チャットボットの種類とは?シナリオ型・AI型などの特徴と選び方を解説
近年チャットボットを目にする場面が増えたことから、導入を検討している人は多いのではないでしょうか。しかし多くの製品が出回っており、どれを選んでいいか悩むという声をよく耳にします。
一口にチャットボットといっても、さまざまな種類があります。チャットボットの効果を最大限引き出すには、それぞれの特徴を理解した上で導入することが重要です。
この記事ではチャットボットを4つの観点から分類し、種類ごとの特徴を解説します。また自社に合ったチャットボットの選び方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
【こちらの記事もおすすめ】
チャットボットの導入費用 | 種類・機能別の相場や、費用を左右する要因を解説
目次
チャットボットの種類は4つに分類できる
近年チャットボットは社内外の問い合わせ対応や、カスタマーサポートで使われることが増えてきました。さまざまな用途で使われるようになった背景に、チャットボットの種類が増えていることが挙げられます。
豊富な選択肢の中から自社に合ったチャットボットを見つけるには、種類ごとの特徴を理解しておくことが重要です。本記事では下記4つの観点からチャットボットを分類し、特徴をそれぞれ解説していきます。
- 機能
- AIの有無
- 仕組み
- 導入形態
機能で分類したチャットボットの種類
機能で分類すると、チャットボットの種類は下記の4つです。
- FAQ型
- 処理代行型
- 配信型
- 雑談型
それぞれの特徴をくわしく解説していきます。
FAQ型
FAQ型は、ユーザーからの質問に回答するチャットボットです。導入時に学習させたデータをもとに、適切な回答を提示します。そのためユーザーはホームページ上で必要な情報を探し回る必要がなくなります。
また企業と顧客間でのやりとりだけでなく、社員同士の問い合わせを効率化するために用いられるケースも少なくありません。生産性向上に取り組む企業に最適な種類といえます。
チャットボットにおけるFAQについてくわしく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
【チャットボットとFAQシステムの違い】作り方や使い分け方を解説
処理代行型
処理代行型チャットボットは、ユーザーとの対話から得た情報をもとに、飲食店や会議室の予約などのシステム処理を自動的に行うチャットボットです。代表的な例として日本郵便のLINE公式アカウントが挙げられます。お問い合わせ番号の入力により荷物の追跡ができるなど、ユーザーの負担軽減に貢献しています。
営業所への電話などの手間をかけずに作業を完結できるため、顧客満足度の向上に効果的です。また顧客とのやりとりが減るので、企業の生産性アップにもつながります。
配信型
配信型は、情報発信に特化したチャットボットです。ユーザーとの対話は行わず、主にキャンペーンや新製品の告知をする際に活用されています。
配信型チャットボットはメルマガ運用と似ていますが、リアルタイムで情報を発信できる点が異なります。そのため、より親近感を抱いてもらいやすいのが特徴です。またミーティング時のリマインドなど、社内ツールとして利用されることもあります。一斉に対象者に配信できるため、個別に連絡する手間を省き、トラブルを回避できます。
雑談型
雑談型チャットボットは、ユーザーとの会話を目的としたチャットボットで、ほとんどの場合AIが搭載されています。そのため人と会話しているかのような自然なコミュニケーションが実現します。
有名な雑談型チャットボットの1つに、日本マイクロソフトが開発した「りんな」があります。2015年にLINEのサービスに登場し、友人との会話のようなトークを楽しめることから話題になりました。
雑談型チャットボットは売上に直結しづらいものの、間接的な効果が期待されます。コミュニケーションを重ねることで、企業のイメージアップやファンの形成につながり、商品やサービスを購入してもらえる可能性があるのです。まだ導入している企業は少ないため、差別化を図りたい企業とも相性が良いでしょう。
AIの有無で分類したチャットボットの種類
AIの有無で分類すると、チャットボットの種類は下記の2つです。
- AI非搭載型
- AI搭載型
それぞれの特徴をくわしく解説していきます。
AI非搭載型
AI非搭載型のチャットボットは、運営者が設定したルールやシナリオに基づいてユーザーとのやり取りを行います。
利便性を高めるにはユーザーからの質問を想定し、抜け漏れなくデータを登録しなければなりません。シナリオが適切に設定できれば、ユーザーはスムーズに知りたい情報を得られます。ただし想定される質問が多い場合、導入に手間がかかるため注意が必要です。
AI搭載型
AI搭載型には人工知能を搭載したチャットボットが該当します。ユーザーからの質問に対してAIが柔軟に回答します。たとえばサービスサイトやECサイトの問い合わせ対応、ユーザーの希望に沿った商品提案、問合せ内容に応じたFAQページへの案内など、多岐にわたる対応が可能です。また多言語対応もできるため、外国人とのやりとりが多い場合にも有用です。
AI搭載型チャットボットの大きな特徴は、自己学習能力にあります。質問の回数が増えるにつれて的確な回答ができるよう、自ら成長していくのです。また専門的な質問にも回答できるため、従来オペレーションスタッフが対応していた領域をチャットボットに任せられます。ただし学習量が少なかったり、学習の精度が低かったりすると、回答の質が低くなるため注意が必要です。
仕組みで分類したチャットボットの種類
仕組みで分類すると、チャットボットの種類は下記の4つです。
- ログ型
- シナリオ型(選択肢型)
- 辞書型
- ハイブリッド型(シナリオ型・辞書型)
それぞれの特徴をくわしく解説していきます。
ログ型
ログ型チャットボットは、蓄積されたデータをもとに入力された質問に回答するチャットボットです。質問の意図をくみ取って回答を生成するため、人との対話に近い体験を提供できます。
AI搭載型チャットボットで用いられる仕組みで、会話を重ねるごとにデータが増え、精度が向上します。FAQの登録のみでも利用できるため、導入ハードルは低めです。多くのやり取りや、多岐にわたる質問が想定される場合に適した種類といえます。
シナリオ型(選択肢型)
シナリオ型チャットボットは選択肢型とも呼ばれ、あらかじめ用意したシナリオに基づいて回答を提示するチャットボットです。ユーザーは該当する選択肢を選ぶだけで回答にたどり着けます。
導入する際は想定されるシナリオを作成し、チャットボットに読み込ませておく必要があります。ユーザーに適切な選択肢を与えられなければ回答に導けないため、細かくニーズを分析しながらシナリオを作成することが重要です。
シナリオ型チャットボットについてくわしく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
シナリオ型チャットボットとは?活用メリットや無料ツールも紹介!
辞書型
辞書型チャットボットは、ユーザーの質問に対して事前に用意した回答を提示するチャットボットです。導入時に質問と回答をセットで登録しておき、ユーザーからの問いに応じた回答を提供します。
ユーザーは自由に入力できますが、登録されていない質問には回答できません。また質問の仕方が不適切な場合も、求める回答にたどり着けないことがあります。顧客満足度を高めるには、ユーザーニーズを意識し、データを抜け漏れなく登録しておくことが重要です。
ハイブリッド型(シナリオ型・辞書型)
ハイブリッド型チャットボットは、シナリオ型と辞書型の仕組みを兼ね備えたチャットボットです。ユーザーが選択肢から求める情報にたどり着けない場合、質問を入力して回答を引き出せるため、課題が解決しやすいという特徴があります。
一方で膨大なデータを登録する必要があるため、導入に手間がかかる点がデメリットとして挙げられます。今後はAI搭載型をかけ合わせた製品の登場も予想できます。より導入ハードルが低く、ユーザーにとって利便性の高いチャットボットを導入できる日がくるかもしれません。
導入形態で分類したチャットボットの種類
導入形態で分類すると、チャットボットの種類は下記の2つです。
- クラウド型
- オンプレミス型
それぞれの特徴をくわしく解説していきます。
クラウド型
クラウド型チャットボットは、別途サーバーを契約する必要がないチャットボットです。自社で行わなければならない作業が少なく、すぐに利用できます。また多くの場合サポートがついており、社内に専門知識がなくても導入が容易です。初期費用を抑えたい企業や保守の手間を抑えたい企業にとって適したタイプといえるでしょう。
ただしサービスによっては、ランニングコストが高額になる点に注意が必要です。またシステムの可用性はベンダーに依存することになるため、サーバートラブル等が起きても自社では対処のしようがありません。アクセスの急増などの原因でサーバーに負荷がかかった場合、復旧までに時間がかかる恐れがある点に注意が必要です。
オンプレミス型
オンプレミス型チャットボットは、自社サーバーに設置して利用するチャットボットです。管理や運用は自社で行うため、社内に専門知識を持った人材が必要です。
オンプレミス型チャットボットの最大のメリットとして、カスタマイズしやすいことが挙げられます。目的や運用体制に合わせて細かく設定できるため、快適に利用できるでしょう。
一方でサーバーの用意や導入作業には手間がかかります。さらに初期費用が高額になるケースもあるため、十分な予算を確保しておく必要があります。専門知識をもった人材が在籍しており、カスタマイズを重視する企業に向いている種類といえるでしょう。
自社に合ったチャットボットの選び方
チャットボットを導入する際は、目的を明確にした上で選ぶことが重要です。「よくある質問に回答できれば十分」であれば、AI搭載型を選択する必要はなく、AI非搭載型×FAQ型のチャットボットが適しています。一方で「人材不足を解消するため、オペレーション業務の大部分を担わせたい」という場合、AI搭載型×ログ型が最適です。
また運用体制によっても選ぶべき種類は異なります。社内にエンジニアが在籍していてサポートの必要がない場合はオンプレミス型、サポートを求める場合にはクラウド型が適しています。
下表は各タイプのチャットボットが、どのようなニーズに対応しているかを示しています。どの種類を選ぶべきか悩んでいる方は参考にしてみてください。
分類 | 種類 | 対応しているニーズ |
---|---|---|
機能 | FAQ型 | ・ユーザーの悩みをスピーディに解消したい ・FAQページがあるが、思うように使われていない |
処理代行型 | ・予約業務の効率化を図りたい ・オペレーターの負担を軽減したい |
|
配信型 | ・リアルタイムに情報を発信したい ・ユーザーとの双方向のやりとりは求めていない |
|
雑談型 | ・企業やサービスのファンを増やしたい ・イメージアップを図りたい |
|
AI | AI非搭載型 | ・シンプルなチャットボットが欲しい ・簡単な業務の効率化を図りたい |
AI搭載型 | ・多岐にわたる質問に対応したい ・オペレーターの負担を軽減したい |
|
仕組み | ログ型 | ・ユーザーからの曖昧な質問にも答えたい ・多岐にわたる質問に対応したい |
シナリオ型 | ・よくある質問に答えられれば良い ・手間をかけずに運用したい |
|
辞書型 | ・シンプルな質問に答えられれば良い ・専門知識がなくても運用できるチャットボットが欲しい |
|
ハイブリッド型 | ・多岐にわたる質問に対応したい ・専門知識がなくても運用できるチャットボットが欲しい |
|
導入形態 | クラウド型 | ・運用サポートを受けたい ・すぐに利用したい |
オンプレミス型 | ・細かくカスタマイズしたい ・ランニングコストを抑えたい |
チャットボットの導入手順についてくわしく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
チャットボットの導入手順を企業向けに解説!活用方法や効果も紹介
種類ごとの特徴を理解し、目的を果たせるチャットボットを選びましょう
チャットボットは種類によって導入のメリット・デメリットが異なります。自社の目的や運用体制にマッチするチャットボットを選ぶことが、運用を成功させるための重要なポイントです。
適切なチャットボットを導入すれば、業務効率化や顧客満足度向上に大きく寄与することが期待できます。本記事を参考に、自社に合ったチャットボットを探してみてください。
ChatGPT搭載の新しい
Web接客サービス!
「うちのAI」は、自社データを学習させたChatGPTを、休まず働く社員として活用できるサービスです。 「うちのAI」は、ChatGPTに自社独自のデータを学習させ、24時間365日働く営業マンや接客スタッフとしてWebサイトに組み込めるAIチャットボットサービスです。
- ChatGPTにサービス内容や商品情報などを学習させ、 自然な会話からコンバージョンへ誘導!
- チャット履歴の確認や改善も可能! 貴社専属の「AI社員」に成長します!
- Webサイトへの組み込みもスムーズ、運用サポートも完備!