JetB株式会社

多言語対応できるチャットボットは必要?概要や使い方、選び方を紹介

多言語対応できるチャットボットは必要?概要や使い方、選び方を紹介

訪日観光客の増加に伴い、ホテルや飲食店、観光地などでは多言語対応のチャットボットの導入が急速に進んでいます。

また不動産や保険など、グローバル化に伴い外国人顧客を相手にすることが多い業界でも、導入を検討する企業が増えています。

しかし、多言語対応のチャットボットを活用するメリットや導入方法がわからず悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

この記事では、多言語対応のチャットボットの概要や、サービス選定の注意点などを解説していくので、ぜひ参考にしてください。

【こちらの記事もおすすめ】

チャットボットとは?AIのプロが活用例や企業が導入すべき理由を解説!

コンバージョン用バナー

多言語対応のチャットボットとは?

多言語対応のチャットボットとは、複数の言語に対応できるように調整されたチャットボットのことです。

英語や中国語、スペイン語などのメジャーな言語に対応できるように調整し、観光客や海外のユーザーの対応をするために使われます。

数年前までは、学習データを対応させたい言語で用意する必要があったため、導入ハードルが高いツールでした。

しかし、ChatGPTをはじめとする高度な生成AIが一般化してからは、翻訳や学習、多言語での文章生成などを簡単に行えるようになったため、普及が加速しています。

とくにホテルの受付や越境ECサイトのカスタマーサポートなど、多様な国のユーザーを相手にするビジネスにおいては、多言語チャットボットは必須といっても良いでしょう。

多言語対応のチャットボットを導入すれば、言語ごとに専門スタッフを雇う必要がなくなります。

そのため採用コストや人件費を抑えながら、グローバル市場での競争力を高められます。

チャットボットについてくわしく知りたい方は、以下の記事も参考になります。

チャットボットとは?AIのプロが活用例や企業が導入すべき理由を解説!

多言語対応におすすめのチャットボット

チャットボットには、大きく以下3つの種類があります。

  • AI型
  • シナリオ型
  • 辞書型

上記の内、多言語対応に最もおすすめなのはAI型チャットボットです。

中でも、生成AIを用いて学習まで自動で行えるチャットボットを利用すれば、比較的手間をかけずに多言語対応を実現できます。

一方でシナリオ型や辞書型を多言語対応する場合、運営者側で言語ごとの質問や回答のデータを用意しなければなりません。

対応させたい言語に精通した担当者が必要になるなど、多くのリソースが必要となります。

また、AI型でも学習に機械学習を用いていないタイプのものは、同様の手間がかかるため注意しましょう。

多言語対応のチャットボットが求められている理由

多言語対応のチャットボットが求められている理由

多言語対応のチャットボットが求められている理由として、以下のようなものが挙げられます。

  • 訪日観光客への対応強化
  • ビジネスのグローバル化

それぞれについてくわしく解説していきます。

訪日観光客の対応ができない

日本は海外旅行の行き先として人気が高い国です。

実際にアメリカの大手旅行雑誌「Condé Nast Traveler」が行った「世界で最も魅力的な国」を決める調査でも、日本は1位に輝いています。

参考:Best Travel Destinations & Venues | Readers Choice Awards | Condé Nast Traveler

しかし、日本語は世界的にはマイナーな言語で、第2言語を学ぶ習慣もありません。

そのため観光客に対して、英語や中国語などのメジャーな言語を話せる人材が不足しています。

また、限られた人材の中から自社にマッチする人を見つけて採用し、サポート体制を構築するのは容易ではないでしょう。

そこで人件費がかからず、手軽に多言語対応のサポート体制を構築できるチャットボットに注目が集まっているのです。

とくに、高度なコミュニケーション能力を持つAIがチャットボットを活用すれば、訪日観光客により良いサービスの提供が可能となります。

ビジネスのグローバル化

近年では、Web技術や物流業界の発展により、開発や製造を海外企業に委託したり、商圏を国外に広げたりしやすくなりました。

また在留外国人の増加に伴い、業種によっては国内向けのビジネスでも外国語でのサポートが必要なケースが増えています。

一方で、社内に外国語を扱える人材がおらず、思うように事業を展開できない、顧客満足度を上げられないというケースも珍しくありません。

そこで日本語以外の言語でスムーズなコミュニケーションを行うために、多言語対応のチャットボットの需要が増えているのです。

チャットボットは開発や調整の手間はかかるものの、採用よりもはるかに低いコストで導入できるため、人気を集めています。

多言語対応のチャットボットでできること

多言語対応のチャットボットでできること

多言語対応のチャットボットは、以下のような業務が行えます。

  • 日本語が話せない顧客の満足度が上がる
  • 外国語スタッフとコミュニケーションが取れる
  • 多言語対応への学習機会が得られる
  • 人手不足を解消できる

それぞれについて、くわしく解説していきます。

日本語が話せない顧客の満足度が上がる

顧客が日本語を話せない場合、翻訳ツールなどを使ってコミュニケーションを取ることになります。

意思疎通が図りづらい、やり取りに時間がかかるなど、さまざまなデメリットがあるため、顧客満足度は上がりづらいです。

加えて対象となる顧客の割合が少ない場合は、専任の担当者を用意するのも予算的に厳しいでしょう。

しかし、多言語対応のチャットボットを用意しておけば、日本語が話せないユーザーもストレス無く、質問ができるようになります。

既存顧客の満足度向上や、今まで得られなかった層からのリード獲得など、さまざまな恩恵が得られるでしょう。

外国語スタッフとコミュニケーションが取れる

多言語対応のチャットボットを社内ヘルプデスクとして設置すれば、外国人スタッフとのコミュニケーションが取りやすくなります。

言語の壁による認識の齟齬なども起きづらくなるため、社内の業務が円滑に進むようになります。

多言語対応への学習機会が得られる

チャットボットのログを見れば、ユーザーとのやり取りを確認できます。

多言語対応のチャットボットの場合、さまざまな言語での会話を閲覧できるため、文化の異なるユーザーからの質問の傾向などを探れます。

外国人向けのカスタマーサポートの品質改善に役立つ情報が手に入るため、満足度の向上が可能です。

また、海外向けのマーケティング施策の立案に必要なデータも得られるため、事業の発展に大きく寄与してくれるでしょう。

人手不足を解消できる

多言語対応のチャットボットは、設置しておくだけで休まず働いてくれます。

加えて、同時に複数のユーザーに対応できるため、繁忙期などの忙しい時期でも品質を落とさずに顧客対応を行うことが可能です。

また複数の言語に対応できるようにしておけば、言語ごとに専門のスタッフを雇う必要もありません。

採用コストの削減はもちろん、浮いたリソースを他の業務に当てられるため、より重要度の高い業務に人間の手を集中させられます。

多言語対応のチャットボットを導入するべき業種・業界

多言語対応のチャットボットを導入するべき業種・業界

多言語対応のチャットボットは、外国人の顧客や取引先とコミュニケーションを取る機会が多い業界で、活躍します。

中でも代表的な以下5つの業界について、くわしく紹介していきます。

  • 保険業界
  • 運輸・物流業界
  • アパレル・ファッション業界
  • 不動産・住宅業界
  • 地方自治体

チャットボットの使い方についてくわしく知りたい方は、以下の記事も参考になります。

チャットボットの使い方:ビジネスへの活用方法と導入するメリット

保険業界

保険業界は、多様な国籍や居住地を持つ顧客に対して、保険商品の説明や保険金の請求サポートを行う必要があります。

とくに、グローバルな商材を扱っている場合は、異なる言語圏からの問い合わせに迅速に対応できるように、多言語対応のチャットボットは設置しておいた方がよいでしょう。

運輸・物流業界

越境ECの普及に伴って、海外からの荷物の発送や受取、国際輸送の問い合わせなど、さまざまな場面で外国語対応が求められます。

そのため、運輸・物流業界でも多言語対応が急務となっていますが、人材の確保やサポート体制の新規構築などは簡単ではありません。

多言語対応のチャットボットを導入すれば、少ないリソースで外国語対応が可能になるため、積極的に導入しましょう。

アパレル・ファッション業界

近年オンライン化が加速しているアパレル・ファッション業界では、チャットボットによるオンライン接客の導入が推奨されています。

加えて、グローバル市場への進出の加速により、外国人顧客への対応力の強化が競争戦略の1つとなっています。

そのため多言語対応のチャットボットは、商品や購入方法の説明、返品対応などを顧客に合わせて柔軟に行える強力なツールになります。

顧客の言語を選ばずに、販促やサポートが行えるようになるため、顧客満足度や売上が向上するでしょう。

不動産・住宅業界

不動産・住宅業界では、留学生や駐在員などの在留外国人はもちろん、海外の投資家の対応が必要なケースもあります。

そのため、多言語対応チャットボットを導入し、円滑なコミュニケーションが取れる体制を整えておけば、契約が取りやすくなるでしょう。

地方自治体

地方自治体の重要な業務の1つに、災害時の住民への情報提供やサポートがあります。

住民に外国人がいる場合、問い合わせの窓口が日本語にしか対応していないと、混乱を招きます。

しかし、多言語対応のチャットボットをホームページに設置しておけば、言語を選ばずに情報を得ることが可能です。

そのため、地方自治体にとって多言語対応のチャットボットは、住民に安全な暮らしを提供する上で、強力なツールとなります。

また、国際イベントや町おこしの案内など、外国人観光客の増加を目的とした施策を打つ際にも、効果を発揮してくれるでしょう。

多言語対応のチャットボットを選ぶ際の注意点

多言語対応のチャットボットを選ぶ際の注意点

多言語対応のチャットボットを導入する際は、利用するサービスや開発方法を確認しましょう。

機能が不十分なチャットボットを選ぶと、目的を達成できなくなる恐れがあります。

以下では、多言語対応のチャットボットを選ぶ際の5つの注意点について解説していきます。

  • 学習にAIを使っているか
  • 言語の種類が揃っているか
  • 費用対効果が見込めるか
  • 日本語でのサポートがあるか
  • 目的に合うチャットボットか

チャットボットの導入に失敗する原因や予防策について知りたい方は、以下の記事も参考になります。

チャットボットが使えないと言われる理由は?失敗事例や課題を解説

学習にAIを使っているか

多言語対応のチャットボットを構築する際は、学習にAIを用いているものを選びましょう。

シナリオ型や辞書型のチャットボットは、自社で言語別の学習データを用意する必要があるため、公開に至るまでに膨大なリソースが必要です。

一方でChatGPTなどの生成AIを使ったチャットボットであれば、はじめからシステムが多言語に対応しているため、最低限のリソースで学習が完了します。

さらにユーザーとのやり取りの中で自動学習し、回答精度が上がっていくため、運用に必要なリソースも比較的少ないです。

AIの搭載を謳うチャットボットの中には、学習データは運営者側で用意しないといけないものもあるため、注意して選びましょう。

AIチャットボットや機械学習についてくわしく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

機械学習型チャットボットとは?作り方や仕組み、種類を徹底解説!

言語の種類が揃っているか

多言語対応のチャットボットを導入する際には、自社の顧客やターゲットの主要言語に対応できるか確認しましょう。

英語や中国語、スペイン語など、メジャーな言語に加えて、事業を展開する地域にも対応しているサービスを選ぶことが大切です。

また、地域特有の方言や表現にも対応できるチャットボットを利用すれば、より高品質なユーザー体験を提供できます。

費用対効果が見込めるか

チャットボットの導入には、費用がかかります。

外部のサービスを利用する場合、初期の導入費用をはじめ、運用代行や保守管理費用、ライセンス料など、さまざまなコストが必要です。

自社で開発する場合も、開発や研究に膨大なリソースを要します。

そのため無計画に導入すると、経営を圧迫する原因になりかねません。

事前に採算が合うか確認し、利益が見込める確信を持ってから導入に踏み切りましょう。

日本語でのサポートがあるか

チャットボットサービスの中には、運営元が海外のサービスもあります。

利用しても問題はないですが、日本語のサポートがないと後々トラブルにつながるおそれがあるため、注意が必要です。

とくに、ユーザーにも関係する不具合が起きた場合、対応が遅れると信用の低下を招きます。

そのため、多言語対応のチャットボットを導入する時は、有事の際に円滑なコミュニケーションがとれるよう、日本語のサポートがあるサービスを選びましょう。

目的に合うチャットボットか

多言語対応の有無に限らず、チャットボットは自社の目的に合うサービスで構築するのが鉄則です。

たとえば、カスタマーサポートに強みを持つサービスと、マーケティングに強みを持つサービスでは、使用感や搭載されている機能が異なります。

ミスマッチな製品を選ぶと、後に自社の目的が達成できずに予算が無駄になるおそれがあります。

とくに多言語対応のチャットボットの場合、ターゲットの言語に対応していないなどの事態が起こると、本末転倒です。

導入前に達成したい目的や、必要な機能を洗い出し、適切なサービスを選ぶようにしましょう。

多言語対応のチャットボットを導入して、対応の幅を広げよう

多言語対応のチャットボットを導入すれば、外国人ユーザーへの対応を円滑にしたり、商圏を広げられたりと、さまざまなメリットが得られます。

とくに、ホテルや観光、不動産などの海外の顧客を相手にすることが多い業界では、競争戦略の1つとして多言語対応のチャットボットの導入が重要視されています。

越境ECの立ち上げなど、グローバル市場への参入を考えている方は、この記事を参考に多言語対応のチャットボットを導入してください。


関連記事Related article