ダイナミックディスプレイ広告(動的ディスプレイ広告)とは?

 

ダイナミックディスプレイ広告(動的ディスプレイ広告)とは?

この記事を読むための時間:5分

最近よく耳にする、「ダイナミックディスプレイ広告」もしくは「動的ディスプレイ広告」という言葉。どういうものなのか、きちんと理解できていない方が多いのではないでしょうか?

ダイナミックディスプレイ広告(動的ディスプレイ広告)とは、いわゆるパーソナライズリターゲティング広告のことで、Webサイトを訪れたユーザーの行動履歴を基に各ユーザーの興味関心に合わせた内容の広告を動的に配信する広告掲載方式です。

広告主はダイナミックディスプレイ広告(動的ディスプレイ広告)を活用することで、より多くの情報を効率良くユーザーに届けることができます。今回はそんなダイナミックディスプレイ広告(動的ディスプレイ広告)について、仕組みやメリットなどを解説していきます。

ダイナミックディスプレイ広告(動的ディスプレイ広告)の仕組み

ダイナミックディスプレイ広告(動的ディスプレイ広告)は難しいと感じがちですが、仕組みは意外とシンプル。基本的な流れは以下の通りです。

  1. 広告主のサイトに「サイトリターゲティングタグ」を設置し、タグから訪問ユーザーの行動履歴を取得する
  2. 同時に、広告主のデータフィード(商品リスト)を広告サービス側に提供する
  3. タグから取得した行動履歴と、データフィードの情報を照らし合わせ、自動でおすすめの情報を選定する
  4. パーソナライズされた広告クリエイティブを生成し、表示する

つまり、広告主が自社サイトに設置したタグからユーザーの興味関心を分析し、一人ひとりに合ったおすすめの情報をデータフィード(商品リスト)から選んでリアルタイムに表示してくれるということです。

代表的なダイナミックディスプレイ広告サービス

ダイナミックディスプレイ広告(動的ディスプレイ広告)は、各広告サービスの提携サイトから、様々なiOS・Androidアプリの広告枠などまで、Web上の様々な場所に配信されています。

そんな動的に生成される広告を提供している企業はGoogle広告とYahoo!広告意外にもあります。特に知られているダイナミックディスプレイ広告サービスを紹介します。

Google広告 – 動的リマーケティング

Google広告の動的リマーケティングは、サイトの閲覧履歴に基づいて関連性の高い商品やサービスを媒体側で自動的に判断して配信する広告掲載方式です。Googleの関連サイトや提携サイトに配信されます。

Yahoo!広告 – 動的ディスプレイ広告

2019年にリリースされた、比較的新しいサービスです。提携サイトの他、Yahoo!JAPANのトップページやYahoo!ニュース、Yahoo!天気、Yahoo!路線情報などのYahoo!主要コンテンツの広告枠にも配信しています。

Criteo – ダイナミックリターゲティング広告

Criteoのダイナミックリターゲティング広告は、ダイナミック広告の代名詞的存在です。高度な機械学習技術により、関連性の高い広告をリアルタイムで表示します。世界中に何千もの配信先を持っており、Yahoo!ディスプレイネットワークにも配信可能です。

LINE広告 – LINE Dynamic Ads

LINEが提供しているダイナミックディスプレイ広告です。LINEスマートフォンアプリ内のタイムライン面やNews記事面に、ユーザーが興味のありそうな広告を表示します。8,400万人を超える圧倒的ユーザー数(LINE利用者数)が強みです。

ダイナミックディスプレイ広告(動的ディスプレイ広告)が向いている業種

ダイナミックディスプレイ広告(動的ディスプレイ広告)は、以下の業種に向いていると言われています。

  • 小売(ECサイト)
  • ホテル
  • 賃貸物件・不動産
  • 教育
  • 求人
  • フライト
  • 旅行
  • 地域限定サービス

ダイナミックディスプレイ広告は、商品が多い業種が向いています。またその中でも、類似商品では購入されないような、ユーザーがこだわって決める傾向にある商品・サービスの方が向いているでしょう。

例えば、洋服は希望に似たデザインでも購入するユーザーが多いですが、求人は「給与・勤務地・業務内容」などがきちんと当てはまらないと決定されません。ダイナミックディスプレイ広告は、そういったユーザーの検索内容と商品を照らし合わせて最適なおすすめを表示できるのです。

ダイナミックディスプレイ広告(動的ディスプレイ広告)のメリット

ダイナミックディスプレイ広告(動的ディスプレイ広告)には様々なメリットがあります。メリットを活かして効果的に運用しましょう。

コンバージョン獲得効率向上

各ユーザーに合わせた広告をタイムリーに配信することで、コンバージョン獲得効率の向上に繋がります。

Yahoo!は、リリースを開始する前に100社以上の広告主による協力のもと効果検証を実施した結果、通常のリターゲティング広告と比較して、クリック率はPCで約5倍・スマートフォンで約2倍、コンバージョン率はPCで約4倍・スマートフォンで約2倍と、高い効果が得られたと発表しています。

出典:https://yahoojp-marketing.tumblr.com/post/182794339278/20190214

ターゲットとのマッチング精度が高い

従来のリマーケティングでは、どのページを閲覧したか、どこから訪問してきたかなどのあらゆるユーザー情報から、興味関心やニーズに合った広告を表示し、ランディングページへ誘導するのが基本でした。

ダイナミックディスプレイ広告はユーザーが過去に閲覧した商品を表示するだけではなく、サイト内の行動履歴から導き出した親和性の高い商品をデータから引き出して紹介できるため、購買意欲を高める新しい商品との出会いを提供できます。

デザイン面でも最適化が可能

ダイナミックディスプレイ広告(動的ディスプレイ広告)では、掲載面にマッチする最適な広告デザインが自動的に選ばれます。なおかつユーザーの興味関心に沿った内容であるため、ユーザーに自然に気づいてもらいやすいです。掲載面のメインコンテンツに溶け込みつつ気付いてもらいやすいデザインというのは作るのがなかなか難しいものです。

広告効果を高める3つのポイント

ダイナミックディスプレイ広告(動的ディスプレイ広告)の広告効果を高めるために、以下の3つのポイントを紹介します。

  • 適切なタグの設置
  • 最適なオーディエンス設定
  • 魅力が伝わるクリエイティブを作成する

適切なタグの設置

ダイナミックディスプレイ広告では、広告主が自社サイトの「カスタムパラメータを設定したタグ」を設置してユーザー情報を取得します。このタグの設置が適切でないと情報がうまく取得できず、最適な広告表示ができません。必須ページだけでなく、推奨ページにもタグを設置することをおすすめします。

最適なオーディエンス設定

ダイナミックディスプレイ広告は、サービスによっては「商品詳細ページを離脱して何日目のユーザーに表示する」「カートページを離脱して何日目のユーザーに表示する」など、どんなユーザーに広告を表示するかを1日単位で設定できる場合があります。

自社商品の検討期間を考慮して適切なオーディエンス設定を行うことで効果的に広告を表示できますが、ズレてしまうと成果につながりません。自社商品にあったオーディエンス設定を見つけることで、ダイナミックディスプレイ広告の効果を最大限に引き出せるでしょう。

魅力が伝わるクリエイティブを作成する

表示される広告のレイアウトや商品、ベースカラーなどは自動生成されますが、商品写真・タイトル・商品説明・評価・割引率などの一部の要素は登録したデータフィードから反映されます。ユーザーの印象を左右する要素ですので、しっかりと魅力が伝わる写真やタイトルを登録しておきましょう。

ダイナミックディスプレイ広告の成功事例

最後に、海外のダイナミックディスプレイ広告の成功事例を紹介します。

Netshoes

スポーツ用品やスポーツアパレルを販売する小売業者の「Netshoes」は、Googleの動的リマーケティングを導入し、クリスマスシーズン中の総収益が30〜40%増加、クリック率とROIが2倍に、コンバージョン数が61%増加しました。

出典:https://www.thinkwithgoogle.com

Remix

‎リサイクルショップの「Remix Second Hand & Outlet」はCriteoのダイナミックリターゲティング広告を導入し、新規注文の15%がCriteoを直接起因とするユーザーとなるなど、高い成果を得ました。

出典:https://www.criteo.com/jp

まとめ

通常のリターゲティング(リマーケティング)広告よりも精度の高いターゲティングが可能な、ダイナミックディスプレイ広告(動的ディスプレイ広告)について紹介しました。一見複雑に感じられますが、理解できれば単純な仕組みです。リターゲティングに力を入れたい方はぜひ取り入れてみてください。

関連記事Related article