問い合わせ対応や、迅速な選考結果の通知は、求職者が抱えるストレスを軽減します。ほかにも、スムーズで公正な選考プロセスは、企業のイメージアップにつながり、求職者の入社意欲を高める効果も期待できるのです。

採用DXを導入するデメリット

採用DXの導入デメリット

採用DXには、多くのメリットがある一方、導入時に注意すべき点も存在します。「こんなはずではなかった」と後悔しないために、以下のデメリットを事前に理解しておきましょう。

採用DXの導入デメリット

  • 導入コストがかかる
  • 定着までに時間がかかる

導入コストがかかる

採用DXツールの導入には、初期費用に加えて月額(年額)のランニングコストが発生します。とくに、多機能な採用管理システム(ATS)やAIを搭載したツールは、高額になる傾向があります。

ですが、これは短期的な支出に過ぎません。長期的な視点で見れば、業務効率化による人件費の削減や、採用ミスマッチの低減による離職コストの抑制など、コストを上回るリターンが期待できます単なる出費ではなく、投資として捉えることが重要です。

定着までに時間がかかる

新しいシステムを導入しても、すぐに効果が出るとは限りません。社員がツールの使い方に慣れ、業務プロセスが現場に定着するまでには、ある程度の時間が必要です。場合によっては、一時的に業務効率が低下する可能性も考えられます。

スムーズな導入を実現するためには、丁寧な説明会の実施やマニュアルの整備、導入後の継続的なフォローアップが欠かせません。

採用DXの導入事例

採用DXの導入企業事例

実際に採用DXを導入し、採用活動の変革に成功した企業の事例を2社紹介します。それぞれの企業が抱えていた課題と、採用DXによる解決策を詳しく見ていきましょう。

採用DXの成功事例

  • 新卒採用の事例:株式会社サイバーエージェント
  • 中途採用の事例:学校法人荒井学園

新卒採用の事例:株式会社サイバーエージェント

毎年、膨大な数のエントリーが集まる株式会社サイバーエージェントでは、限られたリソースの中でいかに選考枠を拡大するかが課題でした。そこで同社は、選考初期段階のグループディスカッションにAI搭載の録画・分析ツールを導入しました。

録画データをAIが解析し、応募者の発話量や内容といったコミュニケーションの特性を客観的に評価する仕組みを構築したのです。採用活動のDX化を行なった結果、データに基づいた公平かつ効率的な一次選考が実現し、一次選考枠を前年比で150%にまで拡大させることに成功しました。

出典:https://www.ailead.app/case/cyberagent

中途採用の事例:学校法人荒井学園

富山県に拠点を置く学校法人荒井学園は、地方という立地から、自力での教員採用活動に限界を感じていました。ホームページやハローワークといった限られたチャネルでは、求める人材に十分アプローチできていなかったのです。

そこで、全国の求職者に募集情報を届けられる採用ツールを導入した結果、地域の枠を超えて優秀な人材にアプローチできるようになりました。さらに、応募者の性格や行動特性を可視化する適性診断ツールも活用し、面接だけでは見えにくい人柄やポテンシャルも把握できるようになりました。採用DXを選考精度の向上と、入社後の適切な人材配置に役立てています。

出典:https://corp.miidas.jp/case/z_industry/616/

採用DXの導入手順

採用DXの導入手順

採用DXを成功に導くには、計画的に導入ステップを踏むことが重要です。以下の手順での導入がおすすめです。

導入手順

  1. 自社の採用課題を把握する
  2. 採用要件を明確にする
  3. 自社に合う採用DXツールを選定する

自社の採用課題を把握する

まず最初に行うべきは、自社の採用活動における課題の正確な把握です。企業が抱える課題は、以下のように多岐にわたります。

よくある採用課題

  • 応募者の情報管理に時間がかかりすぎている
  • 面接官によって評価基準にばらつきがある
  • そもそも求める人材からの応募が集まらない
  • 内定辞退率が高い

課題を具体的に洗い出すことで、解決のためにどのようなツールが必要なのかが見えてきます。同時に「選考にかかる時間を◯%削減する」といった具体的な数値目標(KPI)を設定しておきましょう。

採用要件を明確にする

次に、どのような人材を求めているのかの採用要件を具体的に定義します。どれほど優れたツールを導入しても、採用要件があいまいなままでは、理想の人材を見つけることはできません

スキルや経験といった目に見える条件だけでなく、企業の文化や価値観に合うかといった内面的な要素まで言語化することが重要です。採用要件が明確になると、求人票の訴求内容や面接での評価基準に一貫性が生まれ、採用活動全体のブレがなくなります。

自社に合う採用DXツールを選定する

採用課題と求める人材像が明確になったら、いよいよ自社に最適な採用DXツールの選定に入ります。一口に採用DXツールといっても、応募者管理に特化したものから、AIによる面接分析機能を備えたものまで、その種類はさまざまです。

自社の課題解決に本当に必要な機能は何か、そして既存の採用プロセスにスムーズに組み込めるか、といった観点で慎重に検討しましょう。また、導入・運用コストが予算に見合っているか提供元のサポート体制は充実しているか、といった点も重要な判断基準になります。

採用DXツールおすすめ5選

ここでは、採用DXにおける代表的なツールを5つ紹介します。

採用DXツール

  • Our AI面接(面接)
  • ジョブカン採用管理(採用管理システム)
  • PRaiO(書類選考)
  • ミキワメ(適性検査)
  • engage(母集団形成)

Our AI面接(面接)

Our AI面接のサービスページ

出典:Our AI面接|日本初のアバター型AI面接ツール・DXサービス

採用活動の中でもとくに重要な「面接」は、多くの企業で課題を抱えやすい採用工程です。『Our AI面接』はAI技術を駆使して、これまでの面接のプロセスそのものを変革します

求職者は時間や場所に縛られることなく面接を受けられるため、面接日程の調整負担がなくなります。また、AIが複数の求職者の面接を同時に行うため書類選考不要の全員面接が可能です。またドタキャンの心配もなくなります

「Our AI面接」のサービスページ

ジョブカン採用管理(採用管理システム)

ジョブカン採用管理のサービスページ

出典:採用の新定番「ジョブカン採用管理」

『ジョブカン採用管理』は、煩雑になりがちな採用業務を一元管理し、効率を上げるためのシステムです。複数の求人媒体からの応募者情報や選考の進捗状況、メールのやり取りまで、あらゆる情報を一つのプラットフォームで管理できます。

また、自社の採用サイトを簡単に作成できる機能も備わっており、企業の魅力を効果的に発信する手助けもしてくれます。手作業で行っていた多くの業務を自動化することで、採用担当者はより戦略的な活動に時間を使えるようになります。

PRaiO(書類選考)

PRaiOのサービスページ

出典:書類選考AIツール「プライオ」

応募者が多ければ多いほど、書類選考にかかる時間は膨大になります。『PRaiO』は、AIを活用してその負担を大幅に軽減するツールです。

過去の選考データをAIに学習させることで、自社独自の評価基準を構築し、求める人材像にマッチする候補者を効率的に見つけ出します。エントリーシートをアップロードすれば、AIが最短5分で評価を完了させます。有望な候補者への迅速なアプローチが可能となり、内定承諾率の向上にも寄与するでしょう。文章の盗用を検知する機能もあり、選考の公平性を担保する上でも役立ちます。

ミキワメ(適性検査)

ミキワメ適性検査のサービスページ

出典:【公式】ミキワメ 適性検査

採用におけるミスマッチは、早期離職の大きな原因となります。『ミキワメ』は、候補者の性格や価値観を分析し、自社の社風に合う人材かを見極めるための適性検査ツールです。

『ミキワメ』の特徴は、既存の社員にも検査を受けてもらい、自社で活躍している人材の傾向をデータとして可視化する点にあります。そのうえで候補者の結果と照らし合わせるため、勘や経験に頼らない、客観的な基準で相性を判断することが可能です。入社後の定着と活躍を促す、精度の高い採用を実現します。

engage(母集団形成)

engageのサービスページ

出典:engage|求人掲載から採用まで。無料で使える採用支援ツール

採用活動の第一歩は、まず自社に興味を持ってくれる候補者を集める「母集団形成」です。『engage』は、この母集団形成を強力にサポートするツールです。

『engage』の最大の魅力は、求人掲載数や期間に制限なく、無料で利用できる点でしょう。複数の大手求人検索エンジンとも自動で連携するため、少ない労力で多くの求職者に情報を届けられます。採用サイトの作成や応募者管理といった機能も備わっており、コストを抑えながら採用の入り口を大きく広げたい企業にとって、非常に心強い存在です。

採用DXで人材獲得競争を勝ち抜こう

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採用DXは、単なる業務効率化ツールではありません。採用ミスマッチの低減、データに基づいた戦略的な採用活動、そして候補者体験の向上など、企業に多くの価値をもたらす経営戦略の一つです。

導入を成功させるには、まず自社の課題と求める人材像を明確にすることが不可欠です。そのうえで、課題解決に直結する最適なツールを選び、長期的な視点で運用していくことが成功のカギとなります。「コストがかかる」「定着に時間がかかる」といった側面もありますが、これらは成長に向けた投資と捉えるべきでしょう。

激化する人材獲得競争を勝ち抜くため、今こそ採用DXを推進し、企業の未来を担う優秀な人材の獲得を目指しましょう


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