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AI採用のメリット・デメリットとは?成功のポイントや事例紹介

#AI活用#DX推進#業務効率化

AI採用のメリットデメリットのアイキャッチ

採用活動の効率化を目指し、AI採用の導入を検討している企業が増えてきています。

ですが、AIが「候補者の熱意を見抜けるのか」「社風に適した人材を選べるのか」といった不安を抱える採用担当者は少なくありません。実際、AIを用いた採用活動にはメリットだけでなく、注意すべきデメリットがあるのが事実です。

そこで本記事では、AI採用のメリットとデメリットを詳しく解説し、AIの導入を成功させるためのポイントも紹介します。自社の採用活動にAIを活用する際の参考にしてください。

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AI採用とは?

AI採用とは

AI採用とは、AIの技術を採用活動に取り入れることを指しています。AIは過去の応募データや自社で活躍する社員の傾向などを学習し、設定基準に沿って候補者を客観的に評価する仕組みです。

具体的に以下のような採用業務において、AIが活用されています。

  • エントリーシートのスクリーニング
  • 面接の実施や面接録画の評価
  • 応募者の対応や日程調整
  • 採用候補者のマッチング分析

現在、AI採用が注目されている背景には、採用業務の負担増大があります。採用難易度の上昇や採用手法の多様化により、書類選考や日程調整などの定型業務に多くの時間が割かれているのが現状です。

AIが定型業務を自動化すれば、採用担当者は候補者との対話や入社の動機づけといった、人間ならではの業務に注力できるようになります。また、人間の面接官で起こりうる評価のばらつきや主観評価をなくし、客観的かつ公平な選考を実現できるのもAIの強みの一つです。

AI採用の5つのメリット

AI採用のメリット

AI採用がもたらす主なメリットを5つ解説します。自社の採用活動に役立つかどうか、確認してみてください。

メリット 概要
採用業務の効率化 定型業務を自動化し、採用担当者の負担を軽減
選考基準の統一化 客観的な基準で、公平な選考を実現
応募者体験の向上 選考プロセスの迅速化で満足度アップ
人材像のデータ化 活躍人材の傾向を可視化し、選考に活用
採用活動の分析 定量データにより、継続的な改善が可能

採用業務が効率化できる

AI採用を導入する1番のメリットは、採用業務を大幅に効率化できる点です。

エントリーシートの確認や面接の日程調整、応募者への事務連絡などの定型業務は多くの時間を必要としますが、AIを利用すれば自動化が可能です。大量のESをあらかじめ設定した基準でスクリーニングしたり、チャットボットが応募者と自動で対話して面接の日程調整を決めたりします。

AIの活用により空いた時間を、候補者との対話や採用の最終判断といった、人間にしかできない業務に充てられるようになります。

選考基準が統一化される

AI採用は、選考基準の統一を行えるのもメリットの一つです。

人間の面接官が候補者の評価を行う場合、無意識下で主観や偏見が入り込んでしまう可能性や、その日の体調によって評価にブレが生じる可能性が拭いきれません。その点において、AIはあらかじめ設定した基準に基づき、すべての候補者を客観的な視点で一貫して評価します。

AIの客観的な評価により、面接官の特定の好みなどに左右されない、公平な選考の実現につながります。

応募者体験が向上する

AI採用の導入により選考プロセスが迅速になるため、応募者のストレスが軽減され、体験向上にも貢献します。

たとえば、AIチャットボットを導入すれば、応募者からの質問に24時間365日すぐに回答できます。また、エントリーシート選考をAIに任せれば、応募から合否連絡までの時間を大幅に短縮可能です。

スムーズな選考プロセスは、応募者の満足度を高め、企業のイメージアップにもつながるでしょう。

自社にマッチする人材をデータ化できる

AI採用は、自社にマッチする人材像をデータ化できる点も魅力です。

AIに自社で活躍している社員のエントリーシートや適性検査の結果を分析すれば、自社で成果を出しやすい人材に共通する傾向や特徴を抽出できます。

得られた分析結果を選考基準の策定に活用すれば、採用のミスマッチを減らし、入社後の定着率やパフォーマンス向上にも貢献するでしょう。

採用活動のデータ化と分析ができる

定性的になりやすい採用活動全体をデータ化し、分析できるのもAI採用のメリットです。

従来、面接官の所感や経験則に頼りがちであった選考プロセスが、AIにより定量的なデータとして蓄積できます。具体的にすれば、応募経路ごとの内定承諾率や、選考段階ごとの辞退率などを簡単に把握できるようになります。また、どのような評価基準が実際の入社後の活躍と相関しているのかを分析できるのも強みです。

これらのデータを分析し、採用戦略の継続的な改善(PDCA)を回せば、採用活動全体の精度を高められるでしょう。

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AI採用の4つのデメリット

AI採用のデメリット

AI採用には多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。AI採用を導入する際に注意したい、4つの主なデメリットを解説します。

デメリット 概要
人間性の評価困難 候補者の熱意や人柄を見抜きにくい
社風マッチングが困難 カルチャーフィットの判断が苦手
学習データの偏り 過去の偏見を増幅するリスク
評価根拠の不透明性 判断プロセスがわかりにくい

候補者の人間性を評価しにくい

AI採用では、候補者の人間性や熱意を評価しにくい点がデメリットになります。

AIは人間の表情の変化や声のトーンといったデータは分析できますが、その感情の真偽や、ことばの裏にある微妙なニュアンスまで正確に理解するのは苦手です。たとえば、候補者が緊張からうまく話せていないだけなのか、本当に熱意が低いのかといった具合にです。

表面的なデータではうまく測れない「人柄」や「情熱」などの要素は、AIだけでは正しく見抜きにくいのが現状といえます。

社風とのマッチング判断が難しい

AI採用のデメリットとして、会社の雰囲気との相性判断が難しい点も挙げられます。企業独自の文化やチームメンバーとの相性のようなカルチャーは、数値化しにくい要素が多分に含まれるためです。

AIは、候補者のスキルや経験を定義された基準で評価するのは得意ですが、言語化が難しい判断は苦手としています。人間的な感覚が強く求められるマッチング評価は、AIにとって難易度の高い領域だといえるでしょう。

学習データの偏りで不公平な選考になるおそれがある

AI採用では、学習データの偏りから不公平な選考をもたらしてしまうおそれがあります。

AIは過去の採用実績や評価データを学習して判断基準を構築しますが、過去の合格者に特定の性別や出身大学が多かった場合、AIはそれを正しいものだと判断して学習してしまうかもしれません。その結果、本来の実力とは無関係な、属性だけの判断で不利に評価してしまう可能性を否定できません。

過去のデータに含まれた人間の無意識な偏見を、AIが増幅させてしまうリスクがあるため、注意が必要です。

評価の根拠がブラックボックス化しやすい

AIが評価した根拠が、ブラックボックス化しやすいデメリットもあります。AIの中でも、とくに深層学習を用いたモデルは、判断プロセスが複雑なため、なぜAIが合格・不合格と判断したのかが人間には分かりづらい場合があります。

根拠が不明瞭だと、AI面接で低い評価が出た応募者からその理由を尋ねられても、企業側が明確に説明できません。評価の根拠が不透明になると、応募者への説明責任を果たせなくなるだけでなく、社内で評価基準の妥当性を検証しづらい課題も残ります。

AI採用を成功させるポイント

AI採用を成功させるポイント

ここでは、AI採用を成功させるための4つのポイントを解説します。AIのデメリットを払拭して、AI採用をうまく取り入れましょう。

ポイント 概要
役割分担の明確化 AIと人間の得意分野を活かす
適切なツール選定 導入目的に合った機能を持つツールを選ぶ
定期的な見直し 評価基準を継続的にチェックする
透明性の確保 応募者への情報開示を徹底する

AIと人間の役割分担を明確にする

AI採用を成功させるポイントは、AIと人間の役割を明確に分けることにあります。先に述べたようにAIは決して万能な存在ではなく、苦手としている領域も多くあるため、あくまでAIはサポートツールと位置づけるのが現実的です。

具体的には、エントリーシートのスクリーニングや日程調整といった定型業務はAIが、候補者の熱意や人柄を見極める最終面接は人間が担うなどが求められます。

AIの客観的な評価と、人間の多角的な評価の組み合わせが成功の秘訣です。

導入目的にあったツールを選ぶ

AI採用を成功させるために、AIツールを導入する際は自社の目的にあったツールを選びましょう。

一口にAI採用ツールといっても、AI書類選考、AI面接、スカウトメール作成…など機能や得意分野はさまざまです。

採用工数の削減が最優先課題であれば、エントリーシートの自動評価や日程調整機能に優れたツールを、マッチング精度の向上を目指すなら、候補者の資質や社風との適合性を分析するツールが必要になります。

まずは自社の採用課題を明確にし、その解決に最適な機能を持つツールを選定してください。

AIの評価基準を定期的に見直す

AI採用を行う場合は、運用を続けていくうちに、意図しない評価バイアスが発生するおそれがあるため、評価基準を定期的に見直す必要があります。

たとえば、同じ候補者に対して、AIの評価結果と人間の評価結果を定期的に比較検証するなどを行いましょう。両者の評価に大きなズレが生じている場合は、AIの学習データや判定ロジックを調整します。

継続的なメンテナンスが、AIの評価精度と公平性の維持につながるでしょう。

応募者への透明性を確保する

AI採用を導入する際は、応募者への透明性の確保も重要です。AIに評価されることに対して、不安や不信感を抱く候補者は少なくありません。

そのため、採用サイトや募集要項に、選考プロセスのどの段階でAIを使用しているのかを事前に明記しましょう。AIの使用目的を誠実に開示すれば、応募者の不安を払拭し、企業イメージの低下を防げます。

AI採用ツールの導入手順

AI採用ツールの導入手順

ここでは、AI採用ツールを導入するための4つのステップを解説します。

手順① 現状の課題や導入目的を明確にする
手順② ツールを選び、費用対効果を検証する
手順③ 社内体制や学習データを整備する
手順④ スモールスタートして評価・改善する

手順①:現状の課題や導入目的を明確にする

AI採用ツールを導入する際は、まず自社の抱えている現状の課題と導入目的を明確にすることから始めます。ツールを導入する目的があいまいなままでは、自社に適したツールをうまく選べません。

自社の採用プロセス全体を見直し、「どの業務に時間がかかっているか」「最も解決したい課題は一体なにか」を洗い出します。そのうえで、「ESの確認に時間がかかりすぎている」「面接のドタキャン率が高い」といった具体的な問題点を特定しましょう。

手順②:ツールを選び、費用対効果を検証する

導入目的を明確にしたら、実際に利用するツールを選び、費用対効果を検証します。AI採用ツールの種類は多岐にわたり、それぞれ利用目的や機能、コストが異なるため、自社の目的と合致するものを選ぶのが重要です。

自社の課題解決に適した機能を持つツールの候補を複数挙げ、それぞれについて導入にかかるコストと、導入により得られる効果を試算します。多くのツールで無料のトライアルなどが用意されているため、実際に触って操作性なども確認し、採用担当者が活用できるかを確認しましょう。

手順③:社内体制や学習データを整備する

実際に利用するツールを決定したら、ツール利用のための社内体制とAIの学習データを準備します。

AIの精度を高めるためには、自社の基準に沿った質の高いデータが必要です。過去の合格者や不合格者のエントリーシート、面接評価などのデータを学習できるようにしましょう。

また、ツールを運用する担当者を決め、関係部署への導入目的や運用フローなどの説明も重要です。導入を円滑に進めるため、社内理解も深めておきましょう。

手順④:スモールスタートして評価・改善する

ツールの導入準備が整ったら、まずはスモールスタートで展開し、評価と改善を行います。

はじめからいきなり全社で本格導入を行うと、もしAIの評価が自社の基準とズレていた場合に大きな混乱をもたらしてしまいます。そのため、まずは特定の部署や職種に限定して、試験的な運用を行いましょう。

運用期間中に、AIの評価結果と人間の評価結果を比較検討し、もしズレがあるようなら、AIの学習データを調整し精度を高めたうえで、本格移行へとシフトしていく必要があります。

AI採用ツールの導入事例

AI採用ツールの導入事例

AI採用の活用イメージを具体的にするため、導入事例を3つ紹介します。各社がどのようにAIを活用し、課題解決につなげているかをみていきましょう。

企業 活用内容 / 成果
ソフトバンク株式会社 【内容】動画面接の評価にAIを導入


【成果】選考時間を約70%削減
サッポロビール株式会社 【内容】エントリーシート選考にAIを導入


【成果】ES選考時間を約40%削減
青山商事 【内容】採用から育成・配置までをデータで一元管理


【成果】学生の関心ごとを可視化

ソフトバンク:動画面接の評価にAIを導入

ソフトバンク株式会社は、新卒採用の動画面接を客観的に評価するために、AIシステムを導入しました。

このAIは、熟練採用担当者の評価を学習し、動画の評価を自動で算出します。AIが不合格と判定した動画は人事担当者が再確認し、最終判断を下すことで選考の正確性を担保している点も特徴です。

導入により選考時間を約70%削減し、創出した時間で応募者とのマッチング強化に取り組むとしています。

参考:新卒採用選考における動画面接

サッポロホールディングス:エントリーシート選考にAIを導入

サッポロビール株式会社は、新卒採用のエントリーシート選考にAIを導入しました。膨大な選考時間を削減し、応募者とのコミュニケーションの場を増やすのが目的です。

AIが合格基準を満たすと評価したESは選考通過とし、それ以外は人事担当者がすべて確認して最終合否を判断する体制をとっています。仕組み化により、ES選考の時間の約40%削減に成功しています。

削減した時間は、セミナー開催など応募者との直接的なコミュニケーションの充実に活用されているとのことです。

参考:新卒採用のエントリーシート選考においてAI(人工知能)を活用

青山商事:採用から育成・配置までデータを一元管理

「洋服の青山」を展開する青山商事株式会社は、採用から活躍までを一気通貫で管理するため、タレントマネジメントシステムを導入しています。

採用活動においては、AI技術の1つである「テキストマイニング」を活用しています。この技術で説明会参加者へのアンケートをAIで分析し、「人柄」や「社風」といった学生の関心事をデータで可視化しました。

データを活用したアプローチで、採用活動を高度化させている事例です。

参考:青山商事が目指す採用から育成、配置、定着、活躍まで一気通貫した人材マネジメント

AI採用ツールのおすすめ3選

おすすめAI採用ツール

AI採用ツールとひとくちに言っても、さまざまなタイプのものがあります。おすすめのAI採用ツールを3つ紹介するので、自社に合うものを探してみてください。

ツール 概要
Our AI面接 アバター面接官と対話形式で行うAI面接ツール
SONAR ATS 採用プロセス全体を一元管理できる採用管理システム
OfferBox 新卒採用に特化したオファー型サービス

Our AI面接

Our AI面接のサービスページ

出典:Our AI面接

Our AI面接」は、アバターAI面接官との自然な対話で面接ができるツールです。応募者はPCやスマートフォンから24時間いつでもどこでも受験できるため、利便性が上がり受験率の向上に期待できます。

面接完了後は、AIが面接の評価レポートを自動作成し、企業は候補者とのマッチ度をすぐに確認可能です。また、従量課金なしの定額制でAI評価機能を含む多くの機能が使い放題な点も特徴として挙げられます。

一次面接にかかる工数を削減したい企業や、採用担当者の負担軽減と採用スピードの向上を実現したい企業におすすめです。無料トライアルも用意されているため、気軽にお問い合わせいただけます。

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SONAR ATS

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出典:SONAR ATS

「SONAR ATS」は、募集から内定承諾まで、新卒・中途採用のプロセス全体を一元管理できる採用管理システム(ATS)です。2300社以上の導入実績があり、煩雑な事務作業の自動化や、ノーコードでの採用フロー設計が可能になっています。

AI活用機能も搭載しており、エントリーシートの内容評価や、面接官の評価傾向の分析も行えるのが特徴です。採用担当者が応募者とのコミュニケーションなどコア業務に集中できる環境を整え、採用活動の効率化・最適化を実現します。

OfferBox

OfferBoxのサービスページ

出典:OfferBox

「OfferBox」は、新卒採用に特化したオファー型の就活サービスです。学生がプロフィールや自己PR、適性検査「AnalyzeU+」の結果を登録すると、AIが企業の求める人物像と学生のプロフィールデータを分析し、マッチ度の高い学生を企業に推薦します。

企業側は推薦データを参考に、自社に合った候補者へ直接オファーを送れるため効率的です。従来の待つ採用ではなく、ターゲットとなる学生へ積極的にアプローチできるのが魅力といえます。

デメリットを対策してAI採用導入を成功させよう

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本記事では、AI採用のメリットとデメリットや、導入成功のポイントを解説しました。AI採用には、人間性の評価が難しいといったデメリットもありますが、AIと人間の役割分担を明確にすれば対策可能です。

とくに一次面接の工数削減や応募者体験の向上には、「Our AI面接」のようなAI面接ツールの導入が有効といえます。この記事を参考にAIの特性を正しく理解し、自社のAI採用導入を成功させましょう。


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