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チャットボットの導入効果はない?活用事例や効果測定のやり方を解説

チャットボットの導入効果はない?活用事例や効果測定のやり方を解説

チャットボットは業務効率化や人件費の削減が期待でき、多くの自治体や企業で導入が進んでいます。実際にホームページなど、多くの場所で見られるようになりました。カスタマーサポート・社内ヘルプデスクといった多くの業務を任せられるため、今後も採用数は増えていくと考えられます。

しかしチャットボットを使う具体的なメリットがよくわからず、導入をためらっている方もいるでしょう。

そこで本記事では得られる効果や活用事例について、くわしく紹介していきます。効果を高めるポイントも解説しているので、チャットボット運営で成果を出したい方はぜひ参考にしてください。

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チャットボットの導入費用 | 種類・機能別の相場や、費用を左右する要因を解説

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チャットボットはさまざまな効果がある

チャットボットには、下記のような複数の効果があります。

  • 業務効率化
  • コスト削減
  • 問い合わせハードルの低下
  • 顧客対応の均一化
  • 対応可能時間の拡大
  • ユーザーニーズの理解

それぞれ解説していきます。

業務を効率化できる

チャットボットには顧客対応をはじめ、有人で行っていた業務を任せることができ、業務効率化が期待できます。

これまでは予約管理など、簡単な業務の代行が主流でしたが、AI型チャットボットの登場で、より幅広い業務を効率化できるようになりました。

スタッフは他のタスクに時間を使えるようになるため、同じ時間でより多くの成果を上げられるようになるでしょう。

コスト削減につながる

チャットボットにより業務を自動化すれば、より少ない人員でこれまで通りの作業ができるようになります。人件費が削減できるのはビジネスにとって大きなメリットです。また人員の削減に伴い各種機材やスペースが不要になる点も、利益率の向上に寄与します。

問い合わせのハードルが下がる

ユーザーの中には人とのコミュニケーションが苦手で、疑問があっても問い合わせをしない方もいるでしょう。しかしチャットボットであれば自分のペースで会話を続けられる上、相手の時間を気にする必要もないため、気軽に相談できます。

相談するハードルを下げられるため、問い合わせ数の増加が期待できます。ユーザーは悩みを抱えづらくなるので、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

顧客対応の質を均一化できる

有人による顧客対応では、スタッフによって顧客満足度にばらつきが出てしまいます。一方でチャットボットは同じ言葉遣い、内容で回答することが可能です。そのため常に一定の質でサポートできます。

また顧客対応を有人で行う場合は研修が必要ですが、チャットボットには必要ありません。即戦力としてすぐに活用できるのも魅力の1つです。

24時間365日対応できる

多くの企業や自治体が行っているサポートは稼働時間が決まっています。深夜や休日に対応しておらず、ユーザーの悩みを解決するまでに時間がかかることもあるでしょう。

しかしチャットボットは24時間365日稼働できます。時間を気にせずに相談できる点は、顧客満足度の向上に寄与するはずです。

ユーザーのニーズが理解できる

チャットボットに寄せられる質問は、ユーザーニーズそのものです。

たとえば相談回数が多い項目は、その情報を欲しているユーザーが多いと考えられます。そのため情報を充実させたり、目立つ位置に配置したりするのが有効だと推測できるでしょう。

このようにニーズを理解することで、需要に合わせた改善を効率的に行えるようになります。

ただしチャットボットによっては項目を選択できるだけで、任意の文章を入力できない製品があるため注意してください。自由に文章が入力できないと、細かくニーズを把握できません。

シナリオ型であれば回答の提示後にユーザーに評価してもらい、実際に知りたかったことを記入してもらうなどの工夫が必要です。

チャットボットの活用事例

パソコンを見ながら付箋にメモを取っている

下記3つの活用事例を紹介していきます。

  • コールセンター
  • 自治体
  • 社内ヘルプデスク

コールセンター

コールセンターにチャットボットを導入すると、下記効果が得られます。

  • 人件費の削減
  • 対応の均一化
  • 問い合わせハードルの低下

チャットボットにカスタマーサポートを任せれば、少ないスタッフで対応できるようになり、人件費の削減につながります。回答内容にばらつきもでなくなるため、常に同じ水準でのサポートが可能です。

また人とのコミュニケーションが苦手な人も、気軽に相談できるようになります。顧客対応にかけるコストを下げつつ、問い合わせ数の増加も期待できる点が魅力的です。

実際にECサイトのカスタマーサポートとしてAI型チャットボットを導入したことで、問い合わせ対応の3分の1を機械化し、6.5人分の省人化に成功した企業もあります。業務規模が大きく、相談件数が多いビジネスと相性が良いといえるでしょう。

参考:通信販売ECMO | アスクル、AI型チャットロボ導入で省人効果6.5人分に

コールセンターにチャットボットを導入する際の効果や活用方法について、くわしく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

コールセンターにチャットボットを導入する効果とは?活用方法も紹介

自治体

自治体のホームページなどにチャットボットを導入すると、下記のような効果が得られます。

  • 生産性の向上
  • 対応可能件数の増加
  • ユーザーニーズの理解
  • 多言語対応

自治体のホームページには、ユーザーの疑問が解決できるようにFAQが掲載されています。しかし膨大なFAQの中から、自身の悩みに合った回答を見つけるのが難しく感じる方もいます。そのため簡単な質問であっても、電話で相談する人は多いでしょう。

チャットボットを導入すれば、文章による質問や項目の選択だけで、回答にたどり着くことが可能です。利便性が伝われば職員の力を借りずに、自身で疑問を解決できるユーザーが増えるでしょう。

またチャットボットであれば土日でも対応できたり、日本語以外の質問にも答えられたりするため、より多様なユーザーへの対応が可能です。

ほかにも質問回数が多い内容があれば、該当するFAQを目立つ場所に設置するなど、ニーズに即した改善がしやすくなる点も魅力的です。

実際に福島県会津若松市は、情報へのアクセス性向上などを目的として、チャットボットを導入しています。市民アンケートでは80%以上のユーザーから好意的な反応が得られた上、職員は対面での問い合わせが必要な方に時間をかけられるようになったそうです。

参考:総務省 | 地方自治体におけるAI・ロボティクスの活用事例

自治体での活用事例について、よりくわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

自治体がチャットボット導入で得られる効果とは?導入事例やツールの選び方も

社内ヘルプデスク

社内ヘルプデスクとしてチャットボットを導入すると、下記のような効果が得られます。

  • 生産性の向上
  • 就労環境の改善

チャットボットを導入すれば社員間の質問が減り、生産性の向上が期待できます。仮に1つの質問に合計20分程度かかるとすると、月に100回質問があれば約30時間の節約が可能です。

また質問の度に仕事を中断する必要がなくなり、これまで質問を受けていた社員のストレス軽減にも寄与するでしょう。

社内ヘルプデスクとしてチャットボットを導入した、ある企業の情報システム部では、1日平均30件以上の問い合わせが10分の1にまで減少したそうです。「電話よりも早く回答を得られていい」「今さら聞けないようなことでも気軽に質問できる」といった声も挙がっているとのことで、定性的な効果も見受けられます。

参考:ITmedia | チャットbotを導入して、「社内ヘルプデスクの電話対応」をやめてみた結果

社内向けチャットボットについて、くわしく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

社内向けチャットボットおすすめ5選!事例や失敗を防ぐ方法も紹介

チャットボットを導入する際の注意点

チャットボットを導入する際は、機械化する業務を明確にし、自社に適した製品を選ぶことが大切です。たとえば複雑な業務を効率化したければ、機能性が高いチャットボットを選ばないと、十分な効果は得られません。

またチャットボットは、既存業務の完璧な代替はできない点にも注意してください。コールセンターであればクレーム処理など、有人対応が必要なシーンもあります。

そのためチャットボットへの完全な置き換えではなく、有人対応の割合を減らすイメージで導入するのが良いでしょう。

チャットボットを導入する際の、よりくわしいポイントについて確認したい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

チャットボットの導入手順を企業向けに解説!活用方法や効果も紹介

チャットボットの効果を高める方法

チャットボットの効果を高める方法

チャットボットの効果を高めるには、下記3つの方法が有効です。

  • 想定ユーザー・ニーズを理解する
  • 改修しやすい製品を選ぶ
  • 効果測定を行う

また費用対効果を高める方法については、こちらの記事で解説しています。くわしく知りたい方はぜひご覧ください。

チャットボットの費用対効果を高めるには?導入時に気をつけるべきポイントを解説

想定ユーザー・ニーズを理解する

チャットボットの効果を高めたければ、まず導入する目的を明確にしましょう。やみくもに導入してしまうと、管理に手間がかかったり、必要な機能が搭載できなかったりする恐れがあります。

そのため事前に利用ユーザーを想定して、必要な機能や仕様を事前に把握することが大切です。たとえばカスタマーサポートとして導入する場合は、製品の仕様や購入方法などに関する相談が入力されると考えられます。したがって頻出の質問には回答できるようにするべきだと、方向性を定められます。

またチャットボットでは解決できない場合も想定して、有人対応への切り替え機能など、オプションの検討もできるでしょう。

想定ユーザーの解像度を上げることで、より効果の高いチャットボットが運営できます。

改修しやすい製品を選ぶ

チャットボットの効果を高めたければ、ユーザーのニーズに合わせて改修する必要があります。回答精度を高めるメンテナンスや、評価が低いシナリオの調整など、改善項目は多岐にわたります。

そのためメンテナンスがしやすい製品や、ベンダーに調節を任せられるチャットボットを選ぶのがおすすめです。

効果測定を行う

チャットボットの導入後は、実際にどのような成果が得られたのか、効果測定を行うべきです。定期的に確認することで、目的との乖離があってもスムーズに改善できます。

たとえば有人による問い合わせ件数が減少できていなければ、チャットボットの利用率や回答の質を改善すべきだと予測しやすいでしょう。

このように効果測定を実施すれば、ニーズに合ったアップデートを効率的に行えるようになります。

ただし効果測定に必要な解析ツールがないチャットボットもあるため、契約前に確認しておきましょう。

チャットボットを効果測定する際に見るべき項目

チャットボットを効果測定する際に見るべき項目

チャットボットを効果測定する際は、下記のような項目を確認しましょう。

  • 利用率
  • 顧客対応にかかるコストの変化
  • 生産性の変化
  • 解決率

それぞれ解説していきます。

利用率

チャットボットの利用率を確認することで、実際にユーザーの役に立っているか判断できます。

チャットボットをホームページに設置している場合はアクセス数かユーザー数、社内ヘルプデスクとして活用する場合は社員数などを母数として算出するといいでしょう。

利用率が低い場合は、下記のような理由が考えられます。

  • そもそもチャットボットの存在が認知されていない
  • 使ってみたものの、思ったような回答が得られず使うのをやめた

原因に合わせて、設置位置や回答内容の調整など、適切な対策を講じましょう

顧客対応にかかるコストの変化

チャットボットの導入前後で、顧客対応にかけるコストがどの程度減少したか確認しておきましょう。削減できた人件費が導入費用よりも多ければ、今後も利用を続ける価値があるといえます。

思ったような効果が得られていないのであれば、月額費用が安い他のチャットボットに切り替えるか、よりコストカットにつながる機能がないか調査してみましょう。

生産性の変化

チャットボットの導入による社員の生産性の変化も指標となります。労働時間が削減できているか、他の業務に割ける時間が増えているか確認しておきましょう。

生産性が向上していない場合、下記のような原因が考えられます。

  • 利用率が低い
  • 非効率な作業が残っている

複数の原因が考えられるため、社員へのアンケートなどを行い要因を特定することが大切です。

解決率

チャットボットの回答とともに評価ボタンを記載すれば、解決率を把握しやすくなります。解決率とはチャットボットが受けた質問のうち、ユーザーの悩みに答えられた数の割合です。確認することで回答の精度や、どの程度ユーザーの役に立っているかが理解できます。

解決率が低ければ、AIのメンテナンスやフローの改善を検討すると良いでしょう。

目的を明確にして効果的なチャットボットを導入しましょう

チャットボットは業務効率化や顧客満足度の向上など、さまざまな効果があります。そのためコールセンターや自治体の顧客対応など、多くのシーンでの活躍が期待されています。

ただし目的を明確にしないまま導入すると、管理に手間がかかったり、満足行く結果が得られなかったりするため注意してください。

また効果を高めるには、状況に合わせた改修が不可欠です。効果測定の指標になる項目についても紹介したので、ぜひ本記事を参考に成果につながるチャットボットを運用してみてください。


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