社内向けチャットボットおすすめ5選!事例や失敗を防ぐ方法も紹介
現代では、さまざまな業界でDX推進が求められています。
施策の1つとして、社内向けチャットボットの導入を検討しているものの、具体的な活用例や導入方法がわからず二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、社内向けのチャットボットを導入すると、バックオフィスの負担軽減や労働環境の改善などさまざまなメリットが得られます。
この記事では、社内向けチャットボットの利用事例や失敗を防ぐ対策、社内利用におすすめのチャットボットを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
社内向けチャットボットを導入するメリット
社内向けのチャットボットを導入すると、社内の業務効率化はもちろん、労働環境改善に役立つ情報が得られたり、研修を効率化できたりと、さまざまなメリットが得られます。
以下では、社内向けのチャットボットを利用する7つのメリットについて、くわしく解説していきます。
- 社内の業務効率が上がる
- 認識の齟齬が生まれづらい
- 研修を効率化できる
- リモートワークの効率が上がる
- 労働環境の改善に役立つデータが手に入る
- 経費を削減できる
- 属人化を防止できる
社内の業務効率が上がる
経理や総務、人事などのバックオフィスはもちろん、チームの責任者やメンターには、社員から日々多くの質問が寄せられます。
社内向けのチャットボットを導入すれば、シンプルな質問には全て自動で回答できるようになり、回答に割く時間を大幅に短縮できます。
また質問する側も、回答を待つ必要がなくなるため、業務の効率が上がります。
社内全体で時間に余裕が生まれるため、より重要なタスクに集中できるようになります。
認識の齟齬が生まれづらい
専門分野であっても、知識や対応能力は社員によって異なります。
そのため、対人コミュニケーションの場合、質問した相手の能力やその時の状況によって情報伝達に齟齬が生まれ、業務に支障をきたすことがあります。
一方、チャットボットはコンピュータープログラムであるため、いつでも安定した回答が可能です。
ヒューマンエラーが起こりづらくなり、人間関係の複雑化も防げるなど、多くのメリットが得られます。
研修を効率化できる
チャットボットを研修用に学習させれば、新入社員の成長速度を加速させられます。
通常研修は人事部や上司が行いますが、研修以外にも多くのタスクを抱えていることがほとんどです。
そのため、質問したいことが合ってもすぐに聞けず業務が進められなかったり、誤った方向性で最後まで進めてしまったりと、新人側がフラストレーションを感じることも多いです。
研修用のチャットボットを設置しておけば、上記のような問題を解決でき、研修を行う側のリソースにも余裕が生まれます。
より重要なタスクに集中しながら、教育を行えるようになるため、長期的な生産性の向上が図れます。
リモートワークの効率が上がる
リモートワークでは、急ぎの用事でもすぐに相手と連絡が取れないことがあります。
社内であれば、状況や居場所が簡単にわかるため簡単に連絡が取れますが、リモートワークの場合はチャットや電話がつながらなければ為す術がありません。
チャットボットを設置しておけば、状況に関係なくすぐに回答が得られるため、リモートワークの業務効率が大幅に向上します。
労働環境の改善に役立つデータが手に入る
通常チャットボットには、ユーザー行動のログや会話履歴が残ります。
データとして抽出して分析を行えば、社員からのよくある質問や悩みの傾向を把握できます。
また、チャットボットを匿名で利用できるようにしておけば、社員は本音を確認することも可能です。
それぞれの情報を分析し、チャットボットの品質や就労規則の改善に活かせば、労働環境をより良いものにできるでしょう。
経費を削減できる
社内にチャットボットを導入すれば、リソースの削減によって業務効率が上がります。
残業や休日出勤が必要なことが少なくなるため、人件費の削減が可能です。
また、バックオフィスの人員を最小限に抑えられるため、採用を行う頻度も減らせます。
社内チャットボットの運用期間が長くなるほど、多くの経費削減につながるでしょう。
属人化を防止できる
会社という組織において、社員ごとのスキルや知識のバラつきは避けられません。
そのため、ベテランなどの知識や経験が豊富な人材に仕事が集中する“属人化”は珍しくなく、多くの会社で問題となっています。
属人化を放置しておくと、特定の社員に負荷が集中する、能力が高い社員がいないと業務が回らなくなるなど、さまざまな問題が発生するおそれがあります。
しかし社内向けチャットボットを設置し、社内業務に関する情報を網羅的に学習させておけば、ベテラン社員に代わって質問に答えてくれます。
負担の均一化が図れるため、能力が高い人がより生産性の高い業務に集中できるようになるでしょう。
社内向けチャットボットの利用事例
社内向けチャットボットは、社内ヘルプデスクや資料やデータの管理など、さまざまなシーンで利用されています。
以下で、社内向けチャットボットの4つの利用事例を紹介していきます。
- バックオフィスの業務効率改善
- 社内ヘルプデスク
- 資料やデータの管理
- 社内のノウハウや実績の共有
バックオフィスの業務効率改善
総務や人事などのバックオフィスには、福利厚生や有給申請、就労規則の確認など、日々さまざまな質問が寄せられます。
回答に時間を取られるのはもちろん、質問が来る度に作業の手を止めなければならないため、生産性が上げられずに悩んでいる方も多いです。
社内ルールを学習させたチャットボットを質問窓口として用意することで、上記の問題を解決できます。
事務作業など、やるべき仕事に集中できるようになるため、ヒューマンエラーの低減や作業時間の短縮が行えます。
また、バックオフィスも作業用のAIチャットボットを用意すれば単純な作業を任せられるようになり、より多くのリソースを生み出せます。
社内ヘルプデスク
ITサポートなどを行う社内ヘルプデスクにも、チャットボットは利用可能です。
PCトラブルやシステムエラーなどの解決法を簡単に知れるため、社員が自分で解決できることが多くなります。
社内SEやエンジニアの負担を減らし、利益を生む業務のリソースを確保したり、納期を短縮したりできるようになります。
資料やデータの管理
資料やデータの保管場所を学習させておけば、必要になる度に資料を探す手間がなくなります。
データをクラウドストレージにアップロードしておけば、チャットボットに保管場所のURLを提示させることもできるため、資料が見つからずに困ることもなくなります。
またタスク管理ツールと組み合わせれば、タスクごとに必要な資料を迅速に呼び出すことも可能です。
データの管理者が不在で業務が滞ることもなくなるなど、多くのメリットが得られます。
社内のノウハウや実績の共有
社内向けチャットボットは、社内全体の生産性を上げるアシストツールとしても利用できます。
社内で蓄積したノウハウや、過去の実績をチャットボットに学習しておけば、好きな時に社員が見返せます。
社内で実績を共有することで一体感が生まれ、社員のモチベーションを高められるでしょう。
また社員が能動的に、ベテラン社員のノウハウを確認して業務に活かしたり、営業時の提案に有用な実績を見つけられたりするようになります。
社内向けチャットボットはAI型がおすすめ
チャットボットには、大きく以下3つの種類がありますが、最もおすすめなのはAIチャットボットです。
- AIチャットボット
- シナリオ型チャットボット
- 辞書型チャットボット
シナリオ型や辞書型は学習にコストがかかる割に、対応できる質問が限定的なことが多いです。
そのため決まった手続きへの誘導のみを行う、カスタマーサポートなどでの利用に向いています。
一方AIチャットボットは雑談も行えるなど、対応できる質問の幅が広く、学習コストも比較的少ないです。
拡張性も高いため、長期的な運用を見据えてAIチャットボットを導入するようにしましょう。
チャットボットの概要については、以下の記事も参考になります。
チャットボットとは?AIのプロが活用例や企業が導入すべき理由を解説!
社内向けチャットボットの導入方法
社内向けチャットボットを導入する方法は、大きく以下の3つです。
- 自社で制作する
- オリジナルのチャットボットを外注する
- 外部のチャットボットサービスを利用する
自社での制作は安価に行えるものの、プログラミングや機械学習に関する専門的な知識と多大なリソースが必要です。
反対に、オリジナルのチャットボットの制作を外注する際は、手間はかからないものの莫大な費用がかかります。
そのため、専門業者が提供しているチャットボットサービスを利用して構築するのが、最もコストのバランスが取れているためおすすめです。
チャットボットの導入方法については、以下の記事でくわしく紹介されています。
チャットボットの導入手順を企業向けに解説!活用方法や効果も紹介
社内向けチャットボットに利用するサービスの選び方
社内向けのチャットボットは、とくに使用感にこだわらなければなりません。
UIが悪くて使いづらい、回答が不正確などの問題があると、担当者に直接確認したほうが早いという結論になり、チャットボットが利用されなくなるためです。
導入の意味がなくなってしまうため、回答の精度が高く、学習や改善が簡単に行えるツールを選ぶのが重要です。
他にも、導入の目的に合っているか、それを果たせる機能はあるか、サポートは充実しているかなど、さまざまな点を考慮しながらサービスを決めましょう。
また1社だけでは良し悪しはわからないため、最低でも2〜3社程度から相見積もりを取り、比較検討するのがおすすめです。
社内利用におすすめのチャットボット5選
社内利用におすすめの以下5つのチャットボットを、くわしく紹介していきます。
- うちのAI
- チャットディーラーAI
- PEP
- HRBrain AIチャットボット
- sAI Chat
うちのAI
うちのAIは、JetB株式会社が運営するAIチャットボットです。
ChatGPTをベースに開発されているため、自然な文章でユーザーと対話でき、複雑な質問に対しても柔軟な回答が可能です。
また、ChatGPTはAPI版を使用しているため、社内のデータがOpenAIの学習に使われることもありません。
情報漏洩のリスクを最小限に抑えながら、高品質なチャットボットを運営できます。
学習の容易さも魅力で、ExcelやWord、PDFで作成したデータはもちろん、URLから学習も可能です。
シナリオ型や辞書型のチャットボットによくある、「学習にとにかく手間がかかる」というデメリットが払拭されている点は大きな魅力です。
公開前の準備や運用まで一貫したサポートもついているため、誰でも安心して利用できるでしょう。
チャットディーラーAI
出典:チャットディーラーAI
チャットディーラーAIは、株式会社ラクスが運営する社内向けAIチャットボットです。
総務や管理部門などのバックオフィスによくある質問をまとめたテンプレートが400種類以上用意されているため、顧客側で質問内容を精査する必要がありません。
また、社内向けに調整された学習済みのAIが搭載されているため、問い方が違う質問に対しても柔軟に回答できます。
大手の導入実績も多数あり、専任サポートもついているため、導入がはじめての方でも迷わず運用できるでしょう。
PEP
出典:PEP
PEPは、株式会社ギブリーが運営するAIチャットボットです。
ノーコード制作を強みとしており、ドラッグ&ドロップによる直感的な操作でチャットボットを構築できます。
加えて、顧客ごとの業務に対応した辞書を標準装備しているため、構築から学習、運用までスムーズに行えます。
数千万の会話データと独自の自然言語処理技術を組み合わせた、日本語に特化した独自のAエンジンを搭載しているとのことなので、回答精度にも期待できるでしょう。
またSlackやLINE WORKSなど、ビジネスでよく利用される外部ツールともAPI連携が可能です。
さまざまな業務を効率化できるため、多角的にDXを推進できます。
HRBrain
出典:HRBrain
HRBrainは、株式会社HRBrainが運営するAIチャットボットです。
社内向けに最適化されており、バックオフィスでありがちな質問と回答をまとめた、約500種類のテンプレートを用意しています。
さらに蓄積した会話内容をAIが学習することで、精度が向上したり、新たな回答を生成したりなど、使用するごとにチャットボットが成長していきます。
また、同社が展開するさまざまなプロダクトの中から必要なものと組み合わせられるため、運用体制に合わせたチャットボットを構築可能です。
自由度が高いため、自社に合うサービスが見つからずに困っている方におすすめです。
sAI Chat
出典:sAI Chat
sAI Chatは株式会社サイシードが運営するAIチャットボットです。
独自のAI検索エンジンにより、優れた回答精度を実現しています。
また、専任のFAQコンサルタントが事前に顧客に合わせたチューニングも行ってくれるとのことなので、公開直後から精度の高い回答生成が期待できます。
優先対応領域を特定した上で、最適なチャットボットを用意してくれるため、はじめてチャットボットを導入する方でも安心して利用できるでしょう。
社内向けチャットボットの利用でよくある失敗の原因
社内向けチャットボットは、適切な方法で導入しないと失敗につながることがあります。
以下では、よくある7つの失敗の原因を紹介していきます。
- 学習が語りていない
- 分析と改善を行っていない
- 期待しすぎている
- サービスの選定を間違えている
- 社員の気持ちを理解していない
- セキュリティ対策が甘い
- 社員への伝達が行き届いていない
チャットボットの導入が失敗する原因や対処法について知りたい方は、以下の記事も参考になります。
チャットボットが使えないと言われる理由は?失敗事例や課題を解説
学習が足りていない
ChatGPTなどの生成AIを搭載しているチャットボットでも、企業ごとの固有の情報や就業規則に関する知識は持っていません。
そのため、事前に適切な学習を行わないと回答を提示できないのです。
学習が不十分だと回答を生成できない、誤った情報を伝えるなどのトラブルが起こり、チャットボットの信頼性が低下します。
「担当者に直接確認したほうが早い」と思われると、利用されなくなるため注意しましょう。
分析と改善を行っていない
社内向けで利用する場合、質問の傾向や社員の性質が企業ごとに異なるため、いきなり完璧なものを構築するのは不可能です。
定期的な分析と改善を行いながら、調整を繰り返して自社に最適化することで、はじめて有用なツールになります。
初期状態のまま放置していると、ユーザーの満足度が一向に上がらないため、利用率もどんどん低下していきます。
定期的に会話履歴などを確認し、有用なチャットボットになるまで何度も調整しましょう。
期待しすぎている
チャットボットに期待を寄せすぎている場合、導入に失敗したと感じることがあります。
チャットボットに対応できるのは、質問への回答や資料やデータの提示、手続きを行うツールへの誘導などです。
導入に伴って有人のバックオフィスが不要になるようなことはなく、イレギュラーな質問や複雑な手続きが必要とされる業務に対しては、人間の手が必要です。
チャットボットはあくまでコンピュータープログラムであることを理解し、事前に対応できる業務を理解した上で導入しましょう。
サービスの選定を間違えている
自社に合わないサービスを選んだ結果、要望とのミスマッチが起こるケースです。
チャットボットサービスは、提供している会社ごとに強みやできることが異なります。
また、チャットボットそのものにも種類があり、それぞれ回答の生成や学習の方法も変わります。
そのためチャットボットを選ぶ際は、事前に導入する目的の明確化が大切です。
社内チャットボットで実現したいゴールを掲げ、運用方法や必要な機能を精査した上で、最適なサービスを選びましょう。
社員の気持ちを理解していない
チャットボットは、利用者の目線に立って運用を行わなければ良いツールにはなりません。
社員の気持ちを汲み取れておらず、企業の意向や理念を伝えるばかりの回答では、嫌気が指して利用者も減っていきます。
社員全員に積極的に使ってもらうには、現場の声をすくい上げることが大切です。
社員が本当に知りたがっていることや無駄に感じている業務、解決してほしい問題などに耳を傾け、できる限り正確な返答ができるように改善を繰り返しましょう。
セキュリティ対策が甘い
チャットボットの調整が甘いと、機密情報が漏洩したり、社員の個人情報を回答したりするおそれがあります。
そのため構築や改善作業の際は、セキュリティの強化を最大限意識する必要があります。
認識が甘いと、会社全体に社員のプライベートを晒すなど、重大な問題に発展しかねません。
強固なセキュリティ対策を施した上で公開前に十分なテストを行い、安全性を確認してから公開しましょう。
社員への伝達が行き届いていない
社内向けのチャットボットを導入しても、社員が存在に気づかなければ使ってもらえません。
そのため全体周知を行い、公開と同時に全社員にチャットボットを認識させましょう。
また、新しいものを利用することに消極的な人は意外と多いです。
なんとなく利用していないという状態が続くケースも珍しくないため、現場レベルで利用を促進する工夫が求められます。
直属の上司が積極的に利用を推奨する、効率的な使い方の手本を見せるなど、有用性を示しましょう。
社内向けチャットボットの導入で生産性の向上と労働環境の改善を!
社内向けにチャットボットを導入すると、バックオフィスの生産性改善や経費の削減、属人化の防止など、さまざまなメリットが得られます。
とくに、社内業務の改善に大きな効力を発揮するため、より利益率の高いリソースに時間を使えるようになります。
しかし、導入方法を誤ると思ったような成果が得られないこともあるため注意が必要です。
この記事を参考に適切なサービスを設定し、社内向けチャットボットを導入してみてください。
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