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ネイティブ広告とは?ステマとの違いやメリットを紹介

ネイティブ広告

ネイティブ広告とは

この記事を読むための時間:5分

Webマーケティングに関わっていると必ず耳にする「ネイティブ広告(ネイティブアド)」というワード。いまいち理解できていないという方も多いのではないでしょうか。

ネイティブ広告とは「コンテンツの一部として自然に溶け込ませて掲載した広告」のことで、定義が曖昧な概念を表す言葉ですが、「ステルスマーケティング(ステマ)」と同義であると勘違いしている方も多いです。この記事では、ネイティブ広告についてわかりやすく解説していきます。

ネイティブ広告とは?ステルスマーケティングとの違いも

まずは、

  • ネイティブ広告とは何か
  • ネイティブ広告のメリット・デメリット
  • ステルスマーケティングとの違い

について理解しましょう。

ネイティブ広告とは

ネイティブ広告を簡単に説明すると、コンテンツの一部として自然に溶け込ませて掲載した広告です。広告をWebサイトのコンテンツの中に自然に溶け込ませることで、ユーザーにストレスを与えることなく広告を見てもらうことができます

単に記事型の広告を指すわけではなく、コンテンツに自然に溶け込む広告全般を指す言葉であるという点が重要です。しかし現時点で明確に定義されていないため、「ネイティブ広告枠に掲載される広告のことを指す」などと言われることもあります。

ネイティブ広告のメリット・デメリット

ネイティブ広告には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

ネイティブ広告のメリット

  • ユーザーにストレスなく見てもらえる
  • ユーザーに興味を持たれやすい
  • 潜在層へのアプローチも期待できる

ネイティブ広告は売り込み色が強くないため、ユーザーにストレスなくメディアや広告を見てもらえます。また、ユーザーが興味を持って訪問しているWebサイトなどに親和する内容の広告が表示されるので、ターゲティングが比較的簡単で興味を持ってもらいやすいです。

コンテンツに近いため気に入ってもらえれば拡散される可能性があり、潜在層へのアプローチも期待できます。

ネイティブ広告のデメリット

  • 広告作成に手間がかかる
  • ユーザーの行動を邪魔する広告になる場合がある
  • 不信感に繋がることもある

ネイティブ広告は各メディアに溶け込ませる必要があるため、あらゆる広告枠に同じ広告を表示するわけには行かず、作成に手間がかかります。

また、ユーザーに興味を持ってもらいやすい分、Webサイトと関連性が低いページであると、情報を求めてサイトに来たユーザーの行動を邪魔する存在になってしまうことも。「コンテンツだと思って開いたら広告だった」などの印象を与えて、広告主やWebサイト自体に不信感を抱かれるリスクもあります。

ネイティブ広告とステルスマーケティング(ステマ)の違い

「ネイティブ広告とは」を読んで、「ステルスマーケティング(ステマ)と何が違うの?」と感じた方も多いのではないでしょうか。

ステルスマーケティング(ステマ)とは「広告と明記せずに宣伝を行うマーケティングの手法」で、

  • 消費者になりすまして好印象の口コミを書く
  • 芸能人やインフルエンサーに中立的な立場を装った宣伝をしてもらう

などの手法があります。消費者を欺いているため、発覚すると「炎上」に繋がります。日本ではステマを規制する法律はありませんが、景品表示法や軽犯罪法に該当し違反となるケースもあります。

ネイティブ広告は「Sponsored by」「PR」「プロモーション」「広告」などと明記しており、自然に溶け込ませながらも広告であることはわかるようにしています。消費者が「ステマだ」「騙された」と感じることが不信感に繋がるデメリットであるからです。売り込み色を抑えながらも広告であることは隠さない、という姿勢が重要です。

ネイティブ広告でおさえるべき6つのポイント

定義が曖昧なネイティブ広告ですが、IAB(米インタラクティブ広告協議会)によって6つの評価軸が定められています。

  1. FORM(形式)
  2. FUNCTION(機能)
  3. INTEGRATION(統合)
  4. BUYING&TARGETING(バイイングとターゲティング)
  5. MEASUREMENT(計測指標)
  6. DISCLOSURE(広告の明示性)

広告の種類などによって抑えるべきポイントや度合いは異なりますが、ネイティブ広告を打つ際はこの6つのポイントを抑えることを意識すると良いでしょう。

【1】FORM(形式)

広告のデザインが、ページ全体のデザインにフィットしているかどうか、また広告コンテンツのデザインがメインコンテンツにフィットしているかどうかという点です。見た目の親和性が高いものが良いとされています。

【2】FUNCTION(機能)

メインコンテンツと同じように機能し、ユーザーに通常のコンテンツ体験を提供しているか。記事サイトであれば記事コンテンツの広告、動画サイトであれば動画広告であるといった、機能の親和性も重要です。

【3】INTEGRATION(統合)

メインコンテンツと同じように動くのかどうか、同じように表示されるのかどうかという点です。リンクを押した時の挙動や、マウスオーバー時の動き、表示などが、ネイティブ広告のみ違うものにすべきではないとされています。

【4】BUYING&TARGETING(バイイングとターゲティング)

ネイティブ広告の掲載位置が、メディアの全ページではなく特定のページ、セクション、サイトになっているかです。つまり、ターゲティングした広告配信が可能かどうか。できるだけ興味関心のある人に表示する、または掲載メディアと関連する広告が表示される方が良いとされています。

【5】 MEASUREMENT(計測指標)

どのような計測指標が用意されているかです。クリックやコンバージョンなどのレスポンス広告の効果指標ではなく、広告が表示(閲覧)されている時間やシェアされた数、インプレッション数などのエンゲージメントで計測されるのが良いとされています。

【6】 DISCLOSURE(広告の明示性)

ネイティブ広告の掲載面に広告であることが明記されており、ユーザーが広告ということを認識できるかどうかです。自然に溶け込んでいても、広告であることを明示する必要があります

ネイティブ広告の6タイプと具体例

ネイティブ広告

ネイティブ広告は、IAB(米インタラクティブ広告協議会)によって6種類に分けられると発表されています。先ほどの6つのポイントをおさえることも踏まえつつ、どのようなタイプのものがあるのか見ていきましょう。各種類のネイティブ広告を採用しているメディアも具体的に挙げながら紹介します。

  1. インフィード型
  2. ペイドサーチ型
  3. レコメンドウィジェット型
  4. プロモートリスティング型
  5. カスタム型
  6. ネイティブ要素を持つインアド型

【1】インフィード型

画面の上から下へと読み進めていくWebサイトやアプリの中でコンテンツとコンテンツの間に表示される広告です。通常の広告はメインのコンテンツの外に枠が設けられていますが、インフィード広告はメインコンテンツの間に配置されます。記事広告やバナー広告、動画広告など様々な形があります。

代表的なのが、GunosyやSmartNewsなどのキュレーションニュースアプリ。TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSにも投稿に溶け込む形などで表示されます。

【2】ペイドサーチ型(検索連動型)

GoogleやYahoo!などに代表されるリスティング広告の「検索連動広告」です。検索結果ページの上下・右部分に検索連動広告が表示されるのは周知の事実であるとも言えますが、オーガニック検索コンテンツと同じように表示されておりネイティブ広告であると考えられます。

【3】レコメンドウィジェット型

レコメンド配信サービスを使用して、レコメンド(おすすめ)欄のあるサイトに広告を表示する方法です。Webサイトやキュレーションサイト内におすすめ情報としてコンテンツと並列して表示されます。

ニュース記事を読み終えた時、「この記事を読んだ人におすすめ記事」や「関連記事」が表示されていることがありますね。レコメンドウィジェット型のネイティブ広告はその中に紛れています。

ユーザーの興味関心を踏まえて「レコメンド」された広告が表示されるため、人をターゲティングしやすいです。しかし、ページの下の方に表示されるため、目につきにくいというデメリットがあります。Yahoo!ニュースのスマートフォン版Tトップページや、SmartNewsなどのニュースアプリによく掲載されます。

【4】プロモートリスティング型

ECサイトや情報サイトで見られる、検索結果の上位にPRで表示されている広告です。キーワード検索によって絞り込まれた結果に表示されるためペイドサーチ型(検索連動型)とよく似ていますが、プロモートリスティング型のネイティブ広告はその掲載メディアに取り扱いのある業種や商品しか表示されません。

Amazonや楽天市場、ZOZOTOWNのECサイト、食べログなどの検索結果画面に見られます。

【5】ネイティブ要素を持つインアド型(IABスタンダード)

特定の広告枠の中にコンテンツとして広告を表示させる方法です。メインコンテンツの内容とは親和性が高いものの、デザイン面は親和性がないものを指します。サイト内コンテンツとは異なった枠に表示されます。

配信する枠はIABが定める基準をクリアしていなければいけませんが、通常のディスプレイ広告もネイティブ広告に分類されるるのです。Yahoo!ニュースのトップページや、SmartNewsなどのニュースアプリで見られます。

【6】カスタム型

以上の5タイプに当てはまらず、各メディアによって異なるプラットフォームにあわせた広告です。最も有名なのが、LINEの企業スタンプ。「ファンを増やす」目的やブランディングのためのものが多いです。

まとめ

Webサイトに表示される広告が人々を警戒させている現代。一方的に商品を売りつけたりメッセージを押し付けたりする宣伝は嫌われつつあります。そんな中、売り込み色を弱くしてユーザーにコンテンツ同様の体験を提供するネイティブ広告に注目が集まっているのです。

しかし、ステマと見分けがつかない・中身の質が低いネイティブ広告は、通常の広告よりもユーザーをがっかりさせてしまうケースもあります。リスクが大きいことを理解し、ネイティブ広告だからこそできるアプローチを効果的に仕掛けましょう。


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