チャットボットの会話デザインとは?意識すべきポイント・UIも解説
チャットボットは現在、企業の公式LINEやホームページなどを中心に、利用できる場面が増えています。業務効率化や顧客満足度の向上が期待できるため、導入を検討している方も多いのではないでしょうか。
ただし効果を高めたければ、会話の内容や外観をしっかりと考える必要があります。ユーザーが使いやすいように設計しなければ、成果は得られないでしょう。
そこで本記事では会話・UIの2つに分け、それぞれのデザインのポイントを解説していきます。UXに優れたチャットボットを運用していきたい方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
チャットボットにおけるデザインとは
チャットボットを導入する際は、下記2種類のデザインを意識しましょう。
- 会話デザイン
- 外観デザイン
会話デザインとは、回答にたどり着くまでの内容を設計することです。文章の正確性をはじめ、語尾や提示するURLなど考えるべき項目は多岐にわたります。ニーズや利用シーンに基づいて設計することで、使いやすいチャットボットにできます。
また搭載するチャットボットの種類によって、考えるべき項目はさまざまです。たとえばAI型であれば人格、シナリオ型であれば選択肢などが挙げられます。
そのため会話デザインを行う際は、種類ごとに異なる機能や仕様を理解しておくべきです。こちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
チャットボットの種類とは?シナリオ型・AI型などの特徴と選び方を解説
外観デザインは、ボタンや色などUIを設計することです。洗練させることで視認性や操作性が上がり、利用率の向上が期待できます。
大きく分けると会話デザインは新規ユーザーの利用率・利用中の満足度、外観デザインはリピーターの利用率・利用後の満足度との関わりが強いといえます。
それぞれで考えるべき要素は異なりますが、UXを向上させるという目的は同じです。より使いやすいチャットボットにするためには、どちらも欠かせない要素です。
UXを良くするには会話デザインが重要
チャットボットにおけるユーザー体験を向上させたければ、会話デザインは必須です。
たとえば自治体のホームページにシナリオ型チャットボットを設置するのであれば、質問のジャンルごとに選択肢を分類するのが良いでしょう。「ごみの分別に関すること」「引っ越しに関すること」などにわけておけば、ユーザーは迅速に回答にたどり着けるようになります。
また若者向けに導入するのであれば、親しみやすい語尾にしてSNSでの拡散を狙っても良いでしょう。
利用シーンを考えて会話デザインを行うことで、満足度の向上が期待できます。優れたUXを提供できれば利用率が向上し、導入目的の達成にも寄与するはずです。
チャットボットの会話デザインを設計する流れ
会話デザインは下記の流れで行いましょう。
- ユーザーニーズを明確にする
- 人格を設定する
- 会話の流れを設定する
- コンバージョンを設定する
それぞれ解説していきます。
ユーザーニーズを明確にする
ニーズがわからないと、会話デザインの方向性が定まりません。まずは想定ユーザーがどのような使い方をするのか考えてみましょう。
たとえばコールセンターの代替として導入する場合、製品の使い方や購入方法を相談したいユーザーの利用が考えられます。
FAQに記載しているような、解決策が明確な質問が想定されるのであれば、簡潔な回答が望ましいでしょう。一方で状況によって解決策が異なる質問であれば、簡単な概要と一緒に、取り扱い説明書のURLを提示するように設計しておくと、満足度が高まりそうです。
このように質問が想定できれば、登録すべきデータが理解できます。導入する際は、まずニーズを明確にし、デザインの方向性を定めましょう。
人格を設定する
チャットボットの人格も会話デザインを行う上で大事な要素です。一人称や語尾によって、利用者が抱くイメージは異なります。
丁寧な印象を与えるために「ですます調」で統一したり、親しみを持たせるために「~なのだ」といった特徴的な語尾を採用したり、自由に設定できます。
また複数の人格を持たせることも可能です。
実際にヤマト運輸の公式LINEのチャットボットは、この手法が取り入れられています。基本的に「ですます調」で対応していますが、入力内容の語尾に「にゃ」をつけると、チャットボットも語尾を「にゃ」にして返答するようになります。
遊び心のある会話デザインで、SNSを中心に話題になりました。チャットボットの人格はブランディングにもつながります。想定シーンに合わせて、適切に設定しましょう。
会話の流れを設定する
シナリオ型のチャットボットを導入する場合は、回答を提示するまでの流れを考えるべきです。洗練させることで、ユーザーは情報にたどり着きやすくなります。まず質問の大枠を捉え、徐々に必要としている情報に絞っていくフローが一般的です。
回答にたどり着くまでに選択肢を提示される回数が多いと、ユーザーは煩わしさを感じます。そのため質問のカテゴライズ方法や、選択肢の数を工夫するべきです。AI型や辞書型と組み合わせて、最初にフリー入力ができるようにしても良いでしょう。1回の入力で大まかなユーザーニーズを捉えられます。
また一つ前の質問に戻れる機能を搭載するのも有効です。ニーズと異なるフローに進んでしまっても、簡単にやり直せる仕様はユーザビリティの向上に寄与します。
利用者の目線に立ち、どのようなフローが使いやすいか意識しながらデザインしてみてください。
コンバージョンを設定する
回答とともに提示するURLもしっかりと精査しておきましょう。適切なURLを設置すれば、売上や満足度の向上につながります。
たとえばECサイトに導入する場合、回答のあとに新商品のLPを提示すれば、効率的に認知を拡大できます。また自治体であれば、広報誌や補助金の新着情報を掲載してみてもいいでしょう。
ただし深刻な悩みの相談やクレームなど、状況によってはコンバージョンを設置すべきでない場面もあります。利用シーンを考えた設定を心がけてください。
チャットボットの会話デザインを行うコツ
チャットボットの会話デザインを行うコツは、下記の3点です。
- UXを重視する
- できないことは正直に答える
- 改善を続ける
それぞれ解説していきます。
UXを重視する
会話デザインはユーザー目線に立って、使いやすさを重視しながら行いましょう。ユーザーと企業側でリテラシーは異なります。選択肢にはできるだけ専門用語を使わない、抽象的な質問にも対応できるようにAIを調整するなど工夫しましょう。
また複雑な質問が想定されるのであれば、有人対応への切り替え機能を搭載し、より幅広いニーズに応えられるようにするべきです。
このように利用シーンやユーザー層に基づいて設計することで、UXの良いチャットボットに仕上げられます。
シンプルに回答する
提示する回答はシンプルにしましょう。回りくどい表現ではUXが悪くなります。顧客サポートのために導入している場合、回答がわかりにくいと電話による問い合わせ数が減らず、導入効果が得られません。
ただしユーザーのリテラシーも考えると、専門用語を用いたシンプルな回答か、かみ砕いた表現にするか迷う場合もあるでしょう。
このような場合は、まず簡潔な答えを提示し、用語集やくわしい説明のURLを提示するのがおすすめです。ユーザーの知識量を問わず、満足度の高いチャットボットになります。
改善を続ける
会話デザインは運用中も改善を続けることが大切です。たとえば評価の悪い回答には、実際にユーザーが知りたかった内容に合わせて、シナリオやAIを調整する必要があります。
ただし会話デザインの改善だけでは、解決できない問題もあるため注意してください。たとえば利用率が低い場合は、満足度が低いのか、単にユーザーに認知されていないのかといった複数の原因が考えられます。
しっかりと解析を行い、何に注力すべきかを明確にした上で改善を進めましょう。
チャットボットはUIのデザインも大切
UXに優れたチャットボットを運用したければ、会話の内容だけでなく見た目にも注力するべきです。
表示方法が悪ければ認知されず、高い利用率は望めません。また回答精度が良くても文字が読みにくかったり、選択肢が選びにくかったりすれば、満足度は低下してしまいます。
会話と外観それぞれを重視して、満足度の高いチャットボットを運用しましょう。
チャットボットのデザイン要素
チャットボットの外観において、考えるべきデザインの要素は以下の6つです。
- ウィジェット
- 選択肢
- ボタン
- アバター
- カラー
- フォント
それぞれ解説していきます。
ウィジェット
ユーザーから認知されなければ、チャットボットを運用していても意味がありません。そのためユーザーが発見しやすく、興味を持ちやすいウィジェットを意識しましょう。ウィジェットとは、媒体上で表示されるパーツのことです。
たとえばWeb制作会社の紹介サイト優良WEBでは、下記画像のように、チャットボットのアイコンの右上に数字を記載しています。
出典:優良WEB
アプリ通知のようなデザインで、開封率の向上を目指しています。他にもボタンを光らせたり、常に入力画面を表示させたり、ウィジェットのデザインはさまざまな工夫が可能です。
予算に余裕があれば複数のデザインを作りテストをした上で、最も利用率が高かったウィジェットを選ぶと良いでしょう。
選択肢
選択肢をどのように表示するかも重要です。視認性が悪いと選択までに時間がかかり、ユーザビリティが低下します。
箇条書きで並べたり、2×2で並べたり、表示の仕方はさまざまです。また選択肢が多くてもすべて見えるように、スクロール機能を搭載するなど工夫しましょう。
ボタン
シナリオ型のチャットボットは回答にたどり着くまでに、数回選択肢をクリック・タップします。何度も触れる場所なので、使いやすく見やすいデザインを意識するべきです。
カーソルを合わせた項目の色が変わる仕様にしたり、誤タップしないようチェックボックスを選択した上で確定できる仕様にしたり、さまざまな工夫ができます。
またフリー入力ができるチャットボットであれば、送信ボタンのデザインも考えましょう。ユーザーのリテラシーを考えて設計することがポイントです。
アイコンだけのボタンにすれば、おしゃれな外観になりますが、普段スマホやWebに触れていない場合、ボタンだと気づかないおそれがあります。
したがってユーザーの年齢層が高い場合、「送信」「送る」などをボタンに記載しておくと良いでしょう。
誰でも利用できるデザインも、UXを高めるために考えておくべき項目です。
アバター
ユーザーとチャットボット、どちらが話している内容かわかりやすいように、多くのチャットボットでは文章の横にアバターを表示できます。
コールセンターの代替であればスタッフの画像、機械によるサポートであることを強調したければロボットの画像など、利用シーンに合わせて設定しましょう。
特に有人対応に切り替えられるチャットボットであれば、対応者の区別のしやすさを重視して考えるのがおすすめです。
カラー
チャットボットのボタンや枠、テキストの色も意識しましょう。何も考えずに設置すると、浮いた印象になったり、文字の視認性が悪くなったりします。
そのため設置する媒体やロゴで使われている色を基調に、見やすい配色を考えてください。色の組み合わせや背景とのコントラストも考慮すると、幅広いユーザーの満足度を向上させられます。
フォント
文章の視認性を上げるためには、フォントもよく考える必要があります。
自治体向けといった幅広い年齢層の利用が想定される場合は、高齢者も見やすいUDフォントなどを積極的に採用するべきです。一方キャラクターが回答するチャットボットであれば、可愛らしさを基準に選んでも良いでしょう。
このように、フォントも想定ユーザーを考えて採用するのがおすすめです。使いやすさ・ブランドイメージを左右する要素なので、慎重に選びましょう。
ニーズに適したデザインを理解して改善を続けよう
使いやすさを考えて会話や外観をデザインすることで、チャットボットの満足度を高められます。そのため導入する際は、想定ユーザーの年齢層やリテラシーを考えた設計が大切です。
またUXを良くしたければ、導入後の改善も必須です。利用率や回答精度などを解析すれば、修正点が明確になります。ニーズに適したデザインに変更できるようになるため、より効果的なチャットボットに仕上がるでしょう。
本記事では会話内容と外観、それぞれでデザインすべき項目も具体的に紹介しました。ぜひ参考にして、ユーザビリティの高いチャットボットを運営してみてください。
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