ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違いや運用ポイント紹介
ディスプレイ広告とは
この記事を読みための時間:8分
「ディスプレイ広告」とは何か、なんとなくイメージはできるけれど、説明してと言われるとできない…という方は多いのではないでしょうか?
ディスプレイ広告とは、「Webサイトやアプリの広告枠に表示される広告全て」を指す言葉です。テキスト広告、画像広告、動画広告、そして、それらを組み合わせた形のものなど様々あります。ディスプレイ広告をうまく活用できれば、新規顧客開拓や認知拡大をスムーズに行いうことができます。それによりユーザーを増やすことができるため、ブランディングや売上げアップも目指せるでしょう。
今回は、ディスプレイ広告について詳しく解説していきます。意味が混同しがちな「リスティング広告」との違いや運用のポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ディスプレイ広告はどこに表示される?
ディスプレイ広告は、以下のような場所に表示されます。
- Webサイト
- アプリ
- SNS
- 動画配信サイト
Webサイトは、企業の公式サイトやECサイトから、ニュースサイトなどの情報サイト、個人ブログまであらゆるサイトに表示されます。アプリも同様で、ニュースアプリ、ゲームアプリ、チャットアプリなど様々。画面の上部などに表示されるものだけでなく、画面が切り替わる際の全画面広告もディスプレイ広告に当てはまります。
ディスプレイ広告とリスティング広告の違い
ディスプレイ広告は、リスティング広告とよく間違えられます。「リスティング広告」はインターネット広告のひとつで「検索連動型広告」と呼ばれるものです。検索エンジンでキーワード検索に応じて表示された検索結果ページの、上・下部や右側に掲載されます。
SEOと並んで「SEM(検索エンジンマーケティング)」にカテゴリされますが、コンテンツの内容で検索結果上位表示を狙うSEOと違い、課金して「広告」と明記した上で上位表示させるのがリスティング広告。SEMは、自分から検索して情報を求めている顕在層に対して訴求できるのが特徴です。
一方ディスプレイ広告は、検索キーワードに応じた表示ではなく、カテゴリやユーザー層などのターゲティングによって掲載先が決まります。まだ課題に気が付いていない潜在層にまで訴求できるのが特徴です。
ディスプレイ広告の料金体系と費用相場
ディスプレイ広告の料金体系は、ユーザーが広告をクリックしたタイミングで費用が発生する「クリック課金方式(PPC)」が主流です。
一部では、広告が表示された(ユーザーの目に入った)タイミングで費用が発生する「インプレッション課金方式」や、成果発生のタイミングで費用が発生する「コンバージョン課金」も採用されています。
ディスプレイ広告の費用相場は1クリックあたり10円~が目安だと言われることが多いですが、掲載サイトや商材、サイズなどによって異なり、その金額の幅は大きいです。
画像広告よりもテキスト広告の方が単価は低くなります。また、リスティング広告のクリック単価が15円~と言われているので、費用だけ見るとリスティング広告よりも安いと言えるでしょう。
ディスプレイ広告のメリット・デメリット
ディスプレイ広告には様々なメリットがありますが、同時にデメリットもあります。両方を理解して運用を始めることが重要です。
ディスプレイ広告のメリット
- アプローチ出来るターゲット層が広い
- 様々な表現方法が可能
- 認知拡大も狙える
- ターゲティング方法が豊富
ディスプレイ広告は、テキスト・画像・動画などを組み合わせ、Web上の様々な場所に掲載可能です。非常に幅広い表現で、幅広いターゲット層にアプローチできます。ターゲティングの方法も豊富です。
ディスプレイ広告のデメリット
- コンバージョンに繋がりにくいことがある
- クリエイティブの問題点を見極めるのが難しい
アプローチが潜在層にまで及ぶので、サイトを訪問するユーザーは多いもののコンバージョンに繋がりにくい場合があります。
また、様々な要素を組み合わせて広告を作成すると問題点の分析も難しくなってしまいます。例えば、テキストだけの広告に比べて「テキスト+画像」の広告は課題を見極める難易度が上がるでしょう。
ディスプレイ広告の種類
ディスプレイ広告にはどのようなものがあるのか、もっと詳しく知りたい方が多いのではないでしょうか?ここからはディスプレイ広告の種類を「ネットワーク別」「フォーマット別」「セグメント / ターゲティング方法別」に分けて紹介します。
ネットワーク別
ディスプレイ広告の配信は、以下の2大アドネットワークが主流です。アドネットワークとは、様々なWebサイトやアプリを束ね、広告をまとめて配信できる仕組みのことです。
- Googleディスプレイネットワーク(GDN)
- Yahoo!広告(旧:YDN)
それぞれでフォーマットの形式やサイズ・配信先・ターゲティング方法などが異なります。
Googleディスプレイネットワーク(GDN)
Googleが提供する、世界最大規模のアドネットワークです。Google Adwordsで出稿ができ、広告はGoogleの提携サイトに表示されます。Gmailや食べログ、Ameba、個人ブログまで、200万以上のWebサイトと65万種類以上のアプリに配信可能です。
YouTube動画広告もGDNから配信されています。YouTube に広告を掲載すると何億人ものユーザーにリーチすることが可能です。
Yahoo!広告(旧:YDN)
Yahoo!が提供するアドネットワークです。国内最大級のポータルメディアであるYahoo!JAPAN、Yahoo!ニュースやヤフオクなどの自社サイトをはじめ、All About、NAVERなどの人気メディアと提携しています。配信は法人メディアのみに限られますが、ターゲティング配信による大手メディア掲載も可能です。
フォーマット別
どのアドネットワークから配信するかなどによってフォーマット(仕様)も異なりますが、主流なものは以下の4種類です。
- テキスト広告
- バナー広告
- 動画広告
- レスポンシブ広告
ここからは、それぞれどのようなものか紹介します。
テキスト広告
テキストのみで、画像を使用しない広告です。見出し・URL・広告文などを入力するだけで簡単に広告を作ることができるのが魅力。画像がないので目立ちにくく、ユーザーに視覚的・聴覚的に訴求はできませんが、広告と気付かれにくいためバナー広告よりもクリック率は高いです。
状況に応じて内容が自動的に変更される「動的テキスト広告」や、この後に出てくる「レスポンシブ広告」として配信することもできます。
バナー広告
バナー広告とは、Webサイトなどに掲載してユーザーをLPページへ誘導する画像広告です。画像やイラスト、アニメーションなどと文字を使用されることが多く、視覚的に訴求できるのが魅力です。
テキスト広告に比べてクリック率は下がりますが、クリックされなくても認知されたりブランドを印象付けたりする力を持っています。バナー広告も「レスポンシブ広告」として配信可能です。
動画広告
動画を使用する広告は、ストーリーやイラストとテキストによる視覚的訴求、音楽や音声などによる聴覚的訴求を組み合わせることができます。うまく利用すれば、ブランドや商品の認知拡大に効果的でしょう。
動画コンテンツとの親和性が高いため、Webサイトやアプリの広告枠だけでなくYouTubeやSNSなどの動画が流れることに違和感のないメディアに向いています。
動画広告はレスポンシブ広告として配信するのは難しいですが、動画の周囲に配置するテキストやバナー広告は「レスポンシブ広告」にすることも可能です。
レスポンシブ広告
レスポンシブ広告とは、「掲載メディアそれぞれの広告枠に合わせて広告のサイズや表示形式を自動で調節して配信される広告」のことです。GDNやYDNが提供しており、必要なアセット(要素)を入稿すると自動で構成してくれます。
各掲載先のサイズやフォーマットにに合わせた広告を作る必要がないため大幅に手間が省け、認知拡大がスムーズに進められます。
セグメント / ターゲティング方法別
ディスプレイ広告には、以下のようなセグメント / ターゲティング方法が用意されています。実際はGoogleとYahoo!で少々異なりますが、今回はわかりやすいよう平均的な分類方法でまとめてみました。
- キーワード(サーチターゲティング)
- トピック
- プレースメント
- インタレストカテゴリ
- ユーザー属性
- リマーケティング
それぞれどのようなターゲティング方法なのか紹介します。
キーワード
設定したキーワードに関連するサイトや、ユーザーの過去の検索履歴をもとに広告を表示させるターゲティング方式です。
Googleでは「コンテンツターゲティング」と呼ばれ、登録したキーワードに関連するGoogle提携のウェブサイトに広告を表示することで、そのキーワードで検索してサイトにたどり着く見込み客に届きやすくします。
Yahoo!では「サーチターゲティング」と呼ばれ、ユーザーの過去の検索履歴をもとに広告を表示することができます。何回検索したユーザーに表示するか、何日前に検索したユーザーに届けるか、なども設定可能です。
トピック
あらかじめ媒体側で設定したカテゴリで配信先を決定する方式です。Googleでは「トピックターゲティング」、Yahoo!では「サイトカテゴリー」と呼ばれます。
アート、エンターテインメント / インターネット、通信 / オンラインコミュニティ / ゲーム / コンピュータ、電化製品 / ショッピング
など、それぞれに様々なトピック(カテゴリ)があります。
プレースメント
指定したサイトや特定の広告枠に配信する方式です。GDAでは「プレースメントターゲティング」、Yahoo!広告では「プレイスメントターゲティング」と表記されます。人気の出そうなサイトの広告枠や人気アプリの広告枠など、ピンポイントに広告を表示したい場所がある時におすすめです。
インタレスト
ユーザーの興味関心にあわせて広告を表示させる方式です。GDAでは「アフィニティカテゴリ」や「インテント」、Yahoo!広告では「インタレストカテゴリー」と表記されます。
- 「アフィニティカテゴリ」:ライフスタイル、趣味、習慣などから、特定のトピックに興味関心の高いユーザーに訴求
- 「インテント」:積極的に商品やサービスを比較検討している購買意欲の強いユーザー層に訴求
- 「インタレストカテゴリー」:設定したカテゴリーに潜在的に興味関心があるインターネットユーザーに訴求
「トピック」との大きな違いは、「トピック」のターゲティングの対象が掲載サイトであるのに対し、「インタレスト」の対象はユーザーであることです。
ユーザー属性
年齢・性別によるユーザーの属性情報を元に広告を表示する方式です。性別は18~24歳、25~34歳など、いくつもの区分に分類されています。また、Googleでは「子供の有無(子供の年齢区分あり)」「配偶者の有無」「教育」などの情報もターゲティングに活用でき、より詳細なユーザー属性を得ることができます。
リマーケティング
過去に自社サイトに訪れた履歴があるユーザーに広告を表示するのが、リマーケティングです。一度自社商品・サービスに触れているため、うまく活用すれば興味関心のあるユーザーに届けられます。「リターゲティング」とほとんど同じ意味で、どちらも日本語では「追従型広告」です。
ディスプレイ広告運用の4つのポイント
最後に、ディスプレイ広告を運用する際に押さえておきたい、以下の4つのポイントを紹介します。
- 配信の目的を明確にする
- 見た目を最適化する
- ランディングページを最適化する
- ターゲットごとにKPIを分ける
【1】配信の目的を明確にする
ディスプレイ広告は幅広いWebサイトに掲載し、多くのユーザーに届けられる広告であるため、配信の目的を明確にしておくことが大切です。
目的が認知拡大なのか、ブランディングなのか、それともCV数獲得なのか目的によって最適な配信場所やフォーマットなどが変わってきます。目的という軸がブレてしまうと目指す方向がわからず、改善も正しく行えません。
【2】見た目を最適化する
ディスプレイ広告を構成するオプションは画像やロゴ、テキスト、カラーなど数多くありますが、見た目を最適化することは重要です。様々なパターンでA/Bテストと改善を繰り返し、効果的なデザインのクリエイティブを見つけましょう。
【3】ランディングページを最適化する
ディスプレイ広告を配信する際は、広告自体のデザインだけでなく、ランディングページとの関連性の高さも重要です。スムーズにコンバージョン率をアップするには、広告をクリックしてウェブサイトにアクセスしたユーザーに違和感なく行動してもらう必要があります。
【4】ターゲットごとにKPIを分ける
様々な施策やターゲティングを同時運用することの多いディスプレイ広告では、狙ったターゲットごとにKPIを分けて効果測定をしていく必要があります。
特に見込みの高い「顕在層」はCVRが高くなる傾向に、と新規顧客となる可能性がある「潜在層」はCPAが高くなる傾向があります。これらをまとめてしまうと正しい効果測定ができず、より良い広告へ近付いていくことができません。
まとめ
ディスプレイ広告について詳しく解説しました。ディスプレイ広告とは「Webサイトやアプリの広告枠に表示される全ての広告」であることや、リスティング広告との違い、種類などを理解いただけたでしょうか。ディスプレイ広告は、幅広い層に届けることができ、認知拡大を目指せるのが大きなメリットです。コンバージョン率の高いリスティング広告などと組み合わせながら、活用してみてください。
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