質問をするコツ【良い質問をする6つのメリット】
良い質問することでコミュニケーションが円滑に!
「良い質問だね!」
って言われると嬉しいですよね!自分の疑問は間違っていなかったんだと思えて、自信がつきますよね。
一方で、
「もう少しマシな質問ないの?」
と質問に質問で返されると落ち込むこともあるんじゃないでしょうか。
質問は諸刃の剣で、時には人を傷つけることもあります。しかし、良い質問をすることでビジネスを有利に進められたり、相手との関係を深められたりします。
今回は質問のメリットと良い質問をするコツについて『人を動かす質問力』(谷原誠著、角川oneテーマ21)の情報をもとに紹介したいと思います。
質問のメリット&コツ①情報を得られる
言わずもがなですが、分からないことがあるので質問するのがスタンダードではないでしょうか。質問し、相手に答えてもらうことで、それまで知らなかった情報を得られます。情報収集としてネットも便利ですが、やはり一番身近な方法は質問だと思います。信頼できる人に聞くことで、信憑性の高い情報に出会えるでしょう。
谷原氏は質問は大きく分けて2パターンあると語っています。オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンです。
オープンクエスチョン
「今日の仕事どうだった?」のように、相手に自由に考えてもらい、自由に答えてもらう質問です。自分で答えを予想できない場合や、とにかく自由な意見が欲しい場合に使います。また、相手に方向付けをしてもらいたい場合や、考えてみて欲しい場合にも有効です。
クローズドクエスチョン
「今日の仕事はかどった?」のように、答えが限定されている質問です。求めている答えがあらかじめあり、余計な話をして欲しくない場合や、シンプルにイエスかノーかだけを知りたい場合に役立ちます。
質問する目的によりオープンクエスチョン、クローズドクエスチョンを使い分けることが重要なのだそうです。
その上で情報収集のためには5W1Hに気をつけると良いです。
◆5W1H◆
what(何を)
who(誰が)
when(いつ)
where(どこで)
why(なぜ)
how(どうやって)
学生時代、英語の授業でよく聞いたフレーズだと思いますが、これこそが情報収集の基本です。自分がどんな情報を求めているのか把握したい時は、この5W1Hに当てはめてみることをおすすめします。
質問のメリット&コツ②心の距離を縮められる
質問をすることで「私(の話)に興味を持ってくれてる」と感じてもらうことができます。質問により「あなたの話をもっと聞きたい」「ぜひ一緒に考えたい」という意思表示が可能です。
谷原氏は心の距離を縮めたいなら、犬を真似ることを推奨しています。賢い犬は飼い主が帰ってくるとしっぽを振って出迎えてくれますし、餌をあげると素直に喜びます。そんな犬が好きだという方は、少なくとも猫好きと同じくらいの割合でいるのではないでしょうか。なぜ犬が好かれるかと言えば、ズバリ「好意を持っているから」だと谷原氏は言います。自分が好意を持って接していれば、相手も好意を持ち、距離を縮めることができるのです。
そんな時に質問はとても役立ちます。コツはとにかく相手のフィールドに立って質問をすることです。相手の自信がある分野、関心の高い話題、嬉しくなる出来事について、さらに掘り下げて聞く姿勢が大切です。
また、質問する態度も重要なポイントです。相槌を打ったり、相手の言葉を反すうしたり、あえて言い換えて確認したりすると、好印象を与えることができます。
質問のメリット&コツ③相手のやる気を起こさせる
マネジメントにおいても、良い上司は良い質問をします。
私たちはどういう時にやる気になるでしょう? 多くの人はその行動が自分にとって良いと思う時、やる気を起こすのではないかと思います。
谷原氏は「自尊心を満足させる時」と「自尊心が傷つくのを回避する」時だと分析しています。
自尊心を満足させる
人に賞賛される、名誉を与えられる、お金持ちになれる、愛してもらえるといったことです。
自尊心が傷つくのを回避する
自分の評価が下がってしまう、嘘がバレる、自分で自分が肯定できなくなるなどです。
質問を通じて相手のやる気を起こさせる時もこの2つを利用することが大切です。
コツはまず感情に訴え、その後理性に働きかけることです。相手に望んでいる行動を取ってもらいたい場合、今、相手の思考がどうなっているのかを計算し、質問を感情→理性の順で投げかけましょう。オープンクエスチョンのようでありながら、思考や興味が高まる状況を作っておき、答えを誘導するのがポイントです。
質問のメリット&コツ④成長を促せる
部下に指示をしてその通り行動させていては、いつまでたっても成長できません。
質問を通して考えさせ、気づかせ、自ら選択して行動させることが大切です。
谷原氏は部下の成長を促す質問をするポイントは次の3つだと語っています。
(1)相手を肯定する
人はたとえ第三者には理解できない行動だとしても、何らかの考えがあって行っています。
自尊心がありますので、否定されるとやる気がなくなります。
まずはその行動を肯定するのが出発点です。
(2)相手の立場に立ち、一緒に望む結果になるよう考える
相手に関心を持っていることを示して心の距離を縮め、自尊心を満たす(あるいは自尊心が傷つくのを回避する)方法を一緒に考えます。
(3)相手の答えを出させる
押し付けられた意見はモチベーションが下がりますし、自分で考えないため今後に繋がりません。
相手が自分で答えを出すことが大切です。この時に注意が必要なのは、あくまでオープンクエスチョンを用いることです。クローズドクエスチョンでこちらの意向が見えてしまうと、それはやはり押し付けになってしまいますので気をつけましょう。
また、ネガティブワードを全てポジティブワードに言い換えて質問することも重要だと谷原氏は言います。
最たる例は「できない」→「できる」です。
「どうして出来ないんだ」と言われると自尊心が傷つきますが、「どうしたら出来そう?」と投げかけると、自然と解決策を考えられます。
質問のメリット&コツ⑤ディベート・論戦を有利に進められる
相手を論破しなければならない状況においても、質問は武器になります。
一般的に論戦の勝敗が決まるのは以下の3パターンだと言われています。
・負けを認めた場合
・論理矛盾に陥って、論理が破綻した場合
・何も言えなくなった場合
論戦において自分の主張ばかりを展開すると、相手は反論材料をいくらでも見つけてしまいます。一方で質問を投げかけると、それに答える必要があるため、自分のペースで主張を展開しづらくなります。また、質問自体は「主張」ではありませんので、そもそも相手は反論のしようがないのです。相手の論理の破綻を見つけて質問をすることが論戦に勝つコツだと谷原氏は言います。
その上で、弁護士である著者がよく使う論法が「そもそも…?」「ところで…?」「だとするならば…?」なのだそうです。
「そもそも」で前提となる価値観を打ち出し、「ところで」で判断基準を示し、「だとするならば」でこちらに有利な当てはめを行うというやり方です。
質問のメリット&コツ⑥自分を変えられる
自問自答の効果はすごい!
成功者はたいがい目標を設定し、行動を起こし、成功するまでやり抜いています。
そんなの当たり前だと言われるかもしれませんが、これを実現するには自分の感情と行動をコントロールする必要があり、それには自分に対する質問が有効だと谷原氏は語ります。
まずは5Wの質問で目標を明確にしましょう。目標には必ず犠牲が伴うため、目標と犠牲どちらを優先するかというクローズドクエスチョンも忘れてはいけません。
目標が定まったら1H、つまり「どうやるか」です。具体的な行動に落とし込んで考えることが実現の近道です。失敗しても「どうすれば上手くいくか」という質問を自分に投げかけ続けましょう。
また、フィードバックを行う際には次の質問が有効だと言います。
(1)よくできた点は何か。
(2)それはなぜうまくいったのか。
(3)今後も続けた方がよいことは何か。
(4)うまくいかなかった点は何か。
(5)それはなぜうまくいかなかったのか。
(6)今後やめた方がよいことは何か。
(7)今後改善すべき点はどこか。
続いて、避けたほうが良い相手の思考を奪うNG質問を紹介します。
NG質問~これだけは避けたほうが良い!
【1】ネガティブクエスチョン
「なんで出来ないの?」といった相手の否定を前提とした質問です。
こういった質問は、反省することに終始しがちで、やる気が削がれ、本来望んでいる解決策を考えて行動することには繋がりにくいです。
【2】ノーアンサークエスチョン
答えを求めるのが質問ですが、中には答えを求めていない質問もあります。例えば「何回ミスしたら気が済むの?」といった質問です。これは質問の形を取っていますが、実は「何回もミスをするな」と言っているだけです。謝罪を受けて溜飲を下げるという、いわば質問者の自己満足でしかないと言えます。
【3】即否定
質問しておいて、答えるとすぐに否定するパターンです。これも結局は自己満足です。質問に答えてくれた相手への敬意を忘れてはなりません。
【4】自分で答える
相手に質問したのに、答える前に自分で答えてしまうのは感じが悪いです。当然心の距離は遠ざかり、信頼関係はズタボロ。本当に答えて欲しい質問をしても「どうせ自分で答えるんでしょ」と思われ、口をつぐんでしまいます。
いくら答えるのが遅くても、待ち続けるのが質問者のマナーです。
【5】誤導質問
浮気はしていないと言っているにも関わらず、「浮気するようになって長いの?」と質問する行為を指します。「はい」と答えても、「いいえ」と答えても浮気自体は認めたことになるため、事実を歪めるミスリードだと言われています。特に警察や司法の場では禁止されています。
悪用しようとすればいくらでもできてしまう、恐ろしい質問です。
まとめ
今回は質問のメリットと良い質問をするコツをお伝えしました。
相手を否定せず、行動を促す質問をすることが大原則です。
ビジネスシーンや普段のコミュニケーションで参考にしていただけますと幸いです。
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