ネームサーバー(DNSサーバ / Domain Name System)とは?
この記事を読むための時間:5分
あなたはネームサーバーやDNSサーバーという言葉を知っていますか?
WEBサイトを運用している人であれば、ドメイン管理業者やレンタルサーバー業者のサイトで見かけたことがあるかもしれません。しかし、実際にネームサーバーがどんな役割をしていて、なぜ設定が必要なのということまで知っている人はあまり多くないかもしれません。
ネームサーバーはインターネット通信で重要な役割を担っていて、ネームサーバーがないとWEBサイトを閲覧したりメールを送受信したりすることができません。
この記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
ネームサーバーとは
ネームサーバー(DNSサーバ、英: Domain Name System)とは、インターネット通信時に、「IPアドレス」と「ドメイン名」を結びつける役割を担っているサーバーのことです。
以下で解説していきます。
IPアドレスとは
インターネット上のコンピューターやサーバーには、それぞれ固有のIPアドレスが割り振られています。私たちがインターネットで個別のコンピューターを識別し、接続するときには、このIPアドレスを住所代わりに使っています。
このIPアドレスは、コンピューターが理解しやすいように数字の羅列で構成されています。
しかし、このままでは人間にとって理解するのが困難です。インターネット通信のたびに、アクセスしたいWEBページのIPアドレスを全て覚えておくのは大変です。
そこで、人間が理解しやすくなるように設けられたのがドメイン名です。
ドメイン名とは
それぞれのIPアドレス対して、ドメインが割り当てられています。
ドメイン名は、URLの一部にもなっています。
例えば、「http://jetb.co.jp」というURLであれば「jetb.co.jp」の部分がドメイン名です。一般的にサイトに関連した文字列が使われることが多く、数字の羅列よりも一目で見て分かりやすいと思います。
ドメインもIPアドレスと同じくそれぞれ固有の文字列となっており、私たちがインターネット上でWEBページにアクセスする際の住所の役割を果たしています。
ネームサーバーの役割
人間がIPアドレスを理解しづらいのと同じく、コンピューターにとってもドメイン名は理解しづらいものです。
そこで登場するのがネームサーバーです。
事前にIPアドレスとドメイン名を紐づけておき、必要に応じて変換しています。この変換の仕組みをDNS(Domain Name System)といい、実際に変換作業を行なっているサーバーをDNSサーバー(ネームサーバー)といいます。
ネームサーバーの仕組み
ネームサーバーを使って、ユーザーがWEBサイトにアクセスするまでの流れについて解説します。
WEBサイトにアクセスするまでの流れ
例として「http://jetb.co.jp」のサイトにアクセスする場合を見ていきましょう。
- ユーザーがコンピューターにURL(https://jetb.co.jp)を入力してWEBサイトにアクセスしようとする
- ユーザーが入力したURLは、ユーザーのキャッシュサーバーに伝達される
- ユーザーのキャッシュサーバーからルートサーバー(ネームサーバーの一部)に対して、入力されたドメイン(jetb.co.jp)に対するIPアドレスが何なのかを問い合わせる
- ルートサーバーからキャッシュサーバーに対して、IPアドレスの情報を保持しているネームサーバー(.comのネームサーバー)を回答する
- キャッシュサーバーが、回答された.comのネームサーバーに問い合わせる
- .comのネームサーバからキャッシュサーバーに対して、ドメイン名に対応するネームサーバー(jetb.co.jp)を回答する
- キャッシュサーバーが、回答されたjetb.co.jpのネームサーバーに問い合わせる
- jetb.co.jpのネームサーバーからキャッシュサーバーに、IPアドレスが回答される
- IPアドレスを受け取ったキャッシュサーバーは、ユーザーのコンピューターにそのIPアドレスを伝達する
- ユーザーのコンピューターが、受け取ったIPアドレスを使ってWEBサイトにアクセスすると、WEBサイトが表示されるようになる
このように、普段何気なく見ているWEBサイトは、こうした複雑な手順を踏んで表示されているのです。
なお、メールアドレスとメールサーバーの仕組みも基本的に同じ構造になっています。
ルートサーバーとは
ユーザーのキャッシュサーバーから1番最初に問い合わせが入ったルートサーバーは、ネームサーバーの起点となるサーバーです。
世界に13台しか存在しません。
キャッシュサーバーとは
これもネームサーバーの一部で、インターネット上に存在しているネームサーバーの複製データを一時的に保存(キャッシュ)して、問い合わせが入ったときに代わりに応答できるサーバーのことです。
ネームサーバーの設定・変更方法
ドメインとIPアドレス、メールアドレスとメールサーバーを紐付けて、正しくWEBサイトが表示されるようにしたりメールの送受信ができるようにしたりするには、各種設定が必要となります。
ネームサーバーの設定は、ドメイン管理業者(例:お名前.com)とレンタルサーバー業者(例:エックスサーバー等)のいずれかで行います。
基本的な設定の手順は同じですが、業者によって管理画面の仕様が異なるため、正確な設定方法はそれぞれの業者に従ってください。
ここでは、エックスサーバーを例に挙げて解説します。
- エックスサーバーのサイトにログインし「契約情報」メニューの「独自ドメイン契約情報」から「ドメインパネル」を開く
- 設定を希望しているネームサーバーを選択・入力し、「ネームサーバーの変更(確認)」→「ネームサーバーの変更(確定)」をクリックする
これだけでネームサーバーの設定や変更は簡単にできます。
なお、ネームサーバーの名前は、それぞれのレンタルサーバー業者やドメイン管理業者のサイトに掲載されているため、そちらを参考に入力しましょう。
ネームサーバーの確認方法
ネームサーバーは設定した業者のサイトであとから確認できますが、設定直後にすぐに反映するわけではありません。
先ほども出てきた「キャッシュサーバー」が、情報を一時的に保持する役割を持っているため、その保持時間を経過しないと最新のネームサーバーが反映されないのです。
そのため、すぐに反映を確認したい場合は以下の方法を試してみてください。
- スタートメニューから「コマンドプロンプト」を起動する
- コマンドプロンプトに「nslookup ドメイン名」と入力する(ドメイン名がjetb.co.jpの場合、nslookup jetb.co.jpと入力する)
- エンターキーを押すと、AdressにIPアドレスが表示される
- 表示されているアドレスが、新しく設定したIPアドレスであれば設定が完了していることが確認できる
まとめ
ネームサーバー(DNSサーバー)は、IPアドレスとドメインを変換してくれるシステムです。
これによって、私たちはインターネットでWEBページを閲覧したり、メールを送受信したりできるようになっています。
しかし、もし正しく設定できていないと「DNSサーバーは応答していません」というエラーが出て、WEBサイトが閲覧できなくなってしまいます。一度はこのエラーを見たことがある方も多いのではないでしょうか?こういったエラーで困ってしまわないように、ネームサーバーについて理解を深めましょう。
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