チャットボットの導入費用 | 種類・機能別の相場や、費用を左右する要因を解説
チャットボットを導入すると社内ヘルプデスクや顧客対応など、さまざまな業務を効率化できます。人件費の削減や生産性の向上につながるため、利益率を重視している企業と相性が良いです。
しかし相場がわからず、導入をためらっている方もいるのではないでしょうか。費用を左右する要因は複数あり、料金表を掲載していないチャットボットも多くあります。
そこでこの記事ではチャットボットの運用にかかる費用の内訳や、コストの増減に関わる機能・サービスをくわしく解説していきます。価格帯別におすすめのチャットボットも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
チャットボットの費用相場
チャットボットは大きく分けて下記3つの種類があります。
種類 | 概要 |
---|---|
AI型 | 製品情報などを学習したAIが、ユーザーの任意の質問に対して回答する |
シナリオ型 | ユーザーに選択肢を提示し、事前に決めたフローに沿ってチャットを進める |
辞書型 | 事前にQ&Aを用意し、ユーザーの質問に最適な回答を提示する |
チャットボットの種類について、くわしく知りたい方は下記記事をご覧ください。
チャットボットの種類とは?シナリオ型・AI型などの特徴と選び方を解説
チャットボットの費用相場はAI型の場合、初期導入費用が数万円から100万円程度、月額費用が数万円から50万円ほどです。シナリオ・辞書型の場合は、初期導入費用・月額ともに数千円から利用できます。
AI型チャットボットは費用が高いものの、相場から大きく外れにくいのが特徴です。一方シナリオ型や辞書型は、小規模であれば低コストで運用できますが、選択肢やQ&Aの数が増えるほどに費用が高くなります。そのため大規模チャットボットの場合は、AI型の方が価格が低くなることも珍しくありません。
また導入コストは低くても、月額費用や改修費用が高いサービスもあります。費用対効果を重視するのであれば、運用に関わる総額を確認してから契約しましょう。
チャットボットの費用の内訳
チャットボットを運用する際にかかる費用は、下記の3点です。
- 初期導入費用
- 月額費用
- 改修費用
それぞれ解説していきます。
初期導入費用
チャットボットは導入する際に、下記のような多くの工程を要します。
- 既存システムとの連携
- シナリオ、Q&Aの作成
- 別途カスタマイズ
そのため初期導入費用がかかるチャットボットが多いです。ただし種類や機能によって異なり、数千円で済むものから、100万円以上かかる場合もあります。したがって導入する際は予算を無駄にしないように、目的に合ったサービスを契約するようにしましょう。
またチャットボットによってはスモールスタートに対応しているものもあります。ユーザーの反響に合わせて徐々に規模を拡大できるため、リスクを抑えた運用が可能です。
こちらの記事ではチャットボットの導入について解説しています。よりくわしく知りたい方はぜひご覧ください。
チャットボットの導入手順を企業向けに解説!活用方法や効果も紹介
月額費用
サービス利用料として、月額費用がかかるチャットボットがほとんどです。種類別に目安を下記に示します。
種類 | 月額費用 |
---|---|
AI型 | 数万円~50万円程度 |
シナリオ型、辞書型 | 数千円~要相談 |
初期導入費用と同様に、機能を増やすほど高くなる傾向があります。そのためユーザーニーズを考えずにカスタマイズすると、無駄な費用が発生してしまいます。満足度を高めるにはどんな機能が必要か、しっかりと考えながらチャットボットを構築しましょう。
改修費用
チャットボットの効果を高めるには、提示する選択肢やURLなどの改善が不可欠です。改修費用は月額料金に含まれている場合や、別途オプションとして用意されている場合があります。
大きく分けて、下記2つの戦略立案・実行を任せられることが多いです。
- コンバージョン率の改善
- UIの改善
コンバージョン率を向上するには、完答率の低いフローで提示する選択肢を変更したり、精度を高めるためにAIのメンテナンスをしたり、多くの改善策が考えられます。
またチャットボットを常に表示させたり、親しみやすいアイコンにしたり、UIにも改善の余地があります。
チャットボットは開発したら終わりではなく、ユーザーの反応に基づいたカスタマイズが大切です。そのためメンテナンス・改修にかかる費用も、依頼の際に確認しておくべきポイントといえます。
チャットボットの費用を左右する要因
チャットボットの費用を左右する主な要因は、以下の5つです。
- AIの有無
- オプションの追加
- Q&A、シナリオ制作の代行
- サポートの手厚さ
- 設置できる数
それぞれ解説していきます。
AIの有無
AIを搭載すると、導入・運用費用ともに高くなる傾向にあります。要因としては、主に下記の2点が考えられます。
- 新しい技術のため提供できる企業が少ないから
- 機能性が高く、需要があるから
AI型のチャットボットは2022年末ごろから登場した、文章生成AIの技術を活用しています。新しい技術が使われているため、提供できるベンダーは他の種類に比べて少ないです。そのため導入にはある程度の予算がかかることが多いといえるでしょう。
ただし最近では、コストを抑えて導入できるAI型のチャットボットも登場しています。
弊社が提供している「うちのAI」は、月額5万円(税抜)で利用可能です。
「ユーザーの悩みに柔軟に対応したいけれど、あまり予算はかけられない」
「とりあえずAI型チャットボットでどのようなことができるか知りたい」
このような方にぴったりなチャットボットです。導入を検討している方は、ぜひ一度お問い合わせください。
オプションの追加
チャットボットは下記のようなオプションを追加できます。
- 有人対応への切り替え
- 他システムとの連携
- データ分析機能 など
オプションを追加すれば、より使いやすいチャットボットにカスタマイズできます。しかし費用がかさむうえ、ユーザーニーズに適していない機能を搭載しても無駄になってしまうでしょう。そのためオプションを追加する場合は打ち合わせを重ね、必要な機能を吟味してから取り入れてください。
Q&A、シナリオ制作の代行
辞書型であればQ&A、シナリオ型であればフローの制作をベンダーに依頼するかで費用が異なります。もちろん自社で制作すれば費用はかかりません。しかしUXを意識した文章や選択肢を考えられなければ、ユーザーを満足させられないでしょう。
そのためユーザーニーズに適したチャットボットを運営したければ、プロに任せるのが得策です。またQ&Aの数やシナリオの長さによっても価格は異なるので、制作を任せる際の価格は必ず確認しておきましょう。
サポートの手厚さ
サポートを手厚くしているために、導入・月額費用が高いチャットボットもあります。一見高く感じられますが、シナリオ作成の代行やアドバイスが含まれている場合があり、総合的に見れば費用対効果に優れている可能性があります。
反対に導入コストは低くてもサポートが少なく、効果的な運用が難しいチャットボットもあるので注意が必要です。特に初めて導入する際や、運用に自信がない方は、サポートの内容まで確認してから契約するのがおすすめです。
設置できる数
チャットボットは製品によって設置できるサイト数が異なります。数に制限があったり、オプションで設置箇所を増やせたりと、さまざまです。
複数のWebサイト・システムへの搭載を考えているのであれば、それぞれに導入した場合の総額を考慮してチャットボットを選択しましょう。
費用対効果の高いチャットボットを導入するには
チャットボットの費用対効果を高めたければ、表面上の価格だけでなく、機能やサービス内容を確認することが重要です。たとえばAI型チャットボットは費用が高くなる傾向にありますが、機能性の高さから、任せられる業務が豊富です。
社内ヘルプデスクとして活用できれば、社員同士で無駄に質問する必要がなくなり、生産性の向上に寄与します。また顧客対応に置き換えられれば、人件費の削減につながるでしょう。
そのため一時的にはコストがかさんでしまっても、長い目で見れば高価格帯のチャットボットの方が、コストパフォーマンスに優れている場合があります。
一方低価格帯のチャットボットは、求める機能が限られている場合に適しています。予約業務の効率化であれば小規模なシナリオ型を導入するなど、自社の課題に合った選択が大切です。
下記記事ではチャットボットの費用対効果を高めるコツについて解説しています。くわしく知りたい方はぜひご覧ください。
チャットボットの費用対効果を高めるには?導入時に気をつけるべきポイントを解説
またチャットボットで得られる効果について、くわしく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
チャットボットの導入効果はない?活用事例や効果測定のやり方を解説
価格帯別におすすめのチャットボットを紹介
価格帯別におすすめのチャットボットを4つ紹介します。
高価格帯
出典:PrimeAgent
PrimeAgentはロボットがフリーワードの質問を理解し、適切な選択肢を提案できるチャットボットです。価格は1,000,000円~と高価格帯に分類されますが、標準で7言語に対応していたり、チャットの途中から有人への切り替えができたり、多彩な機能を備えています。
ユーザーの満足度を重視したい方や、海外展開も視野に入れている企業と相性が良いでしょう。また同社ホームページにも、搭載イメージとしてチャットボットが搭載されています。質問によってどのような回答が得られるか、事前に確認できるのは嬉しいポイントです。
中価格帯
出典:うちのAI
うちのAIはChatGPTを用いたAI型チャットボットです。
人間のように自然な回答を出力するほか、幅広い質問に対応できる点が特徴です。そのため接客スタッフや営業マンの代わりとして活用できます。
また学習データの作成から運用時の改善まで、サポートが充実している点も魅力といえます。AIに関する知識に自信がない方も安心して利用できるでしょう。
出典:AI-FAQボット
AI-FAQボットは辞書型のチャットボットです。言葉の揺れを自動学習するため、使うほどに回答精度が上がるのが特徴です。費用は下記のとおりで、登録するFAQの数によって異なります。
FAQの数(例) | 月額費用 |
---|---|
1~100問 | 30,000円 |
101~200問 | 40,000円 |
201~300問 | 50,000円 |
料金設定が明確で、100問ごとに10,000円増加していきます。最大3,000問まで登録できるそうです。またFAQの作成支援などのオプションも用意されているため、必要に合わせて検討してみてください。
低価格帯
出典:Chat Plus
Chat Plusは導入コスト業界最安値がうたわれているチャットボットです。ミニマムプランであれば、シナリオ型のチャットボットを初期費用0円、月額1,500円(税抜)から利用できます。オプションも豊富に用意されているため、目的に合わせて適切な機能の搭載が可能です。また低価格ながら、通知機能やレポート機能が含まれている、充実した機能も魅力といえるでしょう。
チャットボットの費用に関するFAQ
チャットボットの費用に関するFAQについて回答していきます。
チャットボットは無料で使える?
チャットボットの中には無料で導入できるものもあります。しかし、機能に制限がかけられている場合が多いため、目的に合った使い方ができるか事前に確認しておく必要があります。
買い切り型のチャットボットはある?
チャットボットはサブスクリプション型が大半ですが、買い切り型のチャットボットを提供しているベンダーもいるようです。
ただし買い切り型はランニングコストがかからないものの、チャットボットの改善等は自社で行う必要があります。そのためメンテナンスにかかる工数や、人件費も考慮したうえで検討しましょう。
チャットボットの費用は種類や機能などで異なる
チャットボットごとに機能やサポート内容は大きく異なります。高価格帯のチャットボットは費用がかさむものの、幅広い業務で効率化が期待できます。そのためコストの削減や、売上の向上に寄与する可能性が高いといえるでしょう。
しかし単純業務の効率化を目的として、ハイエンド向けのサービスを契約しても、無駄なコストが発生してしまうだけです。費用対効果を高めるには、目的に合ったチャットボットの選定が大切です。機能やサポートの特徴を理解したうえで、導入を検討してみてください。
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